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ヴィヨンの妻~桜桃とタンポポ~ / Villon 's Wife

2009-10-11 00:07:07 | 劇場&試写★6以上

 

 

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今年は太宰治 生誕100年(1909~1948)

ということでいくつか太宰の小説が映画化されている中、
本作は太宰の「ヴィヨンの妻」をベースに、「思ひ出」「灯篭」「姥捨」「きりぎりす」「桜桃」「二十世紀旗手」を融合させ、
田中陽造が松たかこをイメージして書き下ろしたという脚本。
『サイドカーに犬』などの根岸吉太郎監督作。
第33回モントリオール世界映画祭で監督賞


そして太宰を髣髴とさせる大谷役の浅野忠信。
 既に太宰にそっくり
小説「ヴィヨンの妻」は、作家・太宰治の実生活における苦悩が、精密な筆致で私小説的に綴られていることで知られている。

太宰治といえばわたしは懐かしの「走れメロス」が好きで、あとは父が私の名前を
太宰のある小説の1文からとってつけた、ということもあって昔から気になる?存在だったの。

というわけで、初日の今日さっそく観て来ちゃった☆

先日のCharaとの離婚で、浅野忠信の年齢がまだ35だったことに驚いた私、勝手に43歳くらいだと思ってた
演技を観たのは実は今回が初めてかも。。。

松たかこ、本当こういう芯が強い古風な女性、ぴったりでとても魅力的な耐える妻を演じていた。

この妻、佐知はサブタイトルにある タンポポに例えられている。
派手さはないけど芯の強く逞しい花。
反対に大谷は、甘く魅力はあるが脆い桜桃のよう、、、、。


ざっと、こんなストーリー。
主人公、大谷は酒と女に耽溺、借金を重ねる小説家。
妻の佐知は、夫の借金を返済するために大谷が金を盗んだ酒場で働くことになる。佐知の持ち前の美しさと明るい性格で酒場は大繁盛。
酒場に通う、大谷のファンである純朴な青年、岡田は佐知に好意を寄せていく。
一方、かつて佐知の初恋の相手が弁護士となって佐知の前にあらわれ、佐知への想いを語る。
妻が日ごと色気を増していくのを横で見、いつか自分は他の男に寝取られるだろうと怯え
妻と他の男の関係を疑う大谷。
大谷は愛人の秋子と姿をくらましてしまう...。



8/10


良かった!主演ふたりが素晴らしい!
会話が、セリフが特にまた素晴らしい
内容はどこがというわけじゃないけど、全体的にすごく惹き付けられて観ていた。
当時の酒屋や家屋、電車など美術の方にも興味深く観ちゃうんだけど
その雰囲気と、太宰の独特なセリフまわしや言葉づかい。
夫婦の会話なども、いちいち堪能してしまった。

あんな夫なのに、どんな事があっても夫を第一に考えている妻、佐知。
今作は外国でも評価されたけれど、外国人からみたら、日本女性はなんて堪え難く、つつましいのだろう
って思っちゃうのかな??

佐知はきっとどんな時でも、根底には夫は自分を愛している
という事を信じていたんだろうと思う。
そうじゃなかったらあんなには愛せないはず。

こんなに純粋で、男という弱い生き物をちゃんと理解した、理想的ともいえる女性。
実際に大谷は太宰に近いとされていて、自分周りをモデルにして書いたようだけど
本当に妻はこんなような人だったのか、それとも理想像を描いたのか
そこのところは疑問もよぎったけど知らなくてもいいや。

こーんなありえないくらいダメダメ男なのに、憎たらしかったり最低!と
怒りをぶちまけたくならないのが不思議。
きっとこの弱々しさ、色々なことへの恐怖心が
母性をというか、怒り通り越して、優しさで守ってあげたくなるのかもしれない。
そんな風にすら思えて来るくらい、浅野忠信の演技は絶妙で素晴らしかった。

夫婦のラストシーンはとても印象的でした~。


酒屋の夫婦、伊武雅刀と室井滋もすごく良かったし
初恋の相手で弁護士として登場の堤真一も良かった。

恋に一途なウブさを感じさせる妻夫木くんも。


好きな人の夫に直談判で「奥さんを下さい」ってすごすぎるんですけど!(笑)

ただ、先日TVで観た『おくりびと』でも同じく思ったんだけど、広末涼子がどうもいまいち、、、。
この子、どこか現代風な感じだし軽い感じがしてピンとこない。
世の中に絶望し、つっぱって生きるちょっと小生意気な女で
大谷の愛人なんだけど、どうにも童顔過ぎてもうちょっと別な人がいたんじゃないかなと思っちゃった。
エンドロールの名前みてたら、ホイチョイで『メッセンジャー』の際一緒にお仕事した方々の名前が。
フジテレビ関係の映画だからいろいろ兼ね合いがあるのかも?
とくに広末涼子の出演にはいつもその絡みがあるように思われるような、、、。

浅野との濡れ場もちょっとだけ見せて頑張ってました☆

ただ、松たかことの最後目を交わすシーンだけは良かったように思う。

他には、佐知が現場をどうやって知ってあそこの場所に行けたの?とか
薬は現場検証で持っていかれるだろうからあそこには落ちてないでしょうとか
ちょっと気になったくらい。
とてものめり込んで観ちゃったし、セリフ、この作品のセピアカラーな昭和のトーンが好き
観て良かった~。 
同じくモントリオール映画祭で受賞の『おくりびと』よりもわたしは良かった。
そして太宰の小説、また読み返したくなっちゃったな。




公式サイト
ヴィヨンの妻    2009年  日本   114min
10月10日より、公開中~




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