我想一個人映画美的blog

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告白

2010-06-06 12:16:37 | 劇場&試写★6以上



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去年、本屋大賞受賞した、湊かなえの同名ベストセラー小説の映画化

本は読んでないんだけど、

娘を殺された教師が教室で、犯人はこの中に二人いる。と告白。
それだけでもう既に面白い。
加えて、「下妻物語」や その年のベスト10にも入れた「嫌われ松子の一生
の中島哲也監督がメガホンと知ってかなり楽しみにしてたので初日鑑賞
(前作の「パコと魔法の絵本」はやりすぎて好きじゃなかったけど)
予告篇もCMも観ずに、先入観なしでみてみた。


ある中学校の1年B組。
担任を務める女性教師の森口は、愛娘を学校のプールで殺害される。
警察は事故死と判断するが、森口は学年末の終業式の日に、犯人はクラスの中にいると生徒たちに告げる。




ざわめく教室。牛乳。レディオヘッドの曲。美しすぎる青みがかった映像 まるでプロモーションビデオのように。
そして教師は、淡々と語り出した。

松たか子やっぱりいいね。


その構成がまず面白い。なんども語り手が替わり、それぞれの「告白」がはじまる。
それは語り手からの「告白」であって必ずしも真実ではない、

ミステリーと言っても犯人探しの映画ではない。
ちょっと聞いてはいたけど、冒頭で、それも教室で 殺された娘の母である教師、森口悠子から犯人は明かされる。

殺人犯は13歳ということで、法に守られていて裁かれない。
それでも犯人を知って許せない森口は、復讐する。
それも単なる殺しではなく、じわじわと。

この方法が最高に傑作。 映画と原作はどこまで忠実で、どこが違うのかわからないけど
当然ながら本が良く出来てる映画は面白いに決まってる。
あとは演出、キャストの力も大きい。

この映画は 邦画観ててたまに感じる「ダサさ」は一切排除。
全てが美しい。美し過ぎる!
水しぶき、桜舞い散る ある春の下校の生徒たち、夕焼け、庭に咲いた赤いバラ、
血飛沫浴びた死体までも。

そして音楽、主要キャストに至るまでもう全てが美しいの。

犯人の少年も、Aはジャニーズジュニアとかにいそうな感じでまだ声変わりもなくあどけなさも残す少年。
Bも、美少年ではないけどどこか可愛らしく、
その二人とも接点のある少女Aはもう典型的な美少女で。

森口の後任でこのクラスになる、空気読めない熱血バカ教師に岡田将生。


少年Bの過保護すぎる母親に木村佳乃。



自分の息子は何も悪くないのに、担任の森口が全て悪いと思い込んでいる。
ほんと木村佳乃って、楳図かずおの「おろち」でもそうだったけど、その綺麗な顔立ちがホラー向き。
思い込み強くて怖い母親ぴったり。
(これはホラーではないけどある意味ホラー)


7/10(75点)



「この映画どう?」って聞かれたら間違いなく「面白かった」って言う。
でも好みかと聞かれたら うーーん。同じ中島監督作なら「嫌われ松子」の方が断然オススメだし好き。


とにかく綺麗に、美しく、って撮ってる意図があまり好きじゃない。
生徒の3人も、殺しのシーンも音楽も、全部がキレイすぎた気がしちゃって。
それでリアリティが感じられないんだよね、どこかプロモーションビデオ観てる感覚になっちゃう。
リアリティはいらない、という考え方もあるけど
例えば、少年犯罪をよく扱うハネケの作品だと本当にもう憎たらしいほどフツウのヤツが犯人で、
もちろんもっと重たくてもっと後味が悪い。
中島監督の作風として、これまでの作品も全てポップで映像も美しく撮られていてそれはそれで持ち味で、個性なんだろう。
好みで言えば、その部分で 心理描写に訴えるまでいかず単純に映画として面白かった。という感想。

同じ復讐という意味で言えば、この「告白」の原作で、
「復讐者に憐れみを」、「オールド・ボーイ」、「親切なクムジャさん」などの
復讐三部作を撮っている韓国の、パク・チャヌク監督だったらどう撮るかな?
そちらが観てみたいな~と思わせた

劇場は岡田くん効果なのか、年齢層かなり若めで女子高生グループや高校生のカップル多かったことに驚き★
そして隣のカップルなんてポップコーンむしゃむしゃ食べながらお家感覚で観てた、まるで緊張感ナシ?(いいけど)
上映終了後には怖かった~!っていう声も。


映画を観たり、実際の事件など聞いてたまに考える。復讐とは何なのか。

森口が告白した事には、全てが本当ではなく嘘もあるかもしれない。

母親の愛が欲しかった少年Aへ直接危害を加えるよりも、
もっと最悪、もっと苦しめる事になる最高で最悪の復讐。



よくこんな内容考えるなーって感心しちゃう(笑)

それにしても、親と子供の距離の取り方には本当考えさせられる。
過度な愛情注ぎ過ぎもダメだし、愛情不足もダメ。どちらも子供の成長に大きく関わって来る。


何の罪もない、小さな子供が犠牲者になるのは実際の事件でも本当に許せないし、
近年少年犯罪も多いけど、罪を問われないから何でもやっていいと思うのは浅はかで愚か。
劇中でも問われていた命の重さを、軽くみてることが多すぎる。



観ていて感じたのは、自分が中学や高校時代にはこんなにネット社会になっていなくてまだ携帯なんて持ってなかったし、
この映画の中でも情報の発信、携帯、インターネットというツールが欠かせない存在(小道具)になってることに現代らしさ、昔との大きな違いを感じる。

隣のクラスの友人にはメールひとつで噂も情報もすぐに流せちゃうし。
便利にはなったけど、怖い世の中だわほんと。


賛否両論という声もあるけど、原作読んでる人より読んでない人の方が比較的楽しめてるみたい?
気になってる人は観てソンはない1本です


キャッチコピーの
[娘を殺された女教師の、命の授業がはじまる]
って ぴったり (笑)

 公式サイト
告白    2010年   日本   106min
6月5日より、公開中~





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