シンプルで、潔く整頓された映像美。
センスのいい人間が監督したとひと目でわかる。
デザイナー、トム・フォード初監督/脚本作品
「ベルリン物語」などの著者クリストファー・イシャーウッドの小説を基に映画化。
最初の15分を機内で観て、字幕なしだったし公開日がすぐだったのでやめておいて
ヒルズでの上映が終わって渋谷に変わったのでやっと観てきました~
トム・フォードといえば、古臭くなりかけたブランドを一新させ、蘇らせる魔術師のようなデザイナー。
Gucciもイヴ・サンローランでもクリエイティブディレクターとして活躍。
ご本人も俳優っぽいルックスで。
本作の主人公はゲイだけれど、自身も同性愛であることは公表済み。
今日も目を覚ます。
あたらしい一日は 愛する人のいない現実を確認するだけの苦痛な日々の連続。
愛するひとがいなくなった今、自分はいったい何のために生きる?
事故で愛する人を亡くしてから絶望の日々。
今のすべてを捨てて、自ら命を断とうと決心する。
ベッドに横になり拳銃を口に入れるが、飛びちりが気になったか枕の位置をかえたり
バスルームで倒れ方を試してみたり 寝袋の中に入ったり何度もやりなおしたり。
デスクの上にはきっちりと整頓して並べられた私物、
その日に着るスーツやネクタイまで、、、、、
作品全体が、無駄なく美しくトム・フォード自身の憧れの投影なんだろうなという印象を受ける。
加えて、音楽もどのシーンにも静かにマッチしていて素晴らしい。
各映画祭などでも絶賛されたのは、主演のコリン・ファース。
最近とくに話題の作品に出ててますます注目される。
建築家で、若く明るく対照的な部分にも惹かれた恋人。
命を断とうと決めてからも彼と出逢った瞬間、過ごした時間が絶え間なく思い出される。
ジムには、W.アレン作品「マッチポイント」にも出演のマシュー・グード。
1960年代のロサンゼルス。長年連れ添ったパートナーを失った悲しみに打ちひしがれつつ、生きる価値を見出そうと苦悩する大学教授のジョージ。
失われた愛への悲痛な思いと記憶を美しき映像と演出で描く愛と喪失の物語。
かつての恋人で今は親友のチャーリーとして登場するのはジュリアン・ムーア。
まさに今!という瞬間に電話が入り、ジョージは破るつもりだった約束を守ってでかける。
講義に触発されて外でも話がしてみたいと追いかけてくる教え子ケニーにはニコラス・ホルト。
この子、数年前「アバウト・ア・ボーイ」でヒュー・グラントと共演した子役の子!
この時も確かに可愛かったけど
美少年に成長しました 現在20歳。
見たのは「ニコラス・ケイジのウェザーマン」(DVDスルー作品)以来かな?
おまけにいい脱ぎっぷり!
こんな子が いきなり目の前に現れて裸になって海に飛び込んじゃって家に来ちゃうんだから
おじさん、きっとたまらないよね。
かなり淡々と、静かに 何か事がおきるわけでもないので最初は眠気も襲ってきたけど
それでもこの映画の持つテーマと、
主人公と教え子のその行動を興味深く観入ってしまった後半。
大切な人を亡くした者にしかわからない悲しみ。
でも、
過去に起きた辛く悲しい出来事にいくら打ちひしがれていても、時間は取り戻せない、
過去は変えられない。
だったら少しでも前を見て、些細なことにでも幸せを感じて生きていく。
それにはなにかちょっとした自分の中でのきっかけ、目覚めが必要なのかもしれない。
愛する人がやってきて、行くべき場所へ向かう。
自分の意志とは別のところでそれは皮肉にも....
美しく、ビター。
まさしく、トム・フォードが撮った作品でした
7/10(70点)
公式サイト
A Single Man 2009年 イギリス 100min
10月2日より公開中~
ちなみに、ニコラス・ボルトくん、
次回作は、「X-メン:ファースト・クラス / X-Men:First Class」と「マッドマックス:フューリー・ロード / Mad Max :Fury Road」に出演が決定。
今後ファンが増えるかな?気になった人は今後も要チェック★
カンヌ映画祭にて
ヴェネチア映画祭にて
31日までの東京国際映画祭 私はこれからやっと!
一喜一憂したくないけどやっぱり気になる
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