恋に悩む貴方へ 「下燃(したも)えに思い消えなむ煙りだに跡なき雲の果てぞ悲しき」 (新古今集 藤原俊成女) 「下燃え」とは人知れず恋に焦がれること。 人知れず恋い焦がれて、私はあなたを恋慕い死んでしまうのだろう。 その火葬の煙りさえ跡形もなく雲の中へ消えてしまう、そんな恋の結末が悲しいことよ。 なんと胸の苦しみが伝わって来る歌でしょうか。 私など下燃えばかりでした。 それもいい思い出の煙りと消えました。 また、「下萌」という言葉があります。 早春のまだ雪が残っているような固い地面から出てくる草の芽のことを下萌(したもえ)といい力強さを感じます。 「下萌の大磐石をもたげたる」 「下萌や石を動かすはかりごと」 (高浜虚子) 若くて柔らかい草の芽が大きな石を持ち上げる程の力を秘めている。 このような驚く程の生命力で伸びる草の芽をみて今日を生きるエネルギーにして下さい。 合掌