10月の言葉に「霧の香(か)」があります。
霧の香りという意味ではなく、霧が立ちのぼる様子を、お香の煙が立ちのぼっていくのに見立ててこう呼ぶのだそうです。
素敵な表現だと思います。
昔は今ごろに起こる現象のようです。
現代の気象用語では、視界が1キロメートル未満のものを霧。
それ以上のものは靄(もや)。
陸上で、100メートル、海上で500メートル以下の視界を濃霧といいます。
私も富士山や、箱根で濃霧にあい途方にくれたことがありました。
人生にもありました、霧が立ちのぼる時や、濃霧に出会う時も。
しかし、いつかは霧も晴れるものです。
さわやかなお香の匂い
がしてきますようにお祈りします。
ギリシァ・ローマ神話に登場する女性にブシュケーがいます。
ブシュケーは、ある王様の三人娘の末っ子で絶世の美女であった。
そのため女神ヴィーナスの嫉妬を買い、過酷な運命に翻弄されることになります。
だが、そのたびにヴィーナスの息子エロスに助けられ、そのエロスと結ばれる。
この神話の中に、古代ギリシァ人やローマ人が考えていた「心」が
表されているという。
人間は迷い悩み、過ちを犯すという不完全な存在ではあるが、情熱や努力によって、それを克服すれば真の悦びや純粋な幸福が得られ魂は純化されて、不滅の霊魂になるという「心=霊魂」とされ、ブシュケーというギリシァ語に霊魂の意味があるのです。
また、ブシュケーの動詞形に、「息をする」という意味がありました。
心臓が息する事は、生きている証しですから、人間は生きているからこそ心が存在すると考えています。
人類最初の心を考えたとされています。
心には魂がありブシュケーと呼ぶ。
迷い悩み事は情熱と努力で克服すれば幸せになるというブシュケーという言葉を紹介しました。
悩みの相談メールがたくさん来ます。
ここでおこたえさせて頂きます。
いまの時期は自然を感じるには最適です。頭も心も無にしてみましょう。
『非思量(ひしりょう)』という言葉があります。
頭の中を空っぽにして、心を無の状態にすることをいいます。
物事を自分の中にとどめない状態を指す言葉です。
頭を空っぽにして、空を見上げてください。
流れ行く雲が見えるでしょう。
耳を傾ければ、鳥の声、風の音が聞こえるでしょう。
自然を感じることで、心が落ち着き、体の底から力が湧いてきます。
ほんの数分でも『非思量』を実践してみましょう。
また、災いも福も、好きも嫌いもまったく同じもの。
その正体は「あなたの心」です。という意味の『悟無好悪(さとればこうおなし)』があります。
人間関係に悩まされないで、あるがままに見られるようになったら、災いも嫌いも逆縁も順縁に転じるといいます。
どうか、皆様の悩みが克服できますように。
深呼吸してください。
エネルギーをいっぱい吸って気持ちを解放しましょう。