親しい人がたくさん去っていきました。
秋の心の思いにふける言葉に秋思(しゅうし)があります。
私はよく書のお手本に使います。
思いの底には
「もののあはれは秋こそまされ」
「心づくしの秋」
「頬杖に深き秋思の観世音」
という日本の古くから伝わる言葉があります。
私は心に永遠に残る思いを秋思と思っています。
その思いが今の苦しみを乗り切る力となるからです。
皆様の心に伝わりますように祈ります。
最後の一匹。
季節を過ぎて鳴く虫のことをいいます。
「きりぎりす
忘れ音に啼(な)く
こたつかな」
(芭蕉)
何か寂しい言葉です。
「気をつけて
忘れ音に啼く
母の声」
懐かしい母の声のように聞こえたよ。