黙する言葉

いい言葉が浮かびました。
「黙（もく）する言葉」です。
法然上人が説いた言葉に「抜苦与楽（ばっくよらく）」があります。
苦を抜き楽を与うと読みます。
仏様が私たちをそのようにして救ってくれるという意味です。

以前、同僚の息子さんが有名大学の理工学部に入りやっと安心していた時に突然の事故で亡くなってしまった。
そのお通夜にいった時、私は言葉が浮かばず涙を流すだけでした。
彼は逆に先日私の父と兄を亡くした事を知っていてお互いの悲しみを言葉にできないで別れて来ました。
言葉は掛けられなかったが、黙する言葉を感じてくれたようでした。
室生犀星の詩に
「何者ぞ」
何者か割れたり
我が中にありて
閉じられしもの割れたり。
かれらみな声を挙げて
叫び出せり。
桃の実のごときもの
割れたり。
星のごときもの
光りだせり。

きっと同じような心境だと思います。
苦しんだ先に、星のような光が生まれ、苦しみを抜いてくれて、楽しい事を与えてくれるものだ。
と述べたのだと思います。
これが抜苦与楽なのです。
神様仏様の言葉で
黙っていつもそばで見ているよという言葉が
「黙する言葉」なのです。
いま浮かんだ言葉です。気づきになれば。

鐘の音

昨日女性介護士が私の出勤したのを待って飛んで来て膝まづき夜中の出来事を話しました。
老人のオムツを交換している時、隣の空き部屋から仏壇にあるような鐘がチンチンチンチンと大きな音がしたのです。
行くと誰もいない。
仲間に話したら怖がる。私に何かついていますか？でした。
彼女は婚約者が急死され婚約指輪をしています。死者との通信がし易いから、死んだ人の通る音に気づいたのでしょう。
そのおばあさんは信心深くよく鐘を鳴らしていたように感じました。
死者の通り道に施設が建っているのでよくある現象ですと伝えました。
皆様もそのような時には手を合わせ祈りましょう。
お疲れ様でした。
合掌　　　アーメン

閑古錐

「閑古錐（かんこすい）」という言葉があります。
使いすぎて先が丸くなってしまい使わなく忘れ去られた錐（きり）をいいます。
しかし、仏教では円熟味を増した人に対する尊敬の言葉として使われているようです。
私は先が丸くなり忘れ去られそうです。
皆様はまだまだ先。
円熟期が待っていますよ。