芥川龍之介は古典の
宇治拾遺物語からたくさんの題材を得て短編集を作りました。
「鼻」や「こぶとりじいさん」等。
私は占い師の娘の物語、「易の占い」が好きです。
旅人が宿を探していた折り、荒れ果てた大きな家があるのを見つけ、ここに泊めて下さいと訊くと、女の声でどうぞお泊まりくださいと返事があったので皆馬から下りた。
家は大きいが人の気配がない。
女は一人でいるらしかった。
そうして、夜も開けたので朝食をとり、出て行こうとすると、女が出てきて、出て行けません、金千両を払ってから出てくださいと言うのです。
従者が笑ってそんなわけがあるか、言いがかりだと言うと、旅人が女に聞きました。
親が千両の金を貸した旅人が10年後の何月にここに来て泊まるから、その人から千両を受けとりなさい。
それまで、物を売ってしのげと言ったので、少しずつ売りながら暮らして、今年になって売るものがなくなったまま親の言ってた日が来たのです。
旅人は聞きました。
父上は易の占いをしていましたかと。
そんなことをしていたかと思いますと答えた。
旅人は女に家の大事な柱を叩かせ、この中に金があります。
少しずつ取り出してお使いくださいと教えました。
親はすべてを与えてはすぐに使ってしまうだろうとこの日を予言していたのです。
この旅人も占い師だったのです。
何か素敵な発想の物語だと思いませんか?
人生の道案内に占いがある。
「自称怪しい占い師」だからこれからも皆様を導いて行きます。