良寛さんは月を見るのが好きでした。
書や詩をたくさん残しています。
新潟にある住まいの
「五合庵」の下の方に「良寛の月見坂」という看板が立っているといいます。
ある秋の夜のことです。
五合庵で良寛さんと
お客様は遅くまで語り合っていました。
そのうちにお酒の無くなったのに気づいた良寛さんが、ちょっとふもとまで買いに行って来ますといって出かけましたが、なかなか戻りません。
心配したお客さまが坂におりてここまで来ました所、松の切り株に腰をおろしている良寛さんの姿がありました。
月のあまりの美しさにお酒を買うのも忘れて無心になっている良寛さんでした。
禅語に
「八風吹けども動ぜず
天辺の月」
があります。
私たちの身の回りには悲しい風や大風が吹き荒れています。
黒い雲が押し寄せて来ても、月は飄々(ひょうひょう)として、悠然としています。
皆様も月を仰いで八風など吹き飛ばして下さい。
良寛さんの月見坂の松の切り株に腰かけ月を眺めて見たいです。
皆さんと月見酒交わしたい。
テレビで生前、樹木希林さんが好んだ言葉を紹介していました。
「日日是好日 (にちにちこれこうにち)」 があります。
「ひびと読んだらこうじつ」と読みます。
毎日毎日が「好い日」ということです。
「悪い日」というものがないということです。
結婚式の日、お葬式の日すべてが巡り合わせにより結果となって現れているに過ぎないからです。
「晴耕雨読(せいこううどく)」 晴れた日を喜んで迎え田畑を耕し、
雨が降ったら喜んで勉強する。
自然と呼吸を共にする。
今日という日は 初めて会う一日であり、永久(とわ)の別れの一日。
二度とない一日です。
すべて好い一日として 迎えましょう。
皆様に出会えた事に 感謝