生きる力になれば

ペンネーム良寛地蔵。70代のブログです。言葉で生きる力になればと綴って15年が過ぎました。

自分のことより

2016-04-08 05:18:24 | 日々の暮らし
昨日は目的について話しました。

生きる目的は大事だと思い今日も考えてみました。

アメリカの鉄道会社の社長さんの話です。

社長さんが線路の修理現場を視察している時の話です。

ある行員が親しそうに社長に話しかけて来ました。

「あんたが社長になるなんてとても驚いたよ。
10年前には日給50ドルもらうために一緒に働いていたのにね」

社長は

「そうか、君は50ドルもらうために働いていたのか。

私は10年前も、今も会社のため、そして世の中の人に快適な旅行をしてもらうために働いているのだ」

と答えたといいます。


行員はいまだに50ドルもらうために働いているのでした。

私は訪問販売の会社を取材したことがありました。

毎朝今日の目標を一人一人大声で言わせていました。

私は今日は何台売ります。

私は何件の契約を取ってきます。

それぞれの目的も叩き込んでいました。

ある人は今年中に家を建てる資金を作るため。

私は車を買い換えるため。

海外旅行をするため。

上司は言いました。

そんな小さなことではだめです。

今年中に簡単に稼いでしまいます。

年収3000万円を獲得しましょう。

逆算して今月いくら売ったらいいですか?

そんな洗脳した営業を叩き込んでいました。

全て自分のために働いていました。

契約した年寄りが、
だまされたと泣いて訴え、社会問題になりました。

そして、訪問販売会社は3年で、次々に倒産していきました。

目的と目標に誤りがあったと思います。

そこで、私の敬愛する良寛様のお話しをしたいと思います。

「墨そめの

わが衣手(ころもで)の

広くありせば

世の中の

まどしき民(たみ)を

覆(おほ)はましもの」
(良寛)

僧として器量が大きければ、世の貧しい人々を助けてあげたのに、
それができないでいることよ。

この句の裏には

五合庵に住んでいた良寛の所へ、

正月四日の雪の山道を、幼児3人を、連れた女こじきが訪ねて来ました。

聞けば、亭主は他国へ出稼ぎに行ったまま、

家族が待ちわびる稼ぎの金をもって年の暮れに帰って来なかったという。

仕方なく、女こじきは子どもをかかえて

物もらいに歩いているが、


「お正月というのに困りはてています。 

何か食べる物を恵んでくださいませんか」と

しかし、良寛もこじき仲間である。

分けてあげるほどの蓄えはありません。


そこで、庄屋に手紙を書きました。

庄屋は良寛の紹介状を見て、

この母子にたくさんの正月餅を与えたといいます。


良寛には女こじきの母子を助けてあげるだけの「徳の力」が備わっていたのでした。

自分のことより、

「困っている隣人」を

いつも考えている人

だと皆が知っていたからです。


良寛様の目的は

「自分のことより」

でしたから。


合掌



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