私はウエイター役で登場しました。
28年前のショットです。 ようやく半年前に電気が通じたその頃のバリ・ウブド州・プリアタン村には、 まだまだ最後の楽園の神秘の姿が残っていました。
毎夕スコールが降り、雨季と呼ばれる熱波の中の一ヶ月でした。
夜の野外集会場には、初めて設置されたテレビに集う子供から大人。
そして、ブラックマジシャンは普通に日常の中に紛れていました。
夜には子供たちの「トランスダンス」が執り行われ、私達が到着の1週間前には、村同士のブラックマジシャン同士の戦いが行われたらしく、その各村のそれぞれの呪術師が村の境界の闇夜に放った火の珠の衝突写真が、各新聞に載って大騒ぎになったと言ってました。
今のインドネシアもそんな場所である事は変わりないみたいです。
最近のTVのニュースでも、普通にそんな事件が取り上げられていると聞きます。
ちなみにホワイトマジシャンは、西洋の世界で言うところの医者です。
今回、この「モンキーフォレスト」の写真が発掘され、アバターなる背景の「魂の樹」が気になって、ネット上で探しまくったのですが、どこを探してもこれらしき風景は見付かりませんでした。
現れたのは、キレイに観光地化され単なるサルの餌付け場所。
私が一番恐れていた結果でした。
物を動かす事のみで、ほんの少しの期間にこれまでに失われて来た多くの世界。
心を伴わない物質至上主義世界は、確実に大自然の流れを破壊し、生態系を破壊して来ました。
こころの世界から発する物質化現象は、全宇宙のバランスに理の適った法則で、それは私達の魂にとっても、とても調和の執れた中での出来事です。
もう既にここには、アバターな世界は消え去ってしまったのでしょうか・・・。
これを、儚いひとときの夢物語で終わらせるか、
この眼で、再びしっかりと観て、そしてさらに次に進むかどうかが、
これからの私に課せられた課題のようです。