何千年も何万年も続くライフスタイルがそこにはありました。
観光客があまり足を運ぶ事のないロンボク島の北部、
そこは、ロンボク島の要の場所で、
スナル村は聖山リンジャニ山に抱かれた,ロンボクを代表するササック族の村です。
そのササック族の中の、一年前に電線が引かれても、今もなお昔のままの生活の姿を残し、昔からの文明を護る最後の村落に導かれました。
交渉の末、その村に入る事は許されましたが、ここからはガイドさんは入れない約束なので、村の若い衆が私達を案内する事になります。
村の入り口のお店。
たぶんここで、全てが事足りるのでしょう。
ロンボクにはバリの10年前が今も残ってると言う触れ込みを聞いていましたが、なんのなんの・それは30年どころか、原始時代の生活が今も残っていました。
元々この島のササック族は、日本太古と同じ原始宗教(アニミズム)を信仰していました。お天道様や大自然の森羅万象に祈りを捧げる信仰です。もちろん熊野の太古の姿とも同一のものです。
その後ヒンズーとイスラムが押し寄せ、
それらを三位一体とする独自の宗教、「ワクトゥ・トゥル」が発祥し、それをロンボク原住民すべてが信仰していたという事でした。
それが今や、バスで通り過ぎるイスラムやヒンズーに分離された村々を観るからには、その名残りは見つける事はできませんでしたが、
でもこの村落には、アニミズムの信仰の微かな臭いを感じました。
山羊が草をほうばり、
変わった色アヒルが、のこのこ歩く。
牛や鶏、全ての生き物が人との共存を果たし、
村人達は裸足で、集落の全ての大自然と共に暮らしていました。
これが、長い間続いていた人類と大自然の共生の姿です。
私達は大自然と共に暮らしていました。
椰子の実は燃料でもあり、
私達にも懐かしい、集落からの煙が立ち昇っていました。
私達日本人はいつからこの景色を失ってしまった事でしょう。
ほんのこの百年位の出来事です。
でも今の日本にも、少数ですが微かに残っている場所があります。
数々の天災や人類の少しばかりの進化により、
再びこんな時代が再び訪れるのでしょうか。
ウランの放射能を撒き散らし、必要以上の膨大なエネルギーを生み出し、大自然のバランスを崩す原子力発電。
それを一度知ってしまった私達は、もう何もない時代には戻れないでしょう。
でも少しばかりのエネルギー消費で、大自然との共生の新しい生活を実行する事は可能です。
今回のこの体験では、私はそれを観せられてしまいました。
近い未来の地球のあるべき姿です。