「守ることができない議員がいた場合は同じ党では活動できない」
8月31日の党役員会で、所属国会議員に対し、今後は世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との関係を絶つよう徹底するなどとした基本方針を確認した自民党。茂木敏充幹事長は記者会見でこう説明し、方針を順守できない議員に離党を求める可能性に言及した。
同党は既に祝電送付や会合出席、選挙支援など8項目にわたり教団や関連団体との関係を尋ねるアンケートを所属議員に配布し、9月2日までに回答するよう求めている。
だが、アンケートはあくまでも各議員の「個別点検」によるもので、ネット上では、<旧統一教会系の秘書が「関係ありません」とアンケートに答えるわけ?>、<どこまで意味あるの>などと実効性に対する疑問の声が出ている。
岸田文雄首相(党総裁)は「所属議員は過去を真摯に反省し、しがらみを捨て当該団体との関係を絶つことを党の基本方針とし、徹底する」と指示していたが、選挙に勝つために「反社会的勢力」とも指摘されている教会と結んだ両者の「絆」は果たして断ち切れるのか。
■民主党と共産党の「共闘」について…
そんな中、あらためてネット上で拡散しているのが、2016年3月の自民党大会での安倍晋三元首相のあいさつだ。安倍氏は翌4月の衆院北海道5区補欠選挙と夏の参院選を見据え、当時の民主党と共産党が共闘して戦うことについて、こうけん制していたのだ。
「選挙のためだったら何でもする。誰とでも組む。こんな無責任な勢力に負けるわけにはいかない」
ちなみに2016年の参院選で、安倍氏と近しい関係にあった旧統一教会の友好団体から支援を受けた、とメディアの取材に明かしていたのは自民党の前参院議員の宮島喜文氏だ。
<いやはや、まさに選挙のためだったらカルト教団とも手を組む張本人だったな>
ネット上では、安倍氏の発言を揶揄する言葉が続々と投稿されている。
ジャーナリスト・鈴木エイト氏が2日、文化放送「大竹まことゴールデンラジオ!」に出演。 自民党が所属国会議員に対して実施している世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との関係調査について〝ダメ出し〟した。
配布されたアンケート用紙には「会合への祝電・メッセージ等の送付」や「広報紙誌へのインタビューや対談記事などの掲載」、「旧統一教会関連団体の会合への出席」、「選挙におけるボランティア支援」の有無など8項目にわたり確認することになっている。
これに鈴木氏は「実は1枚目に『党としては組織的な関係はないことを確認しております』とあり、その前提のもとで8項目がある。全然足らない」とバッサリ。
「例えば『秘書を受け入れきた』とか、『教団に対して何らしかの便宜を図ってきたか』とか、『政策決定に影響を与えたか?』とかそういう本来聞くべきことがまったく抜け落ちている。『どういう議員がどういう関係だったか知っているか?』など自由に書く欄もない」と鋭く指摘した。
それを踏まえ「『この8項目以外のことは書くなよ』と足枷のついたアンケートだと思う。その上で『党との組織性をにおわすことは書かないでくれよ』というのが、しっかり1枚目にある。まったく公正、公平な調査とは言えない。自己申告で自分の首を絞めるようなこと言うわけがないんですよ、根本的に」と断じた。
メーンパーソナリティーの大竹まことが「(自己申告とはいえ)『後にバレたら…』ということもケアしないといけないのでは?」と問うと、鈴木氏は「そうですね。どんなことが出てくるか興味深く見ています」と唯一前向きに言及した。