なんだかんだで話題になっている石破首相です。まずは「おむすび」。ドキュメンタリー監督の大島新氏が密着した「総理大臣を目指した人たち 2024 二つの党首選から見えたこと」(日テレ系)が11月に放送された。
その中で石破氏が農家を視察して小ぶりなおむすびを一口で頬張る姿が衝撃を与えたのだ。「品がない」などの声がSNSでわきあがった。NHK朝ドラに負けない石破首相の「おむすび」である。
他人の目を気にしていない石破氏
同ドキュメンタリーではテレビ局の楽屋でお菓子をポリポリやっている姿も印象的だった。共通するのは「他人の目を気にしていない」石破氏の姿である。
そういえば石破内閣発足時の首相官邸での写真撮影では石破氏や一部閣僚のモーニングのズボンが下がり、お腹の部分のシャツがのぞいていて「だらし内閣」と言われた。
これまでも政策や読書や鉄道などについて語る石破氏を見ると一心不乱になっていた。その結果「他人の目を気にしていない」状態になってしまうのだろうか。
小さなことは大きなことにもつながる。首相は先月相次いで国際会議に出席したが、他国の首脳からのあいさつに着席したまま応じたり、記念撮影を欠席したりしたことなどから首相の外交マナーに関して批判を招いた。
「夕刊フジ」は1面で次のように伝えた。『石破外交失態』(11月21日付)。外交失態に加えおむすびの食べ方まで『石破外交“漂流リスク”』(11月29日)と続報している。安倍元首相推しに熱心だった夕刊フジからすると「安倍さんと対峙していた石破は許せない」という感情が今も行間から見えてくる。
読売新聞は社説で《衆院選で惨敗したにもかかわらず、何事もなかったかのように第2次石破内閣が発足した》(11月12日付)と書いた。保守系メディアのほうが首相に当たりが厳しい。
一方で「党内野党」だったはずの石破氏が首相に就任してから変節を繰り返したことで他紙も批判的だった。つまり石破氏は保守(読売、産経など)・リベラル(朝日、毎日など)のどちらからもツッコまれている状況が続いていた。
ただ最近は少し潮目が変わったのかと思える雰囲気も感じる。
「丁寧な民主主義を取り戻す」
臨時国会が召集された日、朝日新聞は1面トップで『窮地の首相 行き着いた「熟議」』(11月29日付)と特集した。
首相は本来は政治決定に絶大な権力を有する。とくに第2次安倍政権は「官邸1強」と言われた。しかし衆院選の大敗で状況は一変した。
《もともと党内非主流派出身の石破には「強すぎる官邸」こそが党内の自由な論議を封じ、官僚らの間で忖度を蔓延させるなど、日本の民主主義をゆがめてきたという問題意識があった。》
それゆえ、「乱暴な政権運営はできない。それを逆手に、丁寧な民主主義を取り戻す機会にしたい」と石破首相は周囲に語ったというのだ。決して望んだ状況ではないが、首相周辺は「短命政権でもいい。『安倍路線』からの切り替えを果たし、今までと違うレールを敷くことに存在意義を見いだすしかない」と述べている。
思わず笑いそうになったのは、石破首相が模索する新しい政治の意思決定システムだ。第1段階が政策協議、第2段階が国会論戦とあった。批判的な野党とも丁寧に議論を重ね、合意を得る努力をするという。そんなの当たり前じゃないかと思うが、これは石破首相の安倍政治に対する最後で最大のアンチテーゼになるのだろうか。
朝日の特集からは石破首相に対する最低限の期待のようなものが感じられた。その日におこなわれた所信表明演説でも「他党の意見を聞く」と述べた。
長年石破氏を取材するジャーナリストは…
しかし石破首相にこんな「改革」が本当にできるのか? ジャーナリストの鈴木哲夫氏に聞いてみた。鈴木氏は長い間石破氏に取材をしており、著書に『石破茂の「頭の中」』がある。石破取材の第一人者と言っていい。
――石破氏は窮地を逆手にとって「丁寧な民主主義を目指す」と朝日が報じていましたが。
「石破さんは自分が意図してないのに『結果的にこうなっている』ということが多い。衆院選での裏金議員処分も安倍派潰しだという声もあったけどそんな芸当はできない人ですよ。結果的にそうなってるだけ。今回も少数与党という立場は石破首相にとってキツいだけ。結果論として野党と丁寧に話をしなくてはいけないということです」
自民党内での孤立感がある
――最近石破首相に取材しましたか?
「本人に取材をした感じでは自民党の中での孤立感があります。総理総裁が何か政策をやりたいと思ったら普通は党内の議連とか議員が集まってくるがそういう動きがない」
――現状の石破政権をどう見ますか?
「総裁になった直後から前言を翻して支持率がどんどん下がって選挙に負けた。唯一救いだったのは選挙直後の世論調査で『石破茂首相は辞任すべきだと思うか』との質問に『思わない』と回答した人が半数を超えていたことだと言います。それなら今後は気をつかわずに原点に返るしかないと」
――仲間はいるんですか?
「連携していける人として中谷元(防衛相)、村上誠一郎(総務相)、岩屋毅(外務相)、赤澤亮正(経済再生担当相)、小野寺五典(自民党政調会長)、こういう人達の名前を石破さんからよく聞く。数少ない仲間とやれる分野を一つずつやっていくしかないのでは」
「自民党全体からは石破首相を支える空気はなく様子見という雰囲気です。山場は来年の2月の終わりから3月の来年度予算案の採決のタイミングでは? 少数与党だから採決は通らないから野党の協力が必要。では野党案を飲むのか? そうなると自民党内から批判も来る。野党は一歩も引かない。ここが最初の山場では」
以上が鈴木氏の見解である。石破首相は自分が意図してないのに「結果的にこうなっていることが多い」という現象が面白い。おむすびに夢中で食らいついて人々を驚かし、選挙では結果的に旧安倍派を縮小させてしまった様子は、里に迷い降りてきたクマが意図してないのに村を騒がせている感じだ。
一心不乱が生み出す空気の読めなさは政治改革でこそ発揮してほしい。低空飛行で安定とでもいうべき今のうちに「政治とカネ」問題を解明できるのか? またブレたら終わりな気がする。
(プチ鹿島)
石破首相(自民党総裁)は3日午前の参院代表質問で、自民派閥の政治資金規正法違反事件を巡り、来年の参院選での党公認について、「(衆院選と)違う対応を行うことは現時点では考えていない」と述べ、公認基準を統一する考えを示した。
自民は10月の衆院選で、政治資金収支報告書に不記載があった議員と選挙区支部長計12人を非公認とした。政治倫理審査会への出席の有無も公認判断基準の一つとされることから、自民の参院議員では、来夏に改選を迎える議員を含む27人が政倫審への出席を希望している。
代表質問では、年収103万円を超えると所得税が課される「103万円の壁」の見直しについても議論が行われた。首相は、国民民主党が主張する所得税の課税最低限を178万円に引き上げた場合に関し、「国、地方を合わせた減収額は7兆円から8兆円程度と試算している」と説明した。
首相は、SNS上の偽情報や誤情報が選挙に与える影響について「 伝播(でんぱ) 性や速報性の高さから、候補者等に対する悪質な 誹謗(ひぼう) 中傷が行われる恐れが指摘されている」と強調した。ただ、法規制を行うことについては「表現の自由や選挙運動、政治活動の自由に関わる重大な問題でもある」と述べ、慎重姿勢を示した。
いずれも立憲民主党の辻元清美代表代行の質問に答えた。3日午後は、衆院でも代表質問が行われる。
“130万円の崖”見直し、立憲・辻元氏が石破総理に訴え 国会で代表質問|TBS NEWS DIG
12/3
村上総務相「SNS偽情報拡散は公選法の対象」 応援投稿者の有償募集などにも懸念 参院本会議(2024年12月3日)
がんで闘病中の経済アナリストの森永卓郎氏(67)が3日、ニッポン放送「垣花正 あなたとハッピー!」(月~木曜前8・00)にリモート出演。石破茂首相(67)が2日の衆院代表質問で、自民党派閥裏金事件を受けた政治改革を巡り、立憲民主党などが求める企業・団体献金禁止を否定したことについて言及した。
森永氏は「自民党の言い分というのは、企業献金=悪、個人献金は問題ないっていうのはおかしいと。誰でも一緒じゃないか、というのが自民党の主張なわけです。だけど、私はそういう部分もあるので、全部やめちゃえばいいと思う。献金一切禁止。そうすれば非常にきれいになるわけです」と主張した。
金銭の流れを透明化するべきとの意見もあることには「透明化したところで、例えば凄くお金を持っている大きな企業が政治を動かすのはおかしいよねっていうもう一つの問題もある」と指摘した。
さらに「だから政治家がもっと貧乏な暮らしをすればいいんですよ。電車で移動してスーツを着ないでジャージーで国会に行けばいいわけですよ。革靴やめてスニーカーで行こうぜ」と持論を展開した。
同じく番組に出演した森永氏の長男で経済アナリストの康平氏は「どこから、誰が、いくらもらっているのかを全部公開して、透明化すればいいだけだと思うんですよ」と主張。「仮に大企業から献金されましたってなったときに、その企業に対して明らかに忖度した政策を通そうとしていたら出入りが分かっていれば国民が監視できるわけじゃないですか。そういうのが明らかになればこいつらダメだとより分かる。クリアにすればいい。分かりづらくするからよくわからない話になる」と語気を強めて話した。
康平氏はマイナンバーカードの例を持ち出し「資産を管理しようとしているわけだから、政治家が率先してそういうのをやるべきだと思っていて、どこからいつ、いくらもらって、それが何に使われているかを常に国民が見えるようにしておけばどこからもらっても僕はいいと思います」と主張した。
石破茂首相、イメチェンか グレーヘアが黒髪に 若干フサフサも「増毛はしていないはず」
産経新聞 12/3
石破茂首相のヘアスタイルに変化が生じている。首相は左分けの七三のグレーヘアが特徴だったが、今月に入って七三分けはそのままに、艶やかな黒髪に変わっている。若干髪の量も増えた印象だ。首相周辺は「黒に染めた。増毛はしていないはずだ」と語っている。
1日に地元・鳥取県内の神社を訪れた際は特段の変化は見られなかったが、翌2日朝、首相官邸に入った際、髪の色は黒がこれまでよりも濃くなっていた。ややボリュームも増しており、フサフサしている。
首相は学生時代、スポーツ刈りだったためか、「少しでも長いと気になる」(首相)といい、衆院第1議員会館内の理髪店を愛用している。
見た目のイメージチェンジも時折図っており、令和2年9月に自民党総裁選に出馬して以降、メガネをかけるようになった。この際は周囲の意見をもとに、「縁なしメガネ」か「縁ありメガネ」かを検討したという。
一方、就任後は見た目がたびたび物議を醸している。
10月1日の第1次石破内閣発足の際、集合写真におさまったモーニング姿の首相のズボンのすそが長過ぎて、よれよれになっていたことなどからSNSで「だらし内閣」と揶揄された。11月18日開幕のブラジルでの20カ国・地域首脳会議(G20サミット)に出席した際、ネクタイが曲がったまま、赤じゅうたんの上を歩く姿も問題視された。
今回のイメチェンを図った背景について、首相周辺は「奥さまの勧めではないだろうか」と推察する。(奥原慎平)