とおいひのうた いまというひのうた

自分が感じてきたことを、順不同で、ああでもない、こうでもないと、かきつらねていきたいと思っている。

石垣りん氏の詩1編:『島』

2016年11月01日 16時23分39秒 | 映像・画像・詩 そしてラインセンス

 

                    『島』

 

   姿見の中に私が立っている。

   ぽつんと

   ちいさい島。

   だれからも離れて。

(そう、誰からも離れている)

 

  私は知っている

  島の歴史。

  島の寸法。

  ウエストにバストにヒップ。

  四季おりおりの装い。

  さえずる鳥。

  かくれた泉。

  花のにおい。

 

  私は

  私の島に住む。(すごい、そうだ、そうだ)

  開墾し、築き上げ。

  けれど

  この島について

  知りつくすことはできない。(すごい、その通り)

  永住することもできない。(沈黙・・・まったくだ)

 

  姿見の中でじっと見つめる

  私――はるかな島。

   

  

 

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1 コメント

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こんばんは (コアジサイ)
2016-11-01 17:39:17
ここに伺うと 本当に懐かしい名前に出会えます。
石垣りん 瞬間りんさんの世界が頭を巡りました。
もうはるか昔に出会った詩人です。
台所に立つ視線も変わってしまいそうです。
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