2025/2/13
1966年の静岡県一家4人殺害事件で再審無罪が確定した袴田巌さん(88)の弁護団は13日、畝本直美検事総長が控訴断念を表明した談話で袴田さんの名誉が傷つけられたとして、国に損害賠償を求め提訴する方針だと明らかにした。別に冤罪の責任を問う国家賠償請求訴訟も起こす方針で、いずれも袴田さんの成年後見人の意向を確認し、最終判断する。
弁護団は、検事総長談話で「判決は、理由中に多くの問題を含む到底承服できないもの」などとしたのは、「袴田さんを犯人視するもので、名誉毀損に当たる」と指摘している。
無罪とした昨年9月26日の静岡地裁判決に対し、検事総長は10月8日に談話を出し、「袴田さんが相当な長期間にわたり法的地位が不安定な状況に置かれた」などとして控訴断念を表明。静岡地検が同月9日、上訴権を放棄する手続きをとり、無罪が確定した。