とおいひのうた いまというひのうた

自分が感じてきたことを、順不同で、ああでもない、こうでもないと、かきつらねていきたいと思っている。

「フセイン、最後の戦い」 3(開戦)

2008年03月19日 18時36分37秒 | 地理・歴史・外国(時事問題も含む)
  (写真はWinter Soldierより)――これが、「イラク戦争」の真実です!「正義」ですか?

『イラク 戦争と占領』酒井啓子氏著 第2章 「フセイン、最後の戦い 3開戦」

            開戦
           「最も楽なシナリオ」崩れる
            何もできないアラブ諸国
            存外に抵抗の強いイラク軍
            「汚く長い戦争」になるのか
            なぜイラク人は「反乱」しなかったのか

 今回のイラク戦争は、イラク人はもちろんのこと、国際社会の多くが、その正当な理由を見出せない理不尽な戦争である。結局フセイン政権は過去12年間、あるいは政権に就いた24年前から何も変わっていないのに、さらにフセインとその他の「独裁者」の行動はそう大した違いがあるわけではないのに、アメリカはその「問題」や「危険性」に自分の都合で気づいたり気づかなかったり(あるいは気づかないふりをしたり)する。
 あるときには欧米と話のできるプラグマティックな指導者であったり、あるときは危険な大量破壊兵器をテロリストに横流しする独裁者であったり、というフセインのイメージは、まさにアメリカが決めるものでしかなく、いったんアメリカが決めたイメージに従って、「戦争」という暴力が正当化される。

  まったく理不尽な理由によって祖国が危機に脅かされるとき、人々は政権を支えようとは思わなくても、自らの生活を守るために闘わざるを得ない。あるいは、政権に「反体制派」と誹されることはかまわなくても、同胞から「国」を捨てたと誹られることは避けたいと思う。そこに表出するものがナショナリズムの萌芽を意味している。そのことは、戦後になって、よりはっきりとした形を取っていた。 
            あっけない首都攻防
            精鋭部隊はどこへ
            象徴支配の脆さとしぶとさ

.........................(引用終了)......................................

私は、ここまででこの本を閉じた。なぜか、要約をし続けられなくなった。違和感を感じたからだ。”同胞から「国」を捨てたと誹られることを避けたい”から占領に反対する、という文章をよんだときに、耐え難い苦痛を感じた。思わず「国家神道」の悪夢が頭をよぎったからだと思う。
 私たちは、敗戦後、本当に苦労した。それなのに、空爆、原子爆弾投下を経験した日本で、アフガン・イラク戦争に支持する側にまわったことに、あらためて愕然としたからだと思う。なぜなら、どちらも「不正義」だからだ。
 これから、第二次世界大戦で日本が犯したことを考えなばならないと思っているが、考える際に軸となるのは、「正義」追求であるかぎり、現在の日本の姿は、あまりにも情けない。日本こそ、アフガン・イラクの痛みを第一番に感じ、「反対」を唱えられる国だと思っていた。
 この政府の「裏切り」=憲法違反の痛みは、一国民として非常に大きい。
              
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