とおいひのうた いまというひのうた

自分が感じてきたことを、順不同で、ああでもない、こうでもないと、かきつらねていきたいと思っている。

台湾人

2006年05月03日 08時21分07秒 | 地理・歴史・外国(時事問題も含む)
昨年のゴールデン・ウイークは、家人が日光に行きたいと言い出した。が、どういうわけか、どこも満員で宿が一つもとれなかった。
なかば、あきらめかけていた時に、大きなホテルで、ばかっとキャンセルがでた。

喜んで駆けつけたところ、宿が確保できずあきらめかけていた人々が大勢おり、このキャンセルあきに殺到した。

家人共々、無事、宿の一部屋に落ち着いた。そこで問題。
私は、アルコールを体質的に微小しか受けつけられないので、リラックス用に、煙草の1ミリグラムを使っている。
しかし、同行した家人たちは、煙草をのまないので、わたしは、部屋で煙草をすうことができない。

そこで、はっと気づいたのが、煙草を持ってロビーにいって吸えばいいということだ。

わたしは、家人その他をほったらかして煙草をもって部屋をで、ロビーへと向かった。ほんの2~3本すって部屋に帰るつもりだった。

ところがである。ロビーにはキャンセルあきで東京の浅草から次の宿が確保できず、東京からキャンセルあきに飛びついて、台湾からの日本ツワー客を連れてきたという台湾人の添乗員がいた。

添乗員は、年のころ30代、生粋の台湾人だが、日本の大学に留学して日本語を学んだということで、発音はちょっとおかしいが、かなりの会話が出来る人だった。日本語で私たちは、5時間話しこんだ。

驚いたことに、台湾人は植民地にされた過去があっても、ぜんぜん日本人をうらんでいないそうなのだ。日本人が技術を残してくれたおかげで経済的に自立が出来、こうして観光旅行ができるのです、感謝していると言う。
そして、添乗員だけやっていても将来がないので、父親が中国の広東省の出身なので、そこに会社をたちあげている。中国は私有地を認めないので、建物だけがぼくのものです、と言う。

目は日本とアメリカに向いていて、日本が目標、日本が大好きと言う。ヨーロッパは遠すぎて、無縁の国、つまり全く眼中にないそうだ。

とどめの一発は、翌朝のロビーだった。
出発姿の台湾人がごっそりといた。ソファーで、台湾人に5人ほどにかこまれた。さすがお互い、姿・形はそっくり。で、言葉をかけてみた。全員が日本語をしゃべれた。50代を上限とする若い部類の人々は、発音がおかしい。が、年代がおじいさんという範疇にはいる人の日本語は、すらすらだ。
姿形は、日本人のおじいさんとそっくりで、しかも、よどみのない日本語でしゃべるので、あたしはこの地元の人間ですと言われても、見分けがつかない。
おじいさんは、すらすら日本語で、静かにしんみりと、こうおっしゃった。

「わたしらは、日本語で教育されたのですよ。日本兵と一緒になって白旗を持って行進もしましたよ(笑顔)。ぜひ、台湾にきてください。わたしたちは普段中国語をしゃべっていますが、日本語をしゃべれる人はまだまだ大勢いますから、言葉の心配は、いりません。しかし、わたしは、こうして日本語がペラペラなのに、使いどころがないのが、もったいないのです」

わたしは、おもわず、ソファーの上でのけぞった。
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