(*かんべえさん、無断でコピペしてすみません)
<8月29日>(土)
〇小学生の頃に、佐藤栄作政権が終わったときのことをうっすらと記憶している。確か朝刊に、「ああ、この首相、7年7カ月も」とあった。テレビに向かってだけ話し、新聞記者を追い出したという異例の退陣記者会見の翌日のことである。今から考えると、当時の佐藤政権というのは高度成長真っ盛りの時期であって、沖縄返還も果たしているので、なんでそんなに不評だったのか理解に苦しむのだが、長期政権というのは最後はそんなことになる。要は飽きられる。
〇そして佐藤内閣の後は、自民党総裁選の大決戦になった。このときの「三角大福」の金権選挙は長らく語り草になったし、のちの角福戦争の原因ともなった。だからあそこまでの喧嘩をやっちゃいかん、そうだ党員選挙というものを導入しよう、てなことになった。自民党というのは、理念なき利益配分の政党である。だから、環境に合わせてどんどん変化することができる。まさしくダーウィンの世界ですな。
〇今回の場合、コロナ下でもあるので、自民党総裁選は略式にして両院議員総会で決めればいい、てな声が出ている。9月1日(火)の総務会で決定するそうである。といっても、二階幹事長に一任されているので、要はこの週末の世間の雰囲気を見たうえで、エイヤアと決めるのでありましょう。、
〇党員選挙(正確には党員・党友選挙)をやるときは、12日以上の選挙期間が必要になる。これは郵便で行うためで、小笠原諸島などへの往復を考えると、どうしてもその程度の日にちが必要になるのだそうだ。まあ、9月は別に外交日程があるわけじゃなし、急いで国会を開く理由もなさそうだし、次の総理大臣の決定が9月15日でも25日でも、それほど大きな差はなさそうである。だったら自民党総裁選は、フルスペックでやったらいいのではないかと傍目には思える。
〇それというのも、総裁選の党員選挙に参加するためには、2年以上にわたって党費を納めていなければいけない。逆に言うと、真面目に党費を払っている党員からすれば、「ちゃんと投票させろ」ということになるわけで、この週末にそういう声がどれだけ出てくるかが勝負ということになる。あ、ちなみに言っときますが、ワシは党員じゃないですよ。なぜか機関紙「自由民主」は送られてくるのですが。
〇一方で、新聞紙面などには、「9月15日の投開票を軸に」という観測が書かれている。ワンポイントで菅官房長官の擁立とか、三派連合で岸田政調会長に収斂だとか、ちゃーんと準備はできているのだよ、ということかもしれない。とはいうものの、そこはわからんよと申し上げたい。
(1)決めるのは、あの融通無碍な二階さんである。
(2)全国の自民党員が、この週末に地元の議員にプレッシャーを与える。
(3)自民党総裁選は、参院自民党がユニークな動きをすることで番狂わせが起きやすい。
〇昨日の安倍さんの退陣記者会見を聴いたところ、やはり一番気にしていたのは2007年9月と同様に「政権投げ出し」とみられることであった。あの時は何しろ、内閣改造をやって、臨時国会を召集して、所信表明を行っておいて、なおかつ辞めた、という点で罪が重かった。だから今回は、9月の党役員人事を自分はできない、ということを早い時期から意識していた節がある。
〇だから次期政権が、どんな陣容で次の総選挙に臨むかは、衆議院議員の方々にとって非常に重要です。いうまでもなく、参議院議員はこれとはちょっと違う見方となる。だから予想外のことが起きやすい。だから自民党総裁選は難しくて面白いのです。