とおいひのうた いまというひのうた

自分が感じてきたことを、順不同で、ああでもない、こうでもないと、かきつらねていきたいと思っている。

『Home Bound 家路』 浜田 省吾

2007年01月27日 17時02分35秒 | 
 病気というものは、どれも理不尽なものだが、精神の病ほど、残酷なものは無い。思春期をすぎて、さあ、これからという大事な若い時に発症する。

 「悲しみのサン・サーンス」君は良好になって退院してきたが、今度は鬱状態に入ってしまった、と風の便りが入ってきた。

 介護をする家族は疲労のため崩壊寸前であるという。

 フランスが好きで、花という自然を愛し、文学を愛していた「悲しみのカミーユ・サンサーンス」君。

 パリの生活費は、郊外に行けば15万円でやっていけることを、人づてに聞いていた私は、彼にそのことを教えた。

 「えっ、なんですって!ぼくは決心しました。パリに渡ります」

能力は、まったく衰えていないのに、時々おそってくる躁鬱が、あのこの意識を混濁させる。

 躁状態が良くなったので、退院できたが、束の間の喜びだった。今度は鬱状態に入り込んでしまったという風の便り。律儀な家族は、看病のため精神的にも経済的にも追い詰められているという。

 私の頬は、涙が流れ、とまらない。何もできず、浜田省吾の詩を書き付ける。
泣きながら.....ああ、泣きながらだ。
けれど、あの子は鬱に苦しみながら、こう言っているような気がするのだ。

「書いて、書いて、ブログに書いて。ぼくみたいなヤツがこの世にいることを」
自分の運命に真正面から立ち向かう、君の強さを信じている。だから、書いたよ。   
パンジーのプランターに、腐葉土のつもりで枯葉を並べていってくれた君のために。
そして、決して忘れないでおこう。人間は、どんな状態になっても「人間」なんだ。


        「家路」 浜田省吾
  青く沈んだ夕闇に浮かぶ街をみおろし
  この人生が 何処へ俺を導くのかを尋ねてみる
  手に入れた形あるもの やがて失うのに
  人はそれを夢と名付け 迷いの中さまよう

  そして孤独なエゴは愛という名のもとに
  俺を上と下に引き裂いた
  だけど今でも信じている
  心のすべてを奪い去るような真実の愛

  悲しみ果てしなく風は夜毎冷たく
  人は去り人は来る でも気付けば
  道標もない道に一人

  そして夜が明けたらまた生きていくために
  生活を背負って歩き出す
  疲れた体 次第に何も
  聞こえなくなる 感じなくなる だけど

  どんなに遠くてもたどりついてみせる
  石のような孤独を道連れに
  空とこの道出会う場所へ

  青く澄んだ夕闇に浮かぶ街をみおろし

  どんなに遠くてもたどり着いてみせる
  時のはざまにいつの日か
  魂を解き放って
  どんなに遠くてもたどり着いてみせる
  石のような孤独を道連れに
  空とこの道出会う場所へ 
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