とおいひのうた いまというひのうた

自分が感じてきたことを、順不同で、ああでもない、こうでもないと、かきつらねていきたいと思っている。

『冬の兵士』反戦イラク帰還兵の会

2009年10月31日 17時40分00秒 | 地理・歴史・外国(時事問題も含む)

 「冬の兵士」のDVDは購入し見たのですが、少し物足りなかったので、本(岩波書店)を購入することにし、やっと手に入れました。イラク帰還兵の個人的体験談の集大成であることは、ご周知の通りです。生生しく読むのが辛い本なので、なかなか読み進めませんが、少しづつ読むつもりです

 カバーは白いのですが、その下の本体の表紙は濃いオレンジ色で、その濃いオレンジ色が見えた時にはドキリとしました。

 

 各帰還兵が体験したことの記録集ですので、ばらばらのため要約はできません。ですから、少し冒頭部分を抜粋引用しておきます。《》は引用しるし

 《「読者のみなさんへ」

ケリー・ドーアティ(IVAWの創設者の一人。現事務局長)P4~p10

 この反戦イラク帰還兵の会(IVAW)は2004年7月24日に歴史的に有名なファニエルホール(18世紀に建てられたボストンの歴史建造物。多くの歴史的演説がここで行われた)の舞台で結成を発表した。

 私はパネラーとして、緊張し、何を話していいかわからなかった。そんな私に帰還兵の一人が言った。「心のなかにあることを話せばいいいんだ」と。そのときはありふれた忠告のように感じたが、今考えると「経験を話しなさい」ということだったのだろう。次第にわかってきたことだが、個人の体験談は何にもまして力強く、人を引き付けずにおかない。

  反戦イラク帰還兵の会(IVAW)の目標は当初から明確で、

 イラクからの全占領軍の即時かつ無条件の撤退

 すべての退役軍人および現役軍人に対する医療保障その他の保障

 イラク国民への賠償

 私たちの会は、2001年9月11日以降、米軍に服務してきた男女で構成されており、私たちの目標、つまり、この三つの一致点で団結している。私たちは軍隊内や退役軍人のあいだで戦略的に組織化を進め、今も続く占領に対する反対陣営を築き、それを応援するとともに、戦争がどれほどの人的損失をもたらすか、一般の人々に理解を広める活動をしている。

 死と破壊に加わり、心身に傷を負わせる行為に加担してきた同じ人々が、自らの経験を公正で平和な世界を築くことに転換することは可能だ、と私たちは信じている。(中略)

 人々に思い起こしてもらわなければならないのは、イラクとアフガニスタンにおける占領は合衆国が国として遂行しているので(中略)同胞たる米国民が二つの占領に対する自らの責任を認めるよう圧力をかける。これは占領を終わらせるために必要なことの一つだ。(中略)

 2つの占領を生き抜き、現場での実態を経験してきた者の視点から私たちは歴史を綴っている。誇りを持ち、全力を尽くす私たちの会は、会員数1300名から拡大を続けており、これからも闘いつづけることを決意している。》

 

 私はこういった運動がアメリカ国内に起きてきたのはうれしく思います。

 そしてこういう運動に目を向けるのは、日本は小泉政権下、国民の意思に反し、インド洋給油でアメリカのアフガニスタン戦争の支援をし、またイラク戦争では現地に自衛隊を派遣することにより加害者側に加担したことを私は忘れられないからです。それが何を意味するかは以下の本を読んでみてください。

 

 『暴力の連鎖を超えて』――同時テロ、報復戦争、そして私たち――加藤周一・井上ひさし・樋口陽一・水島朝穂

(敬称略)

(岩波ブックレットNO.561)←これは薄い本なのですぐに読めます。(が、告白すると私自信は体調不良のため一気読みができず半分までしか読んでいません。がすでに岩波ブックレイトの他の本は2冊読了済みです。)ふう。今読み途中の岩波ブックレイトは、2001年11月20日の東京での憲法再生フォーラム発足講演会の記録だそうですので、現憲法に関心のある方にはオススメです。他の2冊が興味深かったので、きっとこの本も考えさせられるところがあるでしょう。

 

 このなかで▼世界は平和憲法をどう見ているか 佐藤学氏(p12~14)が興味ぶかい。《》は引用です。

 筆者は9月11日直後、メキシコに行き約2カ月滞在していらしたそうで、《メキシコからみると、地球の半分が日本を信頼してきたのは平和憲法だというのがよくわかります。これほどの経済大国になりながら、日本人に対して何がしかの友好的な感情、あるいは連帯の感情が生まれているとすれば、それは平和憲法の存在以外になかったと思うのです。

 メキシコの人びと、いろいろな知識人等とも現在の報復戦争について話し合ってきました。彼らが言う言葉が非常に印象的でした。「アメリカはまた負けるね」と言うのです。つまり戦後の戦争において、日本とアメリカの報道だけみていると、アメリカは強大な国で、正義をかざして武力で勝利しているように見えますが、考えてみると、戦後のアメリカは朝鮮戦争を始め一回も勝っていないのです。ベトナム戦争は明白な敗北ですし、湾岸戦争も敗北である。つまり世界史全体が、アメリカが考えるようなシナリオではまったく動いていない、この事実をあらためて私は感じました。

 アメリカは今後も敗北し続けるでしょうが、しかし、アメリカが引き起こす戦争の傷跡は非常に深いものがあることは、皆さんご存知のとおりです。メキシコには、すぐにその影響が及びました。メキシコシティは現在人口2400万人近くにふくれあがっていますが、9月11日の1ヶ月後には、経済が一挙に冷え込みまして、人口の六割以上が貧困層に陥ったわけです。》アルゼンチンも苦闘。

 《かつて、暴力やテロが南米には吹き荒れていたのですが、それを克服してきたのが民主化の闘いでした。それが一挙に冷え込んでくる。そして、暴力とテロと貧困が復活し、支配していくという事態が地球の裏側で起こっています。

 そういうなかで、日本はどういう位置にあるのか。衛星放送でCNNが流れますね。戦争タイム(ウォー・タイム)という特集が毎日のように放映され、一コマずつ区切られるショットが流れますけれども、ブッシュ大統領の横に小泉首相が並んでいるショットです。ブッシュの向こう側に小泉が映る映像が、一日何十回となくCNNで、報復戦争が報道されるたびに流れている。この映像を見て、メキシコの知識人が言ったのは、日本はクレイジーであるという反応です。こういう感覚は、われわれ日本の社会だけでみていてもわからないだろうと思います。》(私注:下線は私が引きました)

 

 私は小泉氏のクレイジーな発言(たとえば、「今イラクのどこが非戦闘地域で、どこが戦闘地域か、そんなの私に聞かれたって分かるわけがないじゃないですか!」(2003年7月23日、党首討論)などには、めちゃくちゃだなーと思ってきました。

 そして、もっと良く知るために『小泉純一郎と日本の病理』藤原肇(ふじわら・はじめ)著を握っています。が、冒頭部分1/3でただいまストップしています。とほほ。

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