URUK NEWS イラク情勢ニュース (転送・紹介歓迎)
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2009/10/26 (月)
[飛耳長目録 today's news list]
☆イラクの孤児を襲う惨禍とアメリカの責任
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☆★イラクの孤児を襲う惨禍とアメリカの責任
The Calamity of Iraq's Orphans and the Morality of America
Dennis Loo (抜粋)
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2009年10月25日 (初出は10月17日の講演。その後に一部改編)
イラクの労働・社会保障省が2008年1月に発表した報告書によると、イラクでは450万人の子どもたちが孤児になった。そのうち政府の保護を受けているのは、わずか459人しかいない。もう一度、言おう。450万人の孤児のうち、459人だけしか政府の保護を受けていない。この報告がなされた時点で、800人の孤児が収容所(刑務所・監獄を含む/訳注)に囚われており、そのうち100人がテロリストの嫌疑をかけられて米軍の捕虜収容所に入れられている。
監獄に入れられるのと、路上に放り出されると、はたしてどちらがよいのかは、私には判らない。
この災難をもたらしは何なのか? この何百万人もの孤児たちの両親に何が起こったのだろう? 2008年時点で総人口2800万人の国に、450万人の孤児を生み出したのはどのような災禍だというのか?
3億1000万人というアメリカの人口にこの比率をあてはめると、1930万人の孤児がいるということになる。その数字はニューヨークやロサンゼルスといったアメリカの6大都市の人口に匹敵する。
もしこれがアメリカで、われわれ自身の身の上に起こったなら、アメリカ人はどう受け止めるだろう? 今もこのような災禍をもたらしている占領者の責任にたいして、われわれは寛容でおれるだろうか?
これはジョージ・W・ブッシュとディック・チェイニーの犯罪であり、現在では、この戦争犯罪を止めることなく受け継ぎいでいるバラク・オバマの責任である。そしてイラクでそれほど多くの人々が殺されるなかで生じていることである。
しかし今挙げた個人の責任だけではない。非難されるべきは、これらの大統領や政治家に体現され擁護されている政治システムこそ、イラクとイラクの子どもたちに対する犯罪を今も犯しているということである。
上述したように、これらの孤児のうち800人は監獄に収容されている。
収容された者たちの状況は、なんともおぞましいものがある。すべてとは言わないまでも、そのほとんどは悲惨な状態で、多くの者が拷問を受けている。代理人ではなく米軍自身が直接、拷問によって100人以上の人々を殺害した。これはブッシュ政権以来の拷問殺人だが、米軍は拷問しないとホワイトハウスが言ってきた8年間のできごとである。変革を約束しノーベル平和賞を獲得した人物が、今では、4万の米軍はイラクに無期限で駐留するだろうと公言している。
この道徳に反する戦争と今も続くイラク占領こそ、120万人以上のイラク人と何万もの米兵の死をもたらし、不必要な死と何百万人規模の災難の元凶となっている。(120万人イラク人が殺されたというのは、ランセットの報告によって検証されたばかりでなく、孤児になった、すなわち両親を殺された子どもが450万人という数字によっても裏付けられている)。
私が米兵数万人が死んだというと、皆さんは不審に思うかもしれない。公式発表では、イラクで死んだ米兵の数は4349人である。しかし、この4349人という数字はイラクから搬出された犠牲者の一部で、実際の死亡者よりも少なく、イラク戦争の犠牲者数を少なく見せていることは周知のことである。
しかも米兵の最も多い死亡原因は、自殺によるものである。復員軍人省の統計では、米軍が2003年4月にイラクを侵略して以来、毎日平均して18人の帰還兵が自殺している。ということは、ブッシュとチェイニーが開始してオバマ政権でも継続されているイラク戦争で、自殺だけでも4万人の米軍兵士が死んだということになる。
ブッシュ政権による「大量破壊兵器云々」の主張は偽りであり、イラク侵略と占領を正当化するために、9・11事件の10年も前からネオコンが計画してきたことは、今では多くの人々が知っている。
ブッシュとチェイニーが主張した9・11事件とフセインの関連も作り話だったことを、今では多くの人々が知っている。だが驚くほど多くのアメリカ人は、今もって関係があったと信じている。彼らがこの話を信じるのは、なんども繰り返しその話を聞かされたからであり、政府とメディアが繰り返し繰り返し「本当に違いない」と言ってきたからであり、本当だと思っていることが完全なウソだったと認めることを難しくしているからである。
しかし、この基本的な真実をにぎることこそ肝要である。多くの指導者が大衆のなかから生まれでて、既に一歩を踏み出して繰り返しこの真実を伝えている人々(シンディ・シーハンのような)に合流しつつある。私が「繰り返し繰り返し」と強調するのは、多くの人々に長年の思いこみを変えてもらうには1回のできごとでは不十分だからである。なされるべき仕事を達成するには、粘り強い作業と幾多の勇気ある決断が要求される。大衆の先駆者となる人々が必要である。耳障りのよい言葉で真実を歪めたり、居心地の良い妄想に惑わされることのない人
々、それでいて飽きることなく辛辣でも真実を大衆に伝える人々こそが必要とされている。
そのような真実はひじょうに消化しにくいかもしれないが、かけがえのない真実である。今日、真実は乏しいからこそ、ひじょうに貴重である。
戦争は不人気であり、戦争による災禍が2008年の(選挙で)共和党の敗北をもたらした。2004年の共和党の敗北も同じである。しかしオバマは、その不人気な戦争を引き継ぎ、ブッシュがやったことを許すと約束しており、多くの人々がオバマに期待したことに着手しないできた。彼はそうするかわりに戦争と占領を遂行し、パキスタンにも戦争を広げ、ブッシュとチェイニーの上を行っている。
イラクのことがあまりニュースにならなくなり、オバマが上辺は「イラク戦争に反対」と唱えて就任したことから、多くのアメリカ人は戦争は長続きしないという印象をもっている。同じことはグアンタナモ基地の捕虜収容所にも言える。
オバマが就任直後にグアンタナモ閉鎖を宣言したたために、多くの人々がそれは既に実行されたか近く実行されるものと信じている。
われわれは言葉が実際行動のように扱われる時代に生きている。何かをするつもりとか実行したいと言うと、それが実際に実行したかのように見なされ、ウソの言葉がまるで真実のように扱われているのだ。
「打倒すべき権力は、制度として築かれた強権と山のような資金を持っており、マスメディアもそれに含まれている。しかし私たちは、彼らが持ち得ない三つのものを持っている。それは正義と真実と、そして私たちに味方する多くの大衆である。腐った堆肥にありったけの香水を振りかけたところで、臭い物にフタをすることはできない。政府および彼らの弁明していることと、彼らが実際に実行していることとの間のギャップは、日に日に広がっている。彼らは対テロ戦争とイラク戦争に勝利しつつあると主張することはできても、毎日の事実が彼らの主張を裏切っている。彼らは私たち市民の自由を擁護しており、何ごとも予定通りに実行しているのだと請け負うことはできるが、しかし1週間もすればその違法ぶりが新鮮な発見となって明らかになる。」
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