とおいひのうた いまというひのうた

自分が感じてきたことを、順不同で、ああでもない、こうでもないと、かきつらねていきたいと思っている。

【必読推薦):(3)なぜEek変異株は見過ごされたのか? そして統計からわかる日本の第4波傾向が示すリスク 2021.04.09 牧田寛 

2021年04月11日 07時27分17秒 | 感染症
 (6page)
 最後にIHMEとLANLによる評価と予測が更新されましたのでご紹介します。
IHMEによる日本における真の日毎新規感染者数の推測と予測(人,線形,感染発生日2021/04/01更新)2020/08/01〜2021/07/01

IHMEによる日本における真の日毎新規感染者数の推測と予測(人,線形,感染発生日2021/04/01更新)2020/08/01〜2021/07/01/網目部分は、95%不確実性区間(信頼区間)、赤破線:より悪いシナリオ、紫破線:現状維持、緑破線:全員マスク着用
IHME

 IHMEは、2021/04/01更新の予測において、本邦は2021/04/04に感染発生のピークになると13日間繰り下げました。この予測が正しければ実測値としての国内の新規感染者数のピークは、4/18頃*でありその後はゆっくりと収束に向かい7〜8月頃に第四波収束の見込みです。
〈*IHMEは、感染発生日(ウィルスへの曝露日)で真の日毎新規感染者数の評価と予測をする為、実際の日毎新規感染者の統計に対して平均して14日先行する〉
 
 過去の記事 で指摘してきたようにIHMEは、傾向(トレンド)の大きな変化には、予測の基礎となるデータの取り扱い上、2〜3週間程度遅延する癖があります。その為現在用いられている3月の変数設定での予測*は過小評価の可能性があるため、4月の変数設定による予測に切り替わる4/9更新を筆者は待っています。
〈*IHMEは死亡統計や検査統計だけでなくその国々に特有な様々な変数を設定している。それらは月ごとに見直しが行われている〉
 またこれはIHMEだけではありませんが、この手の予測モデルは、様々な癖を持ちます。これらについては、既に過去記事で述べていますのでそちらをお読みください*。
 

そろそろ目を見開いて眼前の現実を見よ

 IHMEと同様に筆者が重視しているLANL(ロスアラモス国立研究所)独自のLANL-Growth Rate Model による短期・中期予測は前回よりもやや悲観的になっています。この先6週間、本邦における感染者数と死亡者数の増加は衰えませんので4月いっぱいまでは、11〜17万人程度の新規感染者が、600〜2000人程度の新たな死者が増加すると見込まれています。
LANLによる日本におけるこの先1週間の累計新規感染者数の予測2021/04/04予測

LANLによる日本におけるこの先1週間の累計新規感染者数の予測2021/04/04予測/LANL

LANLによる日本におけるこの先6週間の累計新規感染者数の予測2021/04/04予測

LANLによる日本におけるこの先6週間の累計新規感染者数の予測2021/04/04予測/LANL

LANLによる日本におけるこの先1週間の累計死亡者数の予測2021/04/04予測

LANLによる日本におけるこの先1週間の累計死亡者数の予測2021/04/04予測/LANL

LANLによるこの先6週間の累計死亡者数の予測2021/04/04予測

LANLによるこの先6週間の累計死亡者数の予測2021/04/04予測/LANL

 筆者は、常に言及していますがIHMEやLANLなどによる予測は、預言ではありません。現状のままだとこの先どうなるかという事をそれぞれのモデルと幾つかのシナリオに従って示したものです。為政者、市民は、これら予測を参考にして、より良い未来となるようにより正しい選択肢を選べば良いのです。
 統計と統計に基づいた予測は、一喜一憂するためのびっくり箱ではありません。数字と科学的・医学的知見に基づいて選りすぐれた選択肢を作り出し、選ぶためのものです。悪い予測は、それに対する政策と行動の変更によってハズレ予測にすることができます。
 本邦は、ジャパンオリジナル・国策エセ科学・エセ医療デマゴギーという教条主義に陥り、過去15ヶ月間誤った選択ばかり行ってきました。このままですと第四波非季節性エピデミックにより無駄な犠牲を更に多く払うことになりますし、世界から白眼視されることになりかねません。
 
 そろそろ目を見開いて眼前の現実と広い世界を見ましょう。
 
 本稿はここまででしたが、本稿入稿とほぼ同時にBBCで緊急放送がありました。これはワクチンに関する考え方の極めて重要な事例ですので稿を分けて次回、速報します。
◆コロラド博士の「私はこの分野は専門外なのですが」新型コロナ感染症シリーズ47:第四波エピデミック(7): 第四波エピデミックにおける変異株の実態 <文/牧田寛>
Twitter ID:@BB45_Colorado まきた ひろし●著述家・工学博士。徳島大学助手を経て高知工科大学助教、元コロラド大学コロラドスプリングス校客員教授。勤務先大学との関係が著しく悪化し心身を痛めた後解雇。1年半の沈黙の後著述家として再起。本来の専門は、分子反応論、錯体化学、鉱物化学、ワイドギャップ半導体だが、原子力及び核、軍事については、独自に調査・取材を進めてきた。原発問題について、そして2020年4月からは新型コロナウィルス・パンデミックについてのメルマガ「コロラド博士メルマガ(定期便)」好評配信中
 【参考】
第四波の動向をデータとともに考察する〜コロラド先生とらいぶ〜

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