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本邦の日毎新規感染者数と致命率(CFR)*を見ますと本邦では、異常な死者数減少の遅れ(死亡者数の高止まり)をみせていた日毎新規感染者数が2カ月遅れで漸く正常化に向かっています。しかし、現時点でも感染者数に比して死者が多すぎますし、死亡統計の遅行日数が大きすぎます。
〈*CFRとは、診断付きの累計死者数を診断付き累計感染者数で割ったものである〉
前回述べた「3/26(土)を底値に3/27(日)から増加に転じた可能性」は、その直後順調に減少に転じたので、週末を挟んだ一過性の統計の乱れであったと考えられます。
本邦のCFRは、3月中旬の1.94%を最高値として漸く微減を始めており現在は、1.89%となっています。しかし第四波エピデミックが本格化すれば、極めて脆弱な本邦の医療体制ではCFRは上昇に転じ2%を超える可能性もあります。
本邦の死亡関連統計からは、本邦の医療は、韓国にちょうど二ヶ月遅れで漸く第三波エピミックを収束させつつあります。しかし既に第四波エピデミックSurgeは本格化しつつあり、日毎新規感染者数の10日後に日毎死亡数への影響が現れます。既に大阪では医療への負荷が厳しいことになっており*、宮城県もその後を追っていますが、現状で2週間後には関東を中心として全国に広がる可能性があります。
韓国では、日毎死亡者数は平衡状態にあります。しかし、新規感染者数が増加していますのでこのままですと韓国でも日毎死亡数は、僅かに増加に転じると考えられます。台湾では、死者は3/6の累計10人目を最後に生じていません。
次に検査数関連統計を見ます。
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検査数にはPCR検査と抗原検査が含まれますが、以前の記事で繰り返し指摘してきた本邦の致命的大失敗が示すように本邦の欠陥品とも言える抗原検査は、膨大なすり抜け(偽陰性)が生じます*。COVID-19検査のGolden StandardであるPCR検査に比して抗原検査の利点はラボが要らないという点です。一方で抗原検査による陽性結果の扱いは、PCR検査による再検査を要し、検査陰性者も本邦のように感度が極端に低いガラクタも存在しすり抜けが生じるために抗原検査の採用には本邦を除く世界は消極的になってきています*。従って検査の大部分はPCR検査です。
一方、英国では、週に一回のPCR検査と週に二回の抗原検査を無料で全住民が行う体制が急速に整備されており*、これは抗原検査キットが本邦のような低感度のガラクタでなければたいへんに優れた手法です。
ロイター電では、抗原検査を週に二回だが、これに事実上の義務である週一回のPCR検査も併用されているとの現地住民の報である〉
本邦は、「検査を増やせば患者が増える」「PCR検査は精度が低い」という、ジャパンオリジナル・国策エセ科学・エセ医療デマゴギー=真っ赤な嘘を「専門家」や「自称専門家」、「殺人カメレオン」*が垂れ流し、世界でも唯一の積極的な検査抑制国ですが、科学と医学に忠実な世界は、遙か先に進んでいます。「検査を増やせば患者は減る」し、「PCR検査はCOVID-19検査のGolden Standard」が全世界で実証された事実です。
〈*ワクチン接種が始まると「私は専門家ではない」「私は野良医者」などと逃げ、ワクチン接種事業が崩壊し、第四波エピデミックが始まるとまた現れてジャパンオリジナル・国策エセ科学・エセ医療デマゴギーを垂れ流す破廉恥医者、破廉恥医系技官、破廉恥看護師、破廉恥医学研究者が本邦にはたくさんいる。これを筆者は「殺人カメレオン(専門家)」と命名している。短く言えば「人殺し」”Killer”である〉
巧言令色や詭弁も厳然たる事実=数字の前には直ちに棄却される
本邦は、世界唯一のジャパンオリジナル・国策エセ科学・エセ医療デマゴギーによって検査を抑制し、統計すら壊れてしまうほどの惨状ですが、検査数自体は韓国より多く必要とし、「検査抑制ではない、検査効率化だ。」というジャパンオリジナル・国策エセ科学・エセ医療デマゴーグ=医療右翼の主張に反して、極めて効率が悪く、資源を浪費し、そのうえ感染状況も東部アジア・大洋州ではワースト4となっています。第四波エピデミックにあっても本邦はいまだに検査を増やしていません。そのうえ変異株のスクリーニングも事実を無視したドグマに固執して東日本では1月以降、4月に至るまで東日本での変異株のドミナント化を見逃してきました。全く論外のエセ科学・エセ医療殺人国策と言えます。
台湾がなぜ上手くいっているかは、全期間の感染者1人を発見するに用いる検査人数(検査数)ではっきりします。
台湾では、昨年夏までは感染者1人を発見するのに1000〜4000人のPCR検査を実施していました。これによって未発見の市中感染者、検疫での感染者を徹底的に探し出して、そのうえで接触追跡、検査、隔離、治療と行っています。
韓国は、本邦の2倍から10倍の検査を行ってきています。本来のクラスタ戦略は韓国や台湾のように検査がウィルスに圧倒されないように迅速な検査体制の強化が行われます。本邦の「観念上のクラスタ戦略」は、一言で言えば「ゴミ」です。
新規感染者1人あたりの検査数は、2021/04/06で台湾141件、韓国77件、本邦41件です。
「PCR検査は精度が低い。検査を増やせば患者が増える。我々には効率のよりやり方がある。」などといった、過去14ヶ月間本邦において蔓延した官製プロパガンダが、全く事実に反するジャパンオリジナル・国策エセ科学・エセ医療デマゴギーであることは明白です。
なお合衆国は、一日100万検査から400万検査という膨大な検査数を維持していますが、新規感染者1人当たりの検査人数では本邦と変わりません。これは合衆国や欧州、中南米諸国では、COVID-19感染者が極めて多く、検査資源を増やしてもウィルスの増加に追いつかない為です。一方、東部アジア・大洋州とアフリカ諸国は謎々効果に守られていて、罹患率(感染率)が米欧の1/1000〜1/10であるため、検査・追跡・隔離・治療と必要な場合は局地的ロックダウンや数日程度の短期ロックダウンでCOVID-19を制圧できてきたのです。欧州でもアイスランドのような小さな島国では謎々効果がなくても成功しています。本邦はその南北米・欧に対する圧倒的な優位性を厚生労働省とその取り巻きによるジャパンオリジナル・国策エセ科学・エセ医療デマゴギーによってドブに捨て、多くの市民を犠牲にしているのです。お金も膨大に消えました。
どのような巧言令色や詭弁も厳然たる事実=数字の前には直ちに棄却されます。
本邦は、COVID-19エピデミック対応に完全に失敗した国であり、その失敗の結果が米欧並みのエピデミックにならない理由は、単に国策公害であるスギ花粉症への対策として長年市民に定着していた高性能不織布マスク着用の習慣と謎々効果*だけです。
次に移動傾向を見てみましょう。
本邦における移動傾向は、緊急事態宣言解除が報じられ始めた1/31頃から一貫して増加し続けています。現時点では、基準日である2020/01/13以降、最高水準の値を示しています。4/6に漸く移動傾向が減少に転じていますが、先行きは不明です。
移動傾向の増加は、エピデミックの増進につながりますので、第四波エピデミックの増進期に移動傾向が過去14ヶ月で最高水準かつ更に増加傾向というのはたいへんに不味いです。これにバー、カラオケ、屋内外食というスーパー・スプレッダ三本鎗が加わると感染大爆発しかねません。Go To Eatは最悪の愚策です。これに加えてGo To Travelまで再開しようという強い動きが自民党にあります*が、狂気の沙汰です。Go To TravelはGo To Eatに比して感染拡大への直接的影響は低いのですが、ウィルスを拡散しウィルスを国の隅々に行き渡らせる、とくに変異株を広域移動させウィルスの遺伝的多様性を増すという厄介な効果を持ち得ます。
次にワクチン接種状況を見ます。
しかし本邦のワクチン接種の遅さは極めて異常で、東部アジアで状態の良くない国であるインドネシア、マレーシアや韓国と比較しても劣勢が目立ちます。本邦では、アジアでも最も遅れているフィリピンと追いつ追われつと言うのが実態です。
台湾でもアストラゼネカ社のCOVID-19様ワクチンの接種が始まりました。
韓国では、アストラゼネカのワクチン接種が欧州で一時停止したこともあり、先々週以降の接種速度が低調でしたが、EUでの接種再開決定により持ち直しつつあります。
欧州では、アストラゼネカ製COVID-19ワクチンによる血栓の発生疑い事例が報告されて以降、ワクチンは打ちたいが、信頼性の再確認が必要というジレンマに陥っており、子供への治験も停止されています*。本稿を入稿直後にこのワクチンについては極めて重要な発表が欧州医薬品庁(EMA)によってなされましたので次回論じます。
合衆国では、アストラゼネカ製ワクチンの接種は、現時点でありませんが、ファイザー製とモデルナ製のワクチンを中心に接種を400万接種/日を超える日もあるという極めて積極的なワクチン接種を行っています。合衆国では間もなく成人の半数が少なくとも一回のワクチン接種を終えます*。
〈*CNN Early Start 2021/04/07〉
米欧でのこの違いは、接種中のワクチンの違いだけでなくワクチン接種のリスク・ベネフィットの比較考量の考え方が違うため*であり、欧州の方がより慎重で、合衆国は多少の有害事象で2日寝込もうと、とにかく得られるものの方が遙かに大きいという考え方です**。これは米欧共に正当な考え方で、今後どういう結果となるかは1年、5年、10年、25年、50年、100年といった時間軸での科学的検証に任されます。
〈*但し、ファイザーとモデルナのmRNAワクチンが予想を遙かに上回って優秀と評価されていることも理由である〉
〈**ファイザーとモデルナ、とくにファイザーは、接種後に頭痛や発熱で1日2日寝込むという有害事象が多い。特に二回目のブースター接種後に多いとされる。公的情報でなくても北米や欧州の知人からそういった報告が目立ち、「かなりきついワクチン」と評されている。勿論COVID-19に感染して死んだり苦しんだり、後遺症に苦しむ(Long Hauler)よりは遙かにマシである〉
ここまで2020/04/07時点で得られる最新統計情報のご紹介をしました。