皇居で歌会始の儀 お題は「望」 両陛下の作品も(20/01/16)
令和最初の「歌会始の儀」
【追記】
歌会始の儀 お題は「望」17年ぶりに皇后さまご出席
歌会始の儀での天皇、皇后両陛下と皇族方のお歌、入選者らの歌は以下の通り(仮名遣い、ルビは原文のまま)
天皇陛下
学舎(まなびや)にひびかふ子らの弾む声さやけくあれとひたすら望む
皇后陛下
災ひより立ち上がらむとする人に若きらの力希望もたらす
秋篠宮さま
祖父宮(おほぢみや)と望みし那須の高処(たかど)より煌めく銀河に心躍らす
秋篠宮妃紀子さま
高台に移れる校舎のきざはしに子らの咲かせし向日葵(ひまはり)望む
秋篠宮家長女眞子さま
望月に月の兎が棲まふかと思ふ心を持ちつぎゆかな
秋篠宮家次女佳子さま
六年間歩きつづけし通学路三笠山(みかさやま)より望みてたどる
常陸宮妃華子さま
ご即位の儀式に望みいにしへの装ひまとひ背(せ)なを正(ただ)せり
寛仁親王妃信子さま
雪襞(ゆきひだ)をさやかに望む富士愛(め)でて平和な御代のはじまりにあふ
三笠宮家彬子さま
言の葉のたゆたふ湖の水際から漕ぎ出ださむと望月の舟
高円宮妃久子さま
サッカーに関はりたれば五輪への出場国をひた待ち望む
高円宮家長女承子さま
初めての展望台にはしやぐ子の父母とつなぎあふ小さな両手
【召人】
栗木京子さん
観覧車ゆふべの空をめぐりをりこれからかなふ望み灯して
【選者】
篠弘さん
書き上げし稿(かう)祈りてはファックスす望外なことを近頃はじむ
三枝(さいぐさ)●(昴の異体字)之(たかゆき)さん
丘陵に街に暮らしの歩をとめて人は仰げり望月立てり
永田和宏さん
なだらかな比叡の肩を照らしつつ昇る幾望(きばう)の、はた既望(きばう)の月
今野寿美さん
港から汽笛とどけば手にとれる望遠鏡なり蝶々夫人も
内藤明さん
新しき靴履きて立つ街角にわが望郷の方位をさがす
【入選者】(年齢順)
三重県 森紀子(としこ)さん(75)
茶刈機のエンジン音は響(ひび)かひて彼方に望む春の伊勢湾
埼玉県 若山巌さん(74)
百アールの田圃アートの出来映えを眺望するに櫓を組みぬ
東京都 保立牧子さん(70)
創薬の望みを託す天空の「きぼう」の軌道に国境はなき
福岡県 石井信男さん(65)
息を止め望遠鏡で本物の土星の環を見た夏の校庭
福岡県 粟屋融子さん(61)
ランドセルは●(海の旧字体)渡りゆくアフガンの子らの希望を抱き留むるため
長崎県 柴山与志朗さん(60)
望(もち)の日は漁師の父が家にゐて家族四人で夕餉を囲む
山形県 村上秀夫さん(56)
それぞれに月傾けて子どもらは墨くろぐろと「望」の字を書く
神奈川県 森教子さん(49)
今よりも人々の文字うつくしき平和を望む戦時下の日記
大阪府 土田真弓さん(33)
眺望はどうだ晩夏に鳴く蝉を咥へて高く高く飛ぶ鳥
新潟県 篠田朱里(あかり)さん(17)
助手席で進路希望を話す時母は静かにラジオを消した
【追記】テレ東 詳しいです
令和初の歌会始 記者解説 歌に込められた両陛下の思いとは