打ち直しにだしていた布団が届いた。
中に入っている綿(わた)は夫の母親が家の立て直しをするときに放出した布団をもらってきたときに入っていた綿(わた)だ。
街の布団屋さんは最近は安い羊毛の布団が売っているので布団の打ち直しをする人が少なくなり、綿(わた)をすき直してくれるくれる布団屋さんが消えていっている。
町内では、それでも一軒残っている。
綿(わた)の打ち直し代と一番安いサテン地と裏地代、仕立て代を入れて、敷き、掛け各々1枚約1万円かかる。が、
職人さんがつくってくれる布団は、ものすごく寝心地がいいのだ。
「本当にいい綿(わた)ですね。安い綿(わた)だといくらすき直しをしても、こんなにふっくらしないのですよ。
今では需要がないので、こんないい綿(わた)自体あまり作っていません。この打ち直した布団はこれであと10年は使えますよ。」
昔の綿(わたは本当にすごい。ひどく上等で30年すき直しながら使っているがビクともしない。
わたしは、これが本当の日本の布団だと思っている。昔の布団は重かったのだが、今ではすき直し時に化繊を足すので重くない。
なによりも職人さんの作った布団は味がちがう。体がすっぽりくるまれるようでぐっすり寝れるのだ。
貴重なものとなった姑が放出した綿(わた)であるが、枚数がかなり減ってしまった。息子たちは安い羊毛布団と綿(わた)をいれた昔の布団の区別がつかない。布団とは、すぐにぺっちゃんこになり、捨てて買うものだと思っているから捨てられてしまうのだ。
それに枚数を減らした犯人はネコもである。どういうわけかふかふか布団にオシッコをするので、ネコがいる間は「本当の布団」はお蔵入りしなければ。
だから、わたしはネコがいる間は我慢して安い羊毛布団に寝ている。へんなの。