本日2月20日は、天正遣欧少年使節が長崎港を出港した日で、ニューヨークのメトロポリタン美術館が開館した日で、日本における初の男子普通選挙・第16回衆議院議員総選挙が行われた日で、アメリカ合衆国憲法修正第18条(禁酒法)を撤廃する為の憲法修正第21条が連邦議会で発議された日で、小林多喜二が特高警察の拷問により築地警察署で死亡した日で、東京大学の公認学生団体「ポポロ劇団」が演劇発表会を行なった際に学生が会場にいた私服警官に暴行を加えた東大ポポロ事件が起こった日で、借金の返済を求めた暴力団員2名に対して返済を約束して面会してその2名を射殺した金嬉老が温泉旅館の経営者や宿泊客ら13人を人質にして籠城してメディアに自分勝手な主張を述べた日(各局のワイドショーは人質被害者の安否や被害者家族の意向などお構いなしにスタジオから金喜老が立て籠もった旅館に勝手に生電話を入れて視聴率を稼いだ。NETテレビ(現・テレビ朝日)などは銃を持って戸外を警戒している金に対し「金さん、ライフルを空に向けて射ってくれませんか」と要望を出して金が空に向かって数発ライフルを乱射しているところをカメラで映して演出までした)で、フィリピン・ルバング島で戦闘を継続していた小野田寛郎に冒険家・鈴木紀夫が接触し帰国を促した日で、アルバニアの首都ティラナにあったアルバニア労働党第一書記でアルバニアの最高権力者だったエンヴェル・ホッジャの巨大な像が民衆によって倒された日です。
本日の倉敷は曇りのち晴れでありましたよ。
最高気温は十三度。最低気温は二度でありました。
明日は予報では倉敷は晴れとなっております。
本日の倉敷は曇りのち晴れでありましたよ。
最高気温は十三度。最低気温は二度でありました。
明日は予報では倉敷は晴れとなっております。
月が紅く耀く無窮の夜空。
数多の星の煌めきて横たはる天の河が一際さんざめく。
風凪ぎたれど海騒きぬ。
見渡せば一つづゝざあと寄せ來くる小浪の、皆火のやふに煌めきぬ。
黄泉の國の美しさも斯くあらむや。
風凪ぎたれど海騒きぬ。
見渡せば一つづゝざあと寄せ來くる小浪の、皆火のやふに煌めきぬ。
黄泉の國の美しさも斯くあらむや。
眞に夢の如し。
小浪の浪間は漆黒なれど波の穗の金色を帶び漂ひぬ。
その眩きに驚かされぬ。
揺蕩げなる浪、尽く蝋燭の焔のやふに黄色の光を放つ。
なかに深紅に、また青く、黄橙に、なかには翆玉色を放つあり。
黄色に光れる浪のうねりの搖蕩ひは、大海原の波動の故にあらずして、何か数多の意思の働ゐてをる如く思はれり。
意識を持ちて巨大にして漂ふてゐる。
かの暗き冥界に棲む獸の、群れをなしひしめきて繰り返し身悶へせるに似たるかな。
げに斯くも壯麗なる不知火の光華を作れるは生命なり。
いと小さき生命なれど靈的な纎細さを持てり。
限りなく群れなすといへど儚きなり。
振りさけ見れば、かの水平綫の彼方まで流離ひゆく潮路の上で、この小さきものは弛み無く變化して今を生きむとかつ燃えかつ消えんとす。
また、水平綫の上にては他の億萬の光が別の色を脈打ちて底知れぬ深淵に往き失うせぬ。
奇しき樣を眺めつゝ彷徨う獣の狐は言葉なく瞑想す。
夜と海の夥しき燦めきの中、窮極の靈の現はれしかと思へり。
我が上にては、消滅せる過去の凄まじく融解しては輝くといふ秩序に於いて再び存在せむと欲する生命の靈氣とともに蘇がへりぬ。
我が下にては、流星群が迸りまた星座や冷たき光の星雲となりて活氣づきぬ。
やがて、狐は思ひ至りぬ。
恆星と惑星の幾百萬年なる歳月も萬象の流轉にありて一匹の死にかけた夜光蟲の一瞬の閃光に優る意味を持たんや、と。
この疑念疑ひの湧きてより狐が思ひの變はるなり。
もはや炎の明滅せる古への海を望みておるにあらず。
狐が觀しは、さながら海の廣さと深さそれに高さとが永遠の死の闇と一體となれるかの大災厄なり。
言い換へるなら、寄るべき岸邊なく刻むべき時間もなき死と生の蒼海なり。
なれば恆星の何百光年もの輝ける霞たる―― 天の河の架橋――も、無限の波動の中にありては燻ぶれる一個の波に過ぎず。
されど、狐が胸底にかの囁きを又聞けり。
我、もはや恆星の霞の如き波を見ずして生きてをる闇を觀るのみ。
それ、無限に瞬きて流れ込み我が廻りを揺ら揺らと震へる如く行き去りぬ。
燦めきといふ燦めきの沸々として心臟の如く鼓動せり。
燐光のよふな色を打ち出してをり。
やがて、これら輝けるもの皆、光の撚より絲の如く明滅し終はりなき神祕の中へ流れ出いでまし……。
嗚呼。我も夜光蟲の一匹ひとつなり。
無量の流れにありて儚く漂ふ燐光の一閃光なり。
我が思惟の變はるにつれて、發する光の色合も變はるらし。
時に深紅に、また青玉色に瞬けり。
今は黄玉色さらには翆玉色に移らふ。
この變化の何の故なるかを知らねども、人界の生命の思惟はおほかたは赫き色に光りたる。
かたや、天界の存在は――靈的なる美かつ靈的至福のいづれも備へ――、その思惟は青色と紫色と趣き深く燃へたちて變化の妙を極めたり。
なれど現世のいずくにも白き光の見えざることぞ不思議なりけり。
すると、いずくともなく天の聲の聞こえきて語りき。
白き光は高貴な存在の光なり。
夫れ何十億もの光を融合して作られん。
白き光の輝きに奉仕するが穢れた身である汝の役目。
汝の燃へる赫の色こそ汝の價値となるべし。
汝の生きるは一瞬なれど其の鼓動なる光は生き續けん。
自らの思惟により輝きてゐる其の刹那、汝、有り難くも宇宙を構成する者の一部とならむ。
奇しき内なる聲を聞きつゝ狐は再び言葉なく瞑想す。
月が紅く耀く無窮の夜空。
数多の星の煌めきぬ。
小浪の浪間は漆黒なれど波の穗の金色を帶び漂ひぬ。
その眩きに驚かされぬ。
揺蕩げなる浪、尽く蝋燭の焔のやふに黄色の光を放つ。
なかに深紅に、また青く、黄橙に、なかには翆玉色を放つあり。
黄色に光れる浪のうねりの搖蕩ひは、大海原の波動の故にあらずして、何か数多の意思の働ゐてをる如く思はれり。
意識を持ちて巨大にして漂ふてゐる。
かの暗き冥界に棲む獸の、群れをなしひしめきて繰り返し身悶へせるに似たるかな。
げに斯くも壯麗なる不知火の光華を作れるは生命なり。
いと小さき生命なれど靈的な纎細さを持てり。
限りなく群れなすといへど儚きなり。
振りさけ見れば、かの水平綫の彼方まで流離ひゆく潮路の上で、この小さきものは弛み無く變化して今を生きむとかつ燃えかつ消えんとす。
また、水平綫の上にては他の億萬の光が別の色を脈打ちて底知れぬ深淵に往き失うせぬ。
奇しき樣を眺めつゝ彷徨う獣の狐は言葉なく瞑想す。
夜と海の夥しき燦めきの中、窮極の靈の現はれしかと思へり。
我が上にては、消滅せる過去の凄まじく融解しては輝くといふ秩序に於いて再び存在せむと欲する生命の靈氣とともに蘇がへりぬ。
我が下にては、流星群が迸りまた星座や冷たき光の星雲となりて活氣づきぬ。
やがて、狐は思ひ至りぬ。
恆星と惑星の幾百萬年なる歳月も萬象の流轉にありて一匹の死にかけた夜光蟲の一瞬の閃光に優る意味を持たんや、と。
この疑念疑ひの湧きてより狐が思ひの變はるなり。
もはや炎の明滅せる古への海を望みておるにあらず。
狐が觀しは、さながら海の廣さと深さそれに高さとが永遠の死の闇と一體となれるかの大災厄なり。
言い換へるなら、寄るべき岸邊なく刻むべき時間もなき死と生の蒼海なり。
なれば恆星の何百光年もの輝ける霞たる―― 天の河の架橋――も、無限の波動の中にありては燻ぶれる一個の波に過ぎず。
されど、狐が胸底にかの囁きを又聞けり。
我、もはや恆星の霞の如き波を見ずして生きてをる闇を觀るのみ。
それ、無限に瞬きて流れ込み我が廻りを揺ら揺らと震へる如く行き去りぬ。
燦めきといふ燦めきの沸々として心臟の如く鼓動せり。
燐光のよふな色を打ち出してをり。
やがて、これら輝けるもの皆、光の撚より絲の如く明滅し終はりなき神祕の中へ流れ出いでまし……。
嗚呼。我も夜光蟲の一匹ひとつなり。
無量の流れにありて儚く漂ふ燐光の一閃光なり。
我が思惟の變はるにつれて、發する光の色合も變はるらし。
時に深紅に、また青玉色に瞬けり。
今は黄玉色さらには翆玉色に移らふ。
この變化の何の故なるかを知らねども、人界の生命の思惟はおほかたは赫き色に光りたる。
かたや、天界の存在は――靈的なる美かつ靈的至福のいづれも備へ――、その思惟は青色と紫色と趣き深く燃へたちて變化の妙を極めたり。
なれど現世のいずくにも白き光の見えざることぞ不思議なりけり。
すると、いずくともなく天の聲の聞こえきて語りき。
白き光は高貴な存在の光なり。
夫れ何十億もの光を融合して作られん。
白き光の輝きに奉仕するが穢れた身である汝の役目。
汝の燃へる赫の色こそ汝の價値となるべし。
汝の生きるは一瞬なれど其の鼓動なる光は生き續けん。
自らの思惟により輝きてゐる其の刹那、汝、有り難くも宇宙を構成する者の一部とならむ。
奇しき内なる聲を聞きつゝ狐は再び言葉なく瞑想す。
月が紅く耀く無窮の夜空。
数多の星の煌めきぬ。