狐の日記帳

倉敷美観地区内の陶芸店の店員が店内の生け花の写真をUpしたりしなかったりするブログ

『鹿男あをによし』/万城目 学

2020年01月26日 22時28分14秒 | 小説・本に関する日記
 昨日の夜は、万城目 学の小説『鹿男あをによし』を読み返しておりました。
 TVドラマ化されていましたね。
 観てました。
 あの頃はまだTVを観ていたなぁ……。
 今や私のお部屋にあるTVはほぼゲームやDVDのモニターと化しております。

 大学の研究室で人間関係に悩んでいた主人公は、教授の勧めで奈良の女子高に赴任することになる。
 しかし赴任先の女子高では生徒達からいわれも無い嫌がらせを受ける。
 その事で悩んでいると、ある意外なものから話しかけられ、日本の滅亡を防ぐために奮闘することになる……。

 万城目節炸裂の法螺話です。


 現代ファンタジー+スポコン+青春物語+「坊ちゃん」風味ってとこでしょうか。
 面白かったですよ。
 私は万城目 学の小説だったら『鹿男あをによし』が今のところ一番好きです。



コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

赤芽猫柳(アカメネコヤナギ)その11。

2020年01月25日 23時25分15秒 | お花に関する日記
 本日1月25日は、神聖ローマ皇帝ハインリヒ4世が教皇グレゴリウス7世による教会破門の許しを乞うためカノッサ城の門前で立ちつくし始めた日で、三方ヶ原の戦いがあった日で、江戸でお七火事が起こった日で、南部藩の大島高任が釜石で日本初の近代鉄溶鉱炉を建設した日で、ネリー・ブライが72日間での世界一周を達成した日で、ロシア皇帝ニコライ2世が満州からの撤兵を宣言した日で、タイがアメリカ合衆国・イギリスに宣戦布告した日で、ソ連がドイツに対する戦争状態の終結を宣言した日(1955年)で、三井三池炭鉱で労組が無期限ストに突入した日で、中国の文化大革命の責任者・四人組に対する裁判で江青・毛沢東夫人と張春橋・元副首相に死刑宣告(後に無期懲役に減刑)が出された日で、エジプトでムバラク政権への反政府デモが始まった日です。

 本日の倉敷は曇りでありました。
 最高気温は九度。最低気温は五度でありました。
 明日も予報では倉敷は曇りとなっております。





 上の写真に写っているのは、「赤芽猫柳(アカメネコヤナギ)」です。
 赤芽猫柳に関しては、2019年1月25日の記事2018年1月25日の記事2017年1月20日の記事2016年1月11日の記事2015年1月9日の記事2014年01月15日の記事2013年2月18日の記事2012年2月26日の記事2011年2月21日の記事2010年2月26日の記事も宜しかったらご覧下さいませ。
 2019年と2018年と2017年と2016年と2015年と2014年と2013年と2012年と2011年と2010年の赤芽猫柳の記事です。


 赤芽猫柳の花言葉は、「率直」や「自由」や「気まま」です。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『多十郎殉愛記』

2020年01月25日 22時18分38秒 | 映画・ドラマに関する日記
 昨日の夜は、映画『多十郎殉愛記』のDVDを観ていました。

 長州藩を脱藩した清川多十郎は、幕末の京都で居酒屋の用心棒をしていた。
 糧を得るためだけの生活を送るなか、店を切り盛りするおとよは多十郎に好意を寄せていた。
 新選組の取り締まりが強まりを見せていた頃、多十郎を頼って腹違いの弟・数馬が上洛してくる。
 時を同じくして、京都見廻組は多十郎の存在を知り、新撰組より先に手柄を立てようと多十郎の捕縛に乗り出して……。

 監督は、中島貞夫。
 出演者は、高良健吾、多部未華子、木村了、三島ゆり子、栗塚旭、山本千尋、永瀬正敏、寺島進、など。
 「殺陣の魅力を存分に見てもらうこと」をコンセプトに制作された剣戟映画であります。




 チャンバラ映画というジャンルは存在するのですが、物語がしっかりと組み立てられていてその上に剣戟のシーンが存在するはずです。
 つまり、チャンバラには必然性が必要なはずです。
 チャンバラ映画であるからこそシナリオはしっかりと組み立てられなければなりません。
 チャンバラを見せる為にシナリオが組み立てられて物語がおざなりとされてしまうのならば、ドキュメントでチャンバラのシーンだけを見せればよいのです。
 チャンバラ映画であるからこそ、シナリオは重要となります。
 チャンバラ映画は物語がしっかりとしていなければ成り立たないはずです。

 このお話には矛盾があります。
 好きな女性の為に戦う……という最終盤のロジックは、映画全体を通してみると疑問が出てしまいます。
 好きな女性を頼ってしまい好きな女性を苦境に追い込んだ男のお話となってしまいます。
 最初から最後までそれで物語を組み立てていればよいのですが、そうではないのです。
 なので、せっかくの素晴らしい剣戟のシーンで観る人に疑問を抱かせてしまいます。
 剣戟のシーンは凄く良いのですよ。
 それだけに残念な気持ちとなった映画でありました。


 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

バイバイ、テロリスト。この世が嫌いなら二度とこの世に出てくるな!

2020年01月25日 12時23分17秒 | その他の日記
 以下の記事は、猫組長(菅原潮)氏の『元経済ヤクザが総括「ゴーン氏は、もはやマフィアを超えた」 逃亡は「新展開」ではなく「帰結」  』と題した記事の転載であります。        



  『元経済ヤクザが総括「ゴーン氏は、もはやマフィアを超えた」 逃亡は「新展開」ではなく「帰結」』


 4件の罪で起訴されていた元日産会長、カルロス・ゴーン氏(65)が日本を密出国したのは昨年末のことだった。
 この逃亡劇は、日本国内は元より世界中でニュースとして報じられ、衝撃を与えているが、私は冷ややかだ。

 ゴーン氏の犯罪内容を知悉した私は自著『金融ダークサイド』(講談社)でその悪質性を詳細に分析しており、そのことが実証されたに過ぎないと考えているからだ。
 犯罪者が罪から逃亡するために犯罪を重ねるのも、暗黒街の日常だ。

 むしろ興味深かったのは「ゴーン事件」を試薬として、浮かび上がったいくつかの問題だった。
 黒い国際金融の実務者だった私が、ゴーン氏の暗い未来を交えながら明らかにしたい。

  浮かび上がる「ドス黒い欲望」
 2019年12月30日、日産トップの立場を余すことなく利用して私腹を肥やしたゴーン氏がレバノンに密出国した。
 ゴーン氏は、以下の4件の罪で東京地検特捜部によって起訴されている。
 
  ・2010~14年度の役員報酬を有価証券報告書に虚偽記載したことによる金融商品取引法違反罪
  ・15〜17年度の役員報酬を有価証券報告書に過少に記載したことによる金融商品取引法違反罪
  ・サウジアラビアの友人側に日産資金を不正支出したとされる会社法違反(特別背任)罪
  ・日産自動車の資金をオマーンの販売代理店に不正に支出した特別背任罪

 私が特に問題にしたのは、サウジアラビアルートとオマーンルートだ。
 一言でまとめれば、実際の商取引に見せかけて、資金を迂回させて自己に還流していたということだ。
 現金をダイレクトに移動させていれば誰でも理解できるのだが、資金移動にSBL/Cという多くの日本人には不可知の証券を使ったことで悪質性まで覆い隠した。
 すでに昨年7月に発売された自著で、その犯行を詳細に解説しているので、ぜひ読んで欲しい。
 まずは今年始まる初公判を控え、罪を逃れようというドス黒い執念によって練られた綿密な逃亡計画を、報道を元に整理していこう。

  ・2019年4月に15億円の保釈金を納めて保釈されて以降、24時間、保釈条件で指定された都内住宅や外出先を含めてゴーン氏が行動確認(見張りや尾行)されるようになる(行動確認は日産側によるものだが、この時点でゴーン氏側は誰かを把握していない)。
  ・ゴーン氏が、アメリカ陸軍特殊部隊「グリーン・ベレー」の元隊員でPMC(民間警備会社)運営するマイケル・テイラー氏と接触する。
  ・テイラー氏を中心に、多国籍で構成される最大25名のスタッフが日本中の空港など国外脱出ルートを調査。関西空港に巨大なセキュリティーホールを発見する。
  ・9月23日、ゴーン氏が100万ドル(約1億700万円)、日産が1500万ドル(約16億円)の課徴金をSEC(アメリカ証券取引委員会)に支払うことで和解した。
   (SECはゴーン氏が有価証券取引書に虚偽記載をしたことでアメリカの投資家を欺いたことを認定していたことによる)
  ・12月8日、ゴーン氏による虚偽記載について、日本の証券取引等監視委員会が、日産に約24億円の課徴金支払いを命じるよう金融庁に勧告する方針を固めたと報じられる。
  ・12月25日、ゴーン氏の弁護人である弘中惇一郎弁護士が、弁護団で調べた結果、行動確認が日産の依頼により警備会社によって行われていると説明。
   業者を軽犯罪法違反と探偵業法違反の罪で年内に刑事告訴すると表明する。
  ・12月29日、日産側はゴーン氏への行動確認を一旦中止。
  ・12月29日午後2時半ごろ、ゴーン氏は単独で東京都港区の住居を出発。
   六本木のホテルでテイラー氏ら2名と合流。
   3人で東海道新幹線を使って品川駅から新大阪駅に移動し、夜に関空近くのホテルに入る。
  ・12月30日、テイラー氏らがドバイから持ち込みホテルに搬入していた大型の楽器ケースの中にゴーン氏が隠れて関西空港の出入国管理ゲートを突破。
   トルコのMNGホールディングが運航するチャータージェットを使ってイスタンブールへと向かった。
   乗客名簿にテイラー氏らの名前はあったが、ゴーン氏の名前はなかった。
  ・12月31日午前6時30分過ぎ、イスタンブールを経由してレバノンのベイルート国際空港にチャーター機が到着。
   ゴーン氏は「私はレバノンにいる」と発表する。
  ・2020年1月2日、日本政府がICPO(国際刑事警察機構)に対し、レバノン政府によるゴーン氏拘束を要請。
   ICPOは赤手配書(国際逮捕手配書)をレバノン政府に送付。
  ・1月3日、トルコ裁判所はゴーン氏の逃亡を幇助した5人の逮捕を発表。
  ・1月7日、東京地検特捜部はゴーン氏の裁判における虚偽証言容疑でゴーン氏の妻、キャロル・ナハス氏の逮捕状を取る。
  ・1月8日、日本の捜査当局がICPOに対し、キャロル氏の国際手配を要請。
  ・1月9日、レバノンの検察当局がゴーン氏を事情聴取。
   身柄は拘束せず、レバノン国外への当面の渡航禁止を決定する。

 太字は本稿でポイントになるところである。

  マフィアを超える逃亡の手口
 報道によれば、逃亡計画を主導したテイラー氏はアメリカ陸軍特殊部隊「グリーン・ベレー」を4年勤め退役。
 82年にレバノンで軍事訓練を手伝い、85年にレバノン人の妻と結婚する。
 冷戦時のアメリカのインテリジェンス機関では、仮想敵国の言語「ロシア語」を話せることが重要視されていた。
 しかし91年のソ連崩壊から、湾岸戦争を経てテロとの戦いに至るまで「アラビア語」へとウエイトがシフトする。
 テイラー氏は、アメリカ人でありながら「アラビア語」を使える先駆者の一人だ。
 こうした経歴から、テイラー氏は91年にアメリカ捜査当局の要請によりレバノンで3トンのハシシ(樹脂大麻)の押収を成功させた。
 「歴史上最も重要なDEA(アメリカ麻薬取締局)活動の1つの重要なプレーヤー」と称される一方で、00年以降、契約詐欺と資金洗浄の罪を含めて複数の前科を重ねた。
 テイラー氏は政府機関の仕事を通じて犯罪組織と関わるうちに悪の世界に染まったということがわかるだろう。
 現在では「人質解放」を得意とするPMC(民間警備会社)を経営している。
 だがこの「警備会社」は日本のそれとは違う。アメリカでは退役した特殊部隊の軍人がPMCを作り、元兵士を募って「戦争」を稼ぎの場としている。
 テイラー氏は「傭兵」と呼ぶべき立場の人間だ。
 関西空港の出国審査に違和感を覚える人も多いと思うが、日本中からただ一点の穴を見つけるほどテイラー氏の組織が優れていたということだ。
 最高度の技術を持った「傭兵」を使って不法に国外脱出をすることなど、世界でも極めて暴力性の強い南米の麻薬カルテルなど、テロ組織に近い犯罪組織しか行わない。
 前述の著書中ではゴーン氏を「黒い経団連会長」と呼んだが、訂正しなければならない。
 今回の一件でゴーン氏はマフィアを超えた。
 
  毀損された近代国家の根幹
 1月8日には、ゴーン氏がベイルートで会見を開き、日本の司法制度を、「フェアではない、根本的な市民の自由、そして国際的な規範に違反する」と主張する。
 だが、この発言にはゴーン氏の「黒い倫理観」が凝縮していると私は考えている。
 多くの近代国家は「暴力」ではなく「法」によって統治されている。
 その根幹にあるのが「自然権」だ。
 「自然権」とは、法が社会に生まれる以前から人間が持つ、生命、自由、財産、健康などについての権利で、人権はその総称といえるだろう。
 ナチス政権下のドイツや旧ソ連、北朝鮮などの特殊な国家を除いて、自然権は「法」によって保障されている。
 「根本的な市民の自由」を訴えながら「法」を破ったということは、「日本の司法制度」の毀損だ。
 そのことによって日本国民ばかりか、特に「外国籍の在留者」の「生命、自由、財産、健康」を脅かしている。
 今後は「次のゴーン」を生まないために、外国籍の被告に対する保釈条件は厳しくなるばかりか、保釈中の監視も人権を毀損するレベルのものになるだろう。
 1月7日には、森雅子法相が会見を行った。
 法務省がGPS機器を利用した保釈者の監視を検討することばかりか、法相が保釈を規定している刑事訴訟法の改正も視野に入れること、出国審査の厳格化も課題とした。
 もちろんこれらの対応は、日本人にも行われるだろう。
 すなわち、ゴーン氏によって、日本国民が享受していた「自由」は、阻害されたことになる。
 「ゴーン事件」の最大の被害者が皆さん自身であることを自覚しなければならないと、私は考えている。
 だが、極めてロジカルにゴーン氏の事件を分析してきた私だが、今回の逃亡を期に2人の「大物著名人」から名指しで批判されることとなった。
 ご両名への怨嗟はないが、この批判には重要な問題があると私は考えている。
 
  事件の「理解不能」が擁護派を生む
 大物の一人が、ゴーン事件を使って検察批判を展開していた、元検察官で現在は弁護士の郷原信郎氏だ。
 「『有罪率99%は誤解』との見方で『特捜事件』を論じることの“誤解“」と題された署名記事の中で郷原氏は、「検察が起訴する率は63%で、有罪件数を逮捕件数で割ると国際的な平均に近い」という主張に対して反論を試みている。
 「「特捜事件における有罪率」という観点が完全に欠落している」という主張だ。
 百歩譲ってここまではロジカルであることまでは認めよう。
 だが、「『猫組長』という、元暴力団組長という経歴からして日本の刑事司法について語る資格があるとは到底思えない人も、同様のことを言っている」と付け加えた点は驚きだ。
 まさか高名な郷原先生が私を相手にするとは思いもよらなかった。
 ばかりか「日本の刑事司法」を語ることに「資格」がいるということを初めて知ったことは、僥倖というほかない。
 2010年の大阪地検特捜部主任検事証拠改ざん事件などにより、特捜部の「不敗神話」は崩壊した。
 郷原氏が主張するように「特捜部」が問題を抱えていることは、ある部分では事実だと言えるし、それを明らかにする言論には価値もある。
 だがある組織が「問題を抱えている」ということは、「常にミスを犯す」こととイコールではない。
 「不敗」が崩れたことは、この先の「勝率ゼロ」を意味しない。
 検察の問題を明らかにすることと、「ゴーン氏が100%無罪である」ことは別の問題だ。
 そもそも「ゴーン氏が無罪である」という齟齬が生まれる根底には、前述したようにゴーン事件の核心が一般の日本人には理解不能な形で行われたことにあると私は考えている。
 こうした無知が「ゴーン氏はグレー」と判断させ、逃亡した現在でも「推定無罪なのだから人権問題だ」という誤識へと連なっているとしか思えない。
 裏でも表でも国際金融の実務経験者は「SBL/C」という証券が使われた時点で、このゴーン氏が「推定有罪」であることを認識している。
 法律の専門家が国際金融の専門家であるとは考えにくい。
 一方で郷原先生ほどの優秀な弁護士が「検察憎し」の感情に任せて私を批判したとは考えられない。
 「SBL/C」を含めた国際金融の仕組みを理解し、海外の法律を熟知しているからこその「無罪主張」ということなのだろう。

  ゴーンは「反体制のアイコン」か?
 その郷原氏に相乗りする形で、「ゴーン氏が日本の司法制度について語るのは盗人猛々しくて許せないが、元暴力団組長の自分が司法制度を語るのは当然であるという素敵なダブルスタンダードです。猫組長が司法制度を語るのは自由でしょうが、当然ゴーン氏が語るのも自由でしょうし、ゴーン氏が盗人猛々しいなら猫組長も同じでしょう」と、私を批判したのが元新潟県知事の米山隆一氏である。
 本稿程度の言語能力しか有しない私の至らなさか、理解に苦しむ日本語だ。
 こちらも暴力団員だった私の「過去」を問題にしているようではある。
 米山氏は出会い系サイト「ハッピーメール」を通じて女子大生を買春していたことで県知事を辞任した。
 そのような安い遊びをしたことがない私には、それが県知事を投げ出すほどの動機かどうか判断できないし、買春の過去を議論の「資格」とすることもない。
 ただし、現在一般市民である私と、現在「被告」であるゴーン氏を同列に扱うロジックが成立しないことだけは確実だ。
 ゴーン事件による「刑事訴訟法改正」とは、日本国憲法が持っていた「性善説」の方向性を変えるほどの大事態であることを見逃している人はあまりにも多い。
 優秀な政治家であらせられた米山先生が問題にするべきは、ゴーン事件をきっかけに国民の自然権が毀損されつつあることだと私は考えているのだが……。
 国際社会で「日本の司法制度」を批判するゴーン氏の論調は、現在の日本の在り方を批判する層の「アイコン」になっている印象だ。
 政治に夢を抱かない私だが、テロという暴力や外圧によって制度変更を試みることに賛成の立場ではない。
 日本には選挙制度があるのだから、現体制を転覆させたいのであれば選挙を通じて行えばいいだけの話だ。
 傭兵を雇って国外脱出を実現したテロリストレベルの人間を反体制のアイコンとするのは、あまりにも安直だ。
 そんなことで民意を得られると本気で考えているとすれば、それこそ「民意」を馬鹿にしていると言えるだろう。
 そもそもの事件の被害者は日産と投資家だった。
 だが国外逃亡によって日本国民も被害者となったことを忘れてはならない。
 最大多数の被害者の立場から物を考えなければ、「民意」には繋がらないことは「猛々しい」私でさえ理解できるのだが。
 
  「アメリカ」からは逃れられない
 さて、ひとまず日本の司法制度から逃亡した形のゴーン氏だが、蓄えた資金を元手に悠々自適の生活を終生送れるかは不透明だ。
 その理由の一つが、ICPOから出された「赤色手配」である。
 「赤色手配」が出ると、まともな国への入国のハードルは格段に上がる。
 そう言えるのは、私自身「赤色手配」をされた経験があるからだ。
 渡航できるのは、自動車産業など存在しない賄賂の効く貧困国に限定される。
 もう一つは「アメリカ」だ。
 今年9月にゴーン氏はSECと100万ドルで手打ちを行っているが、弘中氏は「米国でSECと裁判で争えば、何倍もの費用がかかる」と説明した。
 まずは「保釈金」から解き明かしていこう。
 「保釈金」は被告の保有している財産を調査して、没収されたら逃走することができない金額を言い渡される。だが、ここに疑義がある。
 19年間も日産に勤め、年収19億円とも言われるゴーン氏にとって本当に15億円が「困る」金額だったのか。
 どう考えてもバランスが合わない。
 導き出されるのは、この「15億円」の元になったのは、日本国内に保有している財産ということだ。
 それはゴーン氏が、海外に財産を逃避させているということでもある。
 こうした時、世界で通用する最も強いマネー「ドル」で蓄えるのが、黒い国際金融に精通した者の常だ。
 そしてアメリカは「ドル」で悪事を働くことを絶対に許さない。
 SECの認定は「結末」ではなく、「はじまり」と考えるべきだ。
 逃亡を首謀したテイラー氏は、政府機関で仕事をした「アメリカを良く知る犯罪者」だ。
 アメリカにとって「敵」となったテイラー氏を使ったことによって、アメリカはゴーン氏の資金監視をますます強化していると考えるべきだろう。
 共犯者の妻でさえ国外移動が難しい状況で、どのように在外資産を守ることができるだろうか。
 SECはアメリカという国の一部でしかない。
 ゴーン氏が海外に逃がした全資産没収のリスクは依然残っているということだ。
 
  最良の就職先は「テロリスト専門の銀行家」
 さらにもう一つはレバノンの国状にある。
 1997年、国際手配を受けてレバノンに潜伏していた日本赤軍メンバー5人が検挙され、禁固3年の判決が確定した。
 出所後、4人は日本に強制送還されたが、岡本公三氏ただ一人だけ政治亡命が認められた。
 イスラエルと対立するレバノンが、岡本氏を反イスラエルの政治犯としたからだ。
 レバノンではイスラエルへの渡航が禁止されている。
 ところが08年ゴーン氏は、レバノン国籍を保有しながら、ルノーの代表としてイスラエルに入国。政府要人と会談している。
 石油を扱っていた私は中東社会で生きた。
 「イスラエル」というのは、アラブ社会では極めてデリケートな存在だ。
 パスポートにイスラエルの入国スタンプがあると、他のイスラム圏の国に入国できないことは多い。
 だから、イスラエルに入国する時には別紙に入国印を押してもらい、再びアラブ社会に入国する時にはそれを一回剥がして審査を受けるほどだ。
 過去のゴーン氏とイスラエルの関係の濃淡が明らかになっていけば、別な罪でレバノンで拘束される可能性は十分にある。
 実際には多面楚歌の状況にあるゴーン氏に必要なのは、自分を守ってくれる強い「暴力」だろう。
 そこで私がお薦めする次の転職先は、テロリスト専門の黒い銀行家だ。
 脱出前にはゴーン氏を「反日」のアイコンとして、韓国や中国の自動車メーカーで雇用するという観測もあった。
 レバノンでの「ゴーン節」が、どれほどメディアで賞賛されても傭兵を雇って国外脱出をする人物に経営を任せる一流企業は存在しない。
 一方で、ゴーン氏が所有しているドルをテロリストは喉から手が出るほど欲しがっている。
 テロリストたちは、いつでもスポンサーがマネーを引き出せるよう「安全」を保障してくれるはずだ。

                                 転載終わり。



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

にっこり微笑みかければ相手を好きだということをそれとなく伝えることになる。

2020年01月24日 23時39分04秒 | VSの日記
 本日1月24日は、ローマ帝国第3代皇帝カリグラがカッシウス・カエレア率いる親衛隊将校に暗殺された日で、箱根・竹ノ下の戦いで足利尊氏が建武新政府に反旗を翻した日で、明徳の乱が終結した日で、江戸幕府が株仲間解散令を発布した日で、カリフォルニアのアメリカン川河底で砂金が発見された日で、幸徳事件で幸徳秋水ら11名の処刑が行われた日で、美濃部亮吉東京都知事が東京都の公営ギャンブル全廃を発表した日で、無人宇宙探査機ボイジャー2号が天王星に最接近した日で、毎日新聞が夕刊社会面で漫画『日出処の天子』の内容は信仰対象を冒涜しているとして法隆寺が抗議を検討しているという談話と作者の山岸凉子・掲載誌である「LaLa」編集部の反論コメントを掲載して(この記事は三者のコメント全てが実際の取材を行わずに記事を書いた毎日新聞奈良支局記者の捏造であり法隆寺側は問題の漫画を読んですらいなかった)捏造記事を発表した日です。

 本日の倉敷は曇りのち晴れでありました。
 最高気温は十四度。最低気温は八度でありました。
 明日は予報では倉敷は晴れたり曇ったりするとなっております。




 先日のこと。
 或るスーパーマーケットにてお買い物をしていた時の事でございます。
 スーパーの中ではお子様達が嬌声を上げながら走り回っていました。
 私は、「お子様達は元気いっぱいですなぁ」と思いながらお買い物をしていたのです。

 不意に、そんな元気いっぱいに走り回っていたお子様の一人と目が合ってしまいました。
 そのお子様は立ち止まって私の顔をぢっと見詰めている……。
 
 私は意識して表情を作らないと能面のような無表情になってしまうそうです。
 それ故、友人や知人に『鉄仮面』とか『般若』とか『アンドロイド』とか呼ばれたりします。
 怯えさせたのかもしんない……。orz。

 笑顔を作ってお子様に笑いかけると、お子様は『びくっ!』とした後に走り去っていきました。
 怯えさせたのかもしんない……。orz。

 日頃から意識して笑顔の仮面を顔に張り付かせておかないと駄目であるな。と思った次第にございます。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『太陽の塔』/森見登美彦

2020年01月24日 22時52分45秒 | 小説・本に関する日記
 昨日の夜は、森見登美彦の小説『太陽の塔』を読み返していました。

 京都大学農学部5回生の主人公は自主休学中。
 かつての恋人である水尾さんを、「何故、彼女は自分を袖にしたのか?」と「何故、自分は彼女に魅かれたのか?」をテーマに研究し観察して240ページ以上のレポートを書きつづけていた。
 水尾さんからは研究停止の宣告を受けたが、彼は水尾さんの研究をやめる気はない。
 ある日、主人公が水尾さんの観察・研究をしているとそれを妨害する男が現れて……。
 第15回日本ファンタジーノベル大賞受賞作で、悶々として煮詰まリ過ぎた学生生活を送っている男子学生の物語です。


 と、あらすじを書いても面白さは全く伝わらないと思います。

 悶々として煮詰まりすぎて訳が分かんなくなって妄想に次ぐ妄想の末に繰り出してくる自己弁護の面白さ。
 下らない論理だけどその下らない論理に筋を通す為に暴走に次ぐ暴走を繰り返す生真面目さ。
 意外と自分達に厳しい主人公達のする必要が全くない苦行の数々。
 つまらない灰色の青春を見事に面白可笑しく描いている莫迦小説です。

 文章が大仰で古めかしくて語彙が豊富で凝っています。
 一人称なので同時に主人公の性格も表現していて楽しくて面白くて切ないです。

 マジックリアリズム的でもありますね。
 その部分を評価されてファンタジー大賞を取ったのでしょうか。

 面白いですよ。
 お勧めです。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

其の疾きこと風の如く、其の徐かなること林の如く、侵掠すること火の如く、知り難きこと陰の如く、動かざること山の如く、動くこと雷霆の如し。

2020年01月23日 23時43分53秒 | VSの日記
 本日1月23日は、空海が綜芸種智院の設立を宣言した日で、後醍醐天皇が花山院を脱出して吉野・金峰山へ入山した日で、明の陝西省で華県地震が起こり83万人が死亡した日で、八甲田雪中行軍遭難事件があった日で、ニホンオオカミの最後1頭が奈良県で捕獲された日で、チャールズ・カーティスがアメリカインディアン出身者で初のアメリカ上院議員となった日で、ベトナム戦争で韓国陸軍首都機械化歩兵師団・猛虎部隊が南ベトナムビンディン省タイソン県タイヴィン村の15集落の村民1200人の虐殺を開始した日で、アメリカ海軍の情報収集艦プエブロが北朝鮮に拿捕された日で、秋葉原通り魔事件の影響で中止していた歩行者天国が再開された日です。

 本日の倉敷は雨のち曇りていましたよ。
 最高気温は十二度。最低気温は六度でありました。
 明日は予報では倉敷は曇りのち晴れとなっております。





 或る夜、ぼんくらな我が友人達と遊んでいた時の事。
 基本的に私達はお互いの恋の話をしません。
 しかしその日は珍しく、友人Aが「私、好きな人が出来ました。てへぺろ」と述べました。

 ひとまず、全員でスルーしました。
 しかし、友人Aは「でもどのようにアタックしてよいのか分からない」と続けます。
 それも我が友人達はスルー。
 友人Aは「好きな人にどのようにしてアタックすればよいのか教えろください」と縋りついてきたので全員で無い知恵を絞りました。
 因みに友人Aは「○○(←狐の本名)は恋の未熟者なので意見は無用です」と述べました。
 おのれ。どんな時でもすかさず私を貶める。見事であります。
 私・狐は意見を求められなかったので体育座りをして皆の意見を拝聴しておりました。

 友人Aの好きな人がどのような人かを一応聞いた後に、友人Bが「とりあえずお酒の席に呼び込め。お酒の力を借りて思いの丈をぶちまけろ。そしてあわよくば押し倒せ!」と提案しました。
 このプランでは、まずお酒の席に呼び込む方法が必要となります。
 お酒の席に呼び込む方法が友人達で検討されました。
 「とりあえずお酒の席に呼び込め。お酒の力を借りて思いの丈をぶちまけろ。そしてあわよくば押し倒せ!」のプランは採用されたようです。
 まぢかよ。力技じゃん。

 友人Cはお酒の席に呼ぶ込む方法として「お酒を呑みに行きませんか? と訊いてみるのでいいんじゃね?」と述べました。
 直球です。漢(←漢と書いておとこと読む)らしい。豪傑の台詞です。
 え? 私の友人達って猛者なの? お互いの恋のお話をほとんどしなかったから知らなかったけど私の友人達って狩人なの? それも力技専門?
 う~む。恐ろしい。

 友人Dは「アタックあるのみ。誘ってみて駄目なら仕方ない。その時は切り替えなさい」と述べました。
 又しても直球。それも剛速球。剛腕であります。
 真理ではあるのですが……。う~む。



 私・狐は訊かれてもいないのに穏健な策として「ばれんたいでーが近いのでばれんたいんの日にチョコレイトを贈ってみては如何でしょうか? チョコを贈ってお相手のお方の反応を見てみては如何でしょうか?」と述べてみました。
 すると、皆からふふんと鼻で笑われてしまいました。
 え? 駄目なの?

 友人達は私を除け者にして友人Aのアタックの方法について議論を続けました。
 我が友人達は皆、即断即決が信条の者達でありますよ。
 回りくどいことをせずに直球勝負で突撃することに決まりました。
 漢らしい……。


 嗚呼。このような発想ができないから私は恋の未熟者と謗られてしまうのでしょうか。
 私も我が友人達のようにありたい。と思った夜なのでございます。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『魔女は三百路から』第4巻/松本救助(著) 原田重光(企画・原案)

2020年01月23日 22時47分15秒 | 漫画・ゲームに関する日記
 昨日の夜は、松本救助(著) 原田重光(企画・原案)の漫画『魔女は三百路から』の第4巻を読んでいました。

 黒川御影は、見た目は地味目なOLのアラサー女性。
 でもその実態は、300回目の誕生日を迎えたばかりの三百路の魔女。
 歴史の裏側で暗躍してきた御影は、今は『おひとり様』暮らしに嵌り、『おひとり様』生活を極めている……。

 300歳独身魔女の生活を描くコメディであります。





 三十路だとギャグにならないかもしれないのですが、300歳だとギャグになるのですね。
 おひとり様で、こじらせっちゃって色々と暴走したり妄想を膨らませたりしちゃうのだけれども……。というお話であります。

 面白かったですよ。
 続きが楽しみです。



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

恋は甘い花である。しかしそれを摘むには恐ろしい断崖の端まで行く勇気がなければならない。

2020年01月22日 23時25分53秒 | VSの日記
 本日1月22日は、孝徳天皇が改新の詔を発布した日で、スイス傭兵の最初の150人がローマ教皇領に到着した日で、神聖ローマ皇帝カール5世がヴォルムス帝国議会を召集してマルティン・ルターを召喚した日で、スペインがイギリス領フォークランド諸島のポート・エグモントを占領した日で、平田篤胤が儒教批判・尊王思想により江戸幕府から著述禁止・江戸退去の命令を受けた日で、ロシア帝国支配下のポーランドで一月蜂起が始まった日で、ロシアの首都サンクトペテルブルクで労働者のデモ隊に軍隊が発砲して1千人以上が死亡した血の日曜日事件が起こった日で、初の国産飛行船である陸軍の雄飛号が所沢・大阪間で実験飛行を行った日で、ソ連の最高指導者レオニード・ブレジネフの暗殺未遂事件が起こった日で、米最高裁が妊娠中絶を規制する米国内法の大部分を違憲無効とする判断を示した日で、ソ連のアフガニスタン侵攻を批判した物理学者アンドレイ・サハロフが閉鎖都市ゴーリキー市へ流刑にされた日で、科学技術庁のホームページが改竄された日で、太陽系外へ向け飛行中の宇宙探査機「パイオニア10号」との通信がこの日の信号を最後に途絶した日で、TBSテレビの情報番組『みのもんたの朝ズバッ!』が番組中に不二家の期限切れ原材料使用問題に関する一連の報道で(事実ではないことを基にして)不二家を不当に批判・非難した日です。

 本日の倉敷は曇りのち雨でありましたよ。
 最高気温は八度。最低気温は一度でありました。
 明日は予報では倉敷は雨となっております。お出かけの際はお気を付けくださいませ。




 狐と狐のお師匠様は群衆の中に居た。
 群集は何れも嬉しそうな顔をしていた。
 其処を通り抜けて人の見えない林の中へ来るまでは会話をする機会がなかつた。
 「戀は罪悪ですか?」と狐は突然お師匠様に訊いた。
 「罪悪です。確かに」と答えた時のお師匠様の語気は強かつた。
 「何故ですか?」
 「何故だか今に解ります。今にではありません。もう解つているはずです。あなたの心はとつくの昔から既に戀で動いているぢやありませんか」
 狐は一応自分の胸の中を調べて見た。
 けれども其処は案外に空虚であつた。思いあたるようなものは何にもなかつた。
 「私の胸の中に此れという目的物は一つもありません。私はお師匠様に何も隠してはいないつもりです」
 「目的物がないから動くのです。目的物があれば落ち付けるだろうと思つて動きたくなるのです」
 「今はそれほど動いちやいません」
 「あなたは物足りない結果私の所に動いて来たぢやありませんか」
 「待つて待つて待つて待つて。そんなんじやないそんなんじやないそんなんじやない。それは戀とは違います」
 「鯉に上る楷段なんです。他者と抱き合う順序としてまず私の所へ動いて来たのです」
 「いやいやいやいや。私には二つのものが全く性質を異にしているように思われます」
 「否、同じです。私はあなたに満足を与えられない人間なのです。それから或る特別の事情があつて尚更あなたに満足を与えられないでいるのです。私は実際お気の毒に思つています。あなたが私から余所へ動いて行くのは仕方がない。私は寧ろそれを希望しているのです。しかし……」
 狐は変に悲しくなつた。分かつてない。お師匠様は全く何も分かつてない。
 「私がお師匠様から離れて行くようにお思いになれば仕方がありませんが、私にそんな気の起つた事はまだありません」
 お師匠様は狐の言葉に耳を貸さなかつた。
 「しかし気を付けないといけない。戀は罪悪なんだから。私の所では満足が得られない代りに危険もないが、君、人に縛られた時の心持を知つていますか?」
 狐は想像で知っていた。
 しかし事実としては知らなかつた。
 何れにしてもお師匠様の言う罪悪という意味は朦朧としてよく解らなかつた。
 その上、狐は少し不愉快になつた。
 お師匠様が仰つていることはまるでピントがずれている。
 「お師匠様。罪悪という意味をもつと判然と言つて聞かして下さい。其れでなければ此の問題を此処で切り上げて下さい。私自身に罪悪という意味が判然と解るまで」
 「悪い事をしました。私はあなたに真実を話している気でいました。ところが実際は、あなたを焦慮していたのです。私は悪い事をしました」
 お師匠様と狐は博物館の裏から街の方角に静かな歩調で歩いて行つた。垣の隙間から広い庭の一部に茂る熊笹が幽邃に見えた。
 「君は私が何故毎月、友人の墓へ参るのか知つていますか?」
 お師匠様の此の問いは全く突然であつた。
 しかもお師匠様は狐がこの問いに対して答えられないという事もよく承知していた。
 狐は暫く返事をしなかつた。
 するとお師匠様は始めて気が付いたようにこう言つた。
 「また悪い事を言いました。焦慮せるのが悪いと思つて説明しようとすると其の説明が又あなたを焦慮せるような結果になります。どうも仕方がありません。此の問題はこれで止めましやう。とにかく戀は罪悪ですよ、よいですか。そうして神聖なものですよ」
 狐にはお師匠様の話がますます解らなくなつた。
 然しお師匠様はそれぎり戀を口にしなかつた。



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『ビザンチウム 』

2020年01月22日 23時06分16秒 | 映画・ドラマに関する日記

 昨日の夜は、映画『ビザンチウム』のDVDを観ていました。

 エレノアとクララは放浪の末、海辺のリゾート地に辿り着く。
 年上のクララは内気な青年・ノエルを丸め込み、彼が相続したゲストハウス『ビザンチウム』にエレノアと共に潜り込む。  
 エレノアはウェイターのフランクと知り合う。
 秘密を抱えるエレノアはフランクを拒絶するのだが……。

 監督は、ニール・ジョーダン。
 出演者は、シアーシャ・ローナン、ジェマ・アータートン、サム・ライリー、ジョニー・リー・ミラー、ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ、ダニエル・メイズ、マリア・ドイル・ケネディ、ウォーレン・ブラウン、トゥーレ・リントハート、トム・ホランダー、など。
 吸血鬼の母娘を主人公としたモイラ・バフィーニ作の舞台劇を映画化したイギリス・アイルランドのファンタジー・スリラー映画です。



 吸血鬼の少女と人間の青年との恋物語のフリをした母娘のお話。
 子離れ親離れのお話で自立のお話でもあります。
 耽美で儚げで切ないお話でありました。
 面白かったですよ。
 堪能いたしました。



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

甘えを捨てろ! 甘い物も捨てろ!

2020年01月21日 23時09分09秒 | VSの日記
 本日1月21日は、鑑真が仏舎利を携え薩摩坊津に来日した日で、鎌倉幕府が鎮西奉行を設置した日で、フレンチ・インディアン戦争のかんじきの戦いが起こった日で、フランス国王ルイ16世が断頭台で処刑された日で、ロンドン海軍軍縮会議が始まった日で、衆議院本会議において浜田国松が軍部を批判した日で、日本の貨客船「浅間丸」が房総半島沖でイギリス海軍の軽巡洋艦「リヴァプール」の臨検を受けて当時イギリスと交戦中のドイツ人乗客21名が連行された日で、札幌市警警備課長・白鳥一雄警部が帰宅途中で射殺される白鳥事件が起こった日で、ベトナム戦争のケサンの戦いが始まった日で、イギリスとフランスが共同開発した超音速旅客機のコンコルドが定期運航を開始した日です。

 本日の倉敷は晴れていましたよ。
 最高気温は十一度。最低気温は四度でありました。
 明日は予報では倉敷は曇りとなっています。



 たりらりんと仕事帰りに歩いていた或る夜のこと。
 狐は友人達の待ち伏せに遭いました。
 君達。事前に連絡を入れなよ。お願いだから。私にも都合があるのだよ。暇ではないのだよ。
 まずは「ご機嫌如何?」と挨拶をせねばなりません。
 「ご機嫌如何?」と挨拶した後に友人達に対応しました。

 友人達は、「君はダイエットをしているそうだね!」「ダイエット作戦を決行中だそうだね!」「そんな君に陣中見舞いに来たのだ!」「お見舞いをお見舞いするのです!」と云うのです。
 友人達は一人の時はおとなしいのに4人揃うと変てこな方向で息がぴったり。
 私に隠れて台詞回しの練習でもしているのかしらん?
 そして私がダイエットを始めたことを何で知っているのだろ?
 何処から聞きつけてくるのだろ?
 「我等の情報源については内緒だ!」「君のことは全てまるっとお見通しだ!」「我等に隠し事はできぬぞ!」「観念するのです!」
 むぅ。内緒かぁ。でもって全てまるっとお見通しなのかぁ。恐ろしい。

 友人達は、「我らはダイエットをしている君に陣中見舞いを持ってきたのだ!」「有り難く受け取るがよい!」「ケーキとドーナツが山盛りだ!」「お見舞いをお見舞いするのです!」と述べました。
 ちょっと待てこら。ダイエットしている者に対してだ。陣中見舞いにケーキとドーナツとは如何なる料簡か! 邪魔する気満々ではないか!
 「直ちに君の部屋に向かうぞ!」「今宵は君の部屋で遊ぶぞ!」「君の部屋で我らをもてなすがよい!」「おもてなしするのです!」
 いやいやいやいやいやいやいやいや。私は暇ではないのですよ。いきなり遊びに誘われても今は無理なのですよ。帰れよ。
 「君の意見は聞いていません!」「今日は君の部屋で遊び倒すぞ!」「断固として直ちに君の部屋に向かいます!」「観念するのです!」と言うのです。
 勘弁してください。私は今は甘いものなど見たくはないのです。帰れ。
 「問答無用です!」「今宵は甘いものを貪り食うぞ!」「君の部屋で我らをもてなすのだ!」「観念するのです!」
 まぢで私の部屋に来る気なのですか?
 「まぢです!」「本気と書いてまぢです!」「私達はいつでも本気です!」「観念するのです!」
 さすがは我が友人達。人の都合などお構いなしに清々しいほど欲望に忠実で尚且つ容赦ない。天晴な生き方です。

 私・狐は友人達に腕をがしっと掴まれて、私の部屋に連れていかれてしまいました。私の部屋なのに。
 そして友人達がケーキとドーナツを貪り食うさまを見せつけられて悶絶してしまいました。
 友人達は高嗤いを上げながら私が悶絶しているさまを見ていましたよ。

 無念であります。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『硝子のハンマー』/貴志祐介

2020年01月21日 22時14分03秒 | 小説・本に関する日記
 昨日の夜は、貴志祐介の小説『硝子のハンマー』を読み返していました。

 厳重なセキュリティーで防備されたオフィスビルの社長室で社長は撲殺された。
 しかし殺害方法が分からないし、凶器も見つからない。
 隣の部屋で仮眠をとっていた専務が逮捕される。
 しかし専務は容疑を否認している。
 弁護を担当することになった青砥純子は、専務以外の誰かがセキュリティー網を掻い潜って社長室に侵入する方法があるか調べる為、防犯コンサルタントの男の許を訪れる……。
 ミステリ小説であります。

 二部形式で、一部では防犯コンサルタントの男と弁護士の女の仮説と検証が繰り返されます。
 一部の終わりまでに推理する為の材料は全て提出されます。
 防犯コンサルタントの男と弁護士の女の掛け合いは面白いです。
 二部では、犯人の倒叙形式。
 二部の最初で犯人が提示。
 物語は犯人の動機とトリックに焦点が移ります。
 トリックは斬新。
 専門知識がないと思い付かないのでは……。

 面白かったですよ。
 楽しめました。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

自然は私達にどんな生物でも「引きこもる」ことが必要だと教えてくれる。熊は冬眠する。猫は見えないところを這っていく。植物でさえ冬の間は姿を消す。来たるべき春に備えて命の洗濯をするのがこの時期なのである。

2020年01月21日 11時27分31秒 | 休日の日記
 本日は私はお仕事がお休みの日であります。
 今日は午前中はお部屋の中でふにゃふにゃしております。
 午後からは雑事をばったばったと片付ける為にお出かけしてきます。
 嗚呼。お部屋の中に籠っていたい……。

 では皆様。
 素敵な火曜日をお過ごしくださいませ。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

広葉満作(ヒロハマンサク)その11。

2020年01月20日 22時59分52秒 | お花に関する日記
 本日1月20日は、鎌倉幕府が評定衆を設置した日で、イギリスが香港を占領した日で、マサチューセッツ州スプリングフィールドのYMCA訓練校で同校講師ジェームズ・ネイスミスが考案したバスケットボールの初の公式試合が行われた日で、第一次国共合作が成立した日で、日ソ基本条約が締結された日で、ヴァンゼー会議でホロコーストが最終決定された日で、イギリス空軍がベルリンを空襲した日で、将棋の王将戦で升田幸三が大山康晴名人を相手に香を引いて勝利した日で、東大紛争で東京大学が入学試験の中止を決定した日で、奈良市で『古事記』の編者太安万侶の墓誌が出土した日で、ジミー・カーター米大統領がモスクワオリンピックボイコットの方針をアメリカオリンピック委員会に伝達しやがった日で、イランアメリカ大使館人質事件の人質52人が444日ぶりに解放された日で、ズ・ダン号事件が発生した日で、覆面を被ったISILのメンバーが72時間以内に身代金約230億円の支払いがないと人質2名を殺害すると述べている動画が公開された日で、玉の輿の日です。

 本日の倉敷は晴れでありましたよ。
 最高気温は十二度。最低気温は五度でありました。
 明日も予報では倉敷は晴れとなっております。


 上の写真に写っているお花は、広葉満作(ヒロハマンサク)です。
 広葉満作のお花に関しては、2019年1月23日の記事2018年2月2日の記事2017年01月27日の記事2016年1月25日の記事2015年2月4日の記事2014年2月2日の記事2013年2月2日の記事2012年2月10日の記事2011年2月8日の記事2010年1月21日の記事2009年1月27日の記事もよろしかったらご覧下さいませ。
 2019年と2018年と2017年と2016年と2015年と2014年と2013年と2012年と2011年と2010年と2009年の広葉満作のお花の記事です。



 広葉満作のお花の花言葉は、「早い者勝ち」です。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『アストラル・アブノーマル鈴木さん』

2020年01月20日 22時13分50秒 | 映画・ドラマに関する日記
 昨日の夜は、映画『アストラル・アブノーマル鈴木さん』のDVDを観ていました。

 鈴木ララは、エスカレーターもWi-Fiスポットもない田舎町で、シングルマザーの久美子と引きこもりの弟ルルオと同居し、塾の講師をしたりYouTubeに動画を投稿したりしていた。
 ある日、撮影クルーを引き連れたテレビディレクターの神野が彼女のもとを訪れることになった。
 ララはYouTubeでの自分の活動をTVが取材しに来たと思い……。

 監督は、大野大輔。
 出演者は、松本穂香、西山繭子、田中偉登、広山詞葉、谷のばら、大沼遼平、木村知貴、中沢健、三坂知絵子、松井理子、大野大輔、根矢涼香、加藤啓、など。
 YouTubeのエンターテインメントチャンネル AlphaBoat Stories でアップロードされたコメディードラマの劇場版だそうです。



 人生を1点賭けしてしくじってしまった……と思っている女性のお話。
 もしくは、上手い敗北をすることができなかった為、色々とこじらせてしまった女性のお話。
 もしくは、最初から何かを失っている人達のお話であります。
 コメディなのでハチャメチャであります。

 面白かったですよ。
 楽しめました。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする