東堂の提案で文字列の並びを紙に書き写し、森田屋の二階で紙の写しを使ってどうにか覚えようとする常子。鞠子もこれまで以上に勉強に集中し、大学受験に備えていた。と、美子が団扇で二人を扇いできた。「私の事は気にしないで」妙に物分かりのいい美子。「ありがとうよっちゃん」素直に応援を喜ぶ常子。「ありがとう」鞠子も勉強に専念した。
その後「どうなんだい?」「この調子なら二人とも大丈夫だと思います」美子は滝子の元でカステラを頬張っていた。どうも滝子に頼まれて『偵察』していたらしい。と、滝子は美子のお絵描き用筆入れが随分古びていることに気がついた。筆入れも服もどれも姉達のお古だという。滝子は思うところがあるようだった。
連日のタイプ修行で寝不足の常子がフラフラしていると「結婚が決まったの」不意に綾が言ってきた。「聞いてないけど?!」驚く常子。「言ってないもの」あっさりしている綾。医大生らしいが、親が決めた事でまだ会ったこともないという。少し怖いという綾を常子は心配したが「あなたの方が心配だわ。体、壊さないように気を付けてね」と反って綾の方が常子を力付けてきた。
常子のタイピング修行は続き、滝子が古びた筆入れに飾りを兼ねた止め紐を付け「こうすれば美子だけの筆入れだろ?」と言って美子を喜ばせ、弟が軍に入った星野が弟の代わりに両親を支えるべきかと大学で研究を続けるべきか就職すべきか悩んでいることを常子に打ち明け、常子が今後を不安がり檜に成れない翌檜の話を「可哀想」と言うと「翌檜は翌檜で僕は大好きです」と星野が励ます等、常子と周囲の人々の日々は過ぎてゆき、十二月、いよいよ就職試験当日となった。
竹蔵の遺影に手を合わせ、鞠子、君子、美子に見送られ「行って参ります!」常子は会場に向かっていった。
・・・檜に成ろうではなく翌檜もいいぜというスタンス。
その後「どうなんだい?」「この調子なら二人とも大丈夫だと思います」美子は滝子の元でカステラを頬張っていた。どうも滝子に頼まれて『偵察』していたらしい。と、滝子は美子のお絵描き用筆入れが随分古びていることに気がついた。筆入れも服もどれも姉達のお古だという。滝子は思うところがあるようだった。
連日のタイプ修行で寝不足の常子がフラフラしていると「結婚が決まったの」不意に綾が言ってきた。「聞いてないけど?!」驚く常子。「言ってないもの」あっさりしている綾。医大生らしいが、親が決めた事でまだ会ったこともないという。少し怖いという綾を常子は心配したが「あなたの方が心配だわ。体、壊さないように気を付けてね」と反って綾の方が常子を力付けてきた。
常子のタイピング修行は続き、滝子が古びた筆入れに飾りを兼ねた止め紐を付け「こうすれば美子だけの筆入れだろ?」と言って美子を喜ばせ、弟が軍に入った星野が弟の代わりに両親を支えるべきかと大学で研究を続けるべきか就職すべきか悩んでいることを常子に打ち明け、常子が今後を不安がり檜に成れない翌檜の話を「可哀想」と言うと「翌檜は翌檜で僕は大好きです」と星野が励ます等、常子と周囲の人々の日々は過ぎてゆき、十二月、いよいよ就職試験当日となった。
竹蔵の遺影に手を合わせ、鞠子、君子、美子に見送られ「行って参ります!」常子は会場に向かっていった。
・・・檜に成ろうではなく翌檜もいいぜというスタンス。
沼田が中田の生い立ちを少し知っている上になまじ読み解けるからネームにパニクってしまってね。隠しても、それを師匠に見破られた上に師匠に庇ってもらっちゃって、庇われるまま何もできずにいる辺りでもうアウトになってたな。沼田は『ちゃんとした人』だし。後はもう中田の視界にも入ってないと確認して、ずっと待っていた『わかってくれる人』がまさに中田で、地味に老いた親から送られた家業で作ったいい酒も手元にあり『ここで終わっていい』御膳立てが揃っちゃった。いつかいつかいつかいつか・・・・か。確かに過ぎるよね、時間。東京は特に竜宮城みたいなところがある。最後までザックリと綺麗に止めを刺してくれる中田だった。
そして実績はあったが『ちゃんと終われなかった人』の末路も同じ回に登場。ぴょん吉の漫画家がモデル? モデルの人の人生が子供達のその後の展開を含めてドラマチック過ぎるからある一部分を切り取ったくらいかな? 娘が段々と気を許してゆく過程が丁寧でスムーズだった。あ、気を許すというより、いい子だから善人相手に長く接しているとつんけんし続けるのに自分で笑っちゃったんだな。沼田は『特別でいたかった』があの子は『普通がいい』と言う。二人とも無い物ねだり。沼田は漫画家になれず、あの子も家族の時間は戻らない。ぴょん吉の作者の娘は自分で漫画描いちゃうもんね。それぞれ選んだり選ばれた道の中で折り合いをつけてくしかないんだろう。
次回は中田が自分の才能の根幹の『傷』と向き合う回でもあるようだ。落ちぶれたアル中の元漫画家も含め、まだ描けたらそれがいいね。
そして実績はあったが『ちゃんと終われなかった人』の末路も同じ回に登場。ぴょん吉の漫画家がモデル? モデルの人の人生が子供達のその後の展開を含めてドラマチック過ぎるからある一部分を切り取ったくらいかな? 娘が段々と気を許してゆく過程が丁寧でスムーズだった。あ、気を許すというより、いい子だから善人相手に長く接しているとつんけんし続けるのに自分で笑っちゃったんだな。沼田は『特別でいたかった』があの子は『普通がいい』と言う。二人とも無い物ねだり。沼田は漫画家になれず、あの子も家族の時間は戻らない。ぴょん吉の作者の娘は自分で漫画描いちゃうもんね。それぞれ選んだり選ばれた道の中で折り合いをつけてくしかないんだろう。
次回は中田が自分の才能の根幹の『傷』と向き合う回でもあるようだ。落ちぶれたアル中の元漫画家も含め、まだ描けたらそれがいいね。