


序盤戸惑ったが、友達の一人が裏切り一気に人物達が巻き込まれていってからはなるほど、と。ハズレの過去がそこそこ容赦ない。こういう『不思議な女の子』が優しい世界で救済されるのは童話の定番で、近年ドラマ化されることが多い黒柳徹子の半生では基本的にポジティブな部分をピックアップして物語を作っていることもあって『個性的っ! いいねっ!』に終始するようなところはあった。それは悪いことじゃあないのだが、殆どの『不思議な女の子』や『不思議な子供達』は救われないか、可もなく不可もなく戸惑いながら子供ではなくなってゆくはず。症状が酷ければそれどころでもなく、物語としての美化も難しい。犯罪も起こる。最後まで関係者の誰一人救われない結末も少なくない。その上で、改めて肯定されなかった子達を肯定するには一回否定された事実を認める物語が必要だったのかもしれない。女の子の名前が奪われ、それを『男の子』が奪い返してくれる構図は千と千尋の神隠しを思わせたな。色々主旨は違うだろうけど。千尋はある意味合理的な契約だが、ハズレのは悪意の暴虐そのものだったしね。ともかく1話にして一応は救われた。ここからハズレことハリカや他の癖の強そうな人物達が贋札騒動にどう関わってゆくのか? 意外な程豪腕で展開してゆきそうな流れもあるにはあったが、行く末を見届けたい。