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野に撃沈2

多摩地区在住の中年日帰り放浪者。(k10D→k7→k30→)k‐5Ⅱsを忍ばせ、人気のない野山や公園、路地裏を彷徨い歩く

花之江の郷

2010-05-08 | 植物園
 日光の帰りは栃木市の北にある花之江の郷に寄った。花之江の郷は16000坪の広い園内に、約800種の山野草を中心とした、四季折々の里山の風景を見られる希少な自然植物園である。

 入口はいかにも自然園といった雰囲気



 4つの区画に分けられたうちの山ゾーンへ。カタクリやニリンソウ、ショウジョウバカマといった早春のエフェメラルはほとんど終わっている。
シラユキゲシ



 この時期の中心は、エビネとイカリソウ









 ヤマオダマキやマムシグサも目立った。






 クマガイソウやヤマシャクヤクも咲いていた。









 郷ゾーンから林ゾーンへ。オトコヨウゾメ








 スイレン池の畔に立つ洗心亭



 トウゴクサバナノオ






 ツルハナシノブは優雅な和名をもつが原産地は北米








 斑入りのアマドコロ



 白咲きのタイツリソウ



 センダイハギ



 林ゾーンを抜けた先には広々とした風景が広がっている。ここは初夏の花菖蒲と秋のミソハギ、オミナエシの群落が見事








 花菖蒲は今青青とした葉を茂らせ開花を準備中





 シデザクラが陽光を浴びていた。



 シロヤマブキにはまだ前年の黒い実がついている。




 絞り咲きのスミレ




 一周して入口近くの郷ゾーンへと戻ってきた。一帯にはクリンソウやサクラソウの群落がみられる。








 頭上にはウワミズザクラ




 オオデマリが白くなるのはもう間もなくだ。



日光植物園に咲く花

2010-05-06 | 植物園
   <女峰山を背景にした日光植物園の実験室>


 一年ぶりに日光植物園を訪ねた。入園と同時に両側のアズマシャクナゲが迎えてくれる。



 コミヤカカタバミも花弁を精いっぱい広げて、梢から洩れるやわらかい春の日差しを浴びている。



 よく見るとイカリソウやコキンバイといった花もその傍らでひっそりと咲いている。




 これはバイカイカリソウ




 八重咲きのコキンバイ



 見上げると小さな花弁をもつ日光桜が咲いていた。




 この時期園内で一番よく見かける花はトキワナズナ、ヒナソウの別名もある。。北米原産の花らしいが、ここでは野草化した帰化植物のように園全体で見られた。



 ハルトラノオ



 ショウジョウバカマ



 カタクリの咲きのこり



 躑躅の花も咲きだしている。アカヤシオ、ナンゴクミツバツツジ、ヤマツツジと園内を様々な色合いで華やかに彩っている。これはヒカゲツツジ



 ヤマドリゼンマイの芽



 リョクガクザクラ。花の中央、蕊の根元の緑色の五芒星が美しい。




 アメリカ原産の黄色いミズバショウ






 リュウキンカに似ているがこれはエンコウソウ(猿猴草)、名は水面を長く這う茎からつけられた。




 ザゼンソウ




 ハウチワカエデの花は初めて見た。







 シキミの花



 日光市内へと注ぐ大谷川の対岸沿い、含満ヶ淵にある化け地蔵






 さらに奥に進んでいくと、旧田母沢御用邸だった名残を示す塀を越える。藪の中にヘビが逃げて行った。以前来た時はこの辺りで野生の猿を見かけたこともあった。



 広いミズバショウ池がある。水面を春の陽気に誘われのか、蝶やトンボが羽をきらめかして飛び交っている。




 ミズバショウ




 白い苞のない花穂だけのミズバショウ



 さらに奥に進み通御橋を渡る 。園内を流れる田母沢川は寂光の滝から流れ落ちてきたものだ。川面に踊る光の子たちを両脇に咲くヤマザクラやクロモジの花たちが見守っている。



 橋を渡った先は自然林となっている。林下には数種のスミレやネネコノメソウ、ニリンソウ等が咲いていた。
 コガネネコノメ







 繊細なシラネセンキュウの花



 一周して実験室のある所まで戻ってきた。背後に聳える白い頂の女峰(にょほう)山が美しい。




 閉園時間(この日は午後4時半)まであと15分ほどだ。残りの時間を惜しんで、芝生越しに鳴虫山の麓に咲く山桜や枝垂れ桜を見て過ごした。





 この辺で。

アカヤシオ咲く日光の月山

2010-05-04 | 登山
 月山というと山形にある出羽三山の一つ月山を思い浮かべる方が殆どだろう。日光にある月山は勿論それほど有名でもなく、栃木百名山の47座とはいうものの地味な1300mにも満たない低山だ。が、5月初旬のこの時期だけは、このさして取り柄もなさそうな山に結構な数の登山者が訪れる。目当ては満開になると全山を覆うというアカヤシオ躑躅を見るためだ。


 5月2日、自宅を朝早く出発し一般道を乗り継ぎ、麓の広い駐車場に着いたのは9時を廻ったばかり。既に駐車場には10台近くの車が停められている。



 西側には日光連山がみえる。



 早速軽装のまま幅広い林道を登り始めた。あちらこちらでウグイスのさえずりが聞こえる。双眼鏡で姿を探すのだが一向に見つからない。






 一羽枝先で囀る野鳥を見たが種類までは分からない



 20分ほどでバーベキュー広場へ



 そろそろ斜面にピンク色が目に付くようになってきた。



 左手の急な崖にとりついてここから登山道が始まった。フサザクラが咲きだしたばかりで、奥多摩の低山に比べ一か月ほど季節が巻き戻されている。



 ところどころアカヤシオの花は見られるものの蕾が殆ど。毎年登る地元の人たちは今年は10日は遅れていると嘆いていいる。







 こずえの間から女峰山をはじめとする日光連山が覗ける。








 覗けるのは山や花だけではない。日陰の斜面には残雪もちらほら見えている。



 時折見え隠れする狭い登山道を登りながら何とか稜線に辿りついた。辺りは笹やぶに変わった。山道の脇に可憐なショウジョウバカマが咲いていた。









 登山口から登り始めて40分、あっという間に頂上についた。狭い頂上では10人ばかり先客がいた。






 北東側の展望




 北西側



 腰掛ける場所もないほどなので、展望をしばし楽しんだ後はすぐに下山。途中で右に折れダム側のコースに入った。



 北側の斜面はまだ緑に乏しく、雪が解けたばかりのようで奥多摩の3月頃の雰囲気とそっくりだ。






 眼下に見えるのは栗山ダム。



 結構急な下りを30分ほど下った所で開かれたダムサイトに出た。




 カラマツの新緑がやわらかな春の日差しを浴びている。



 足元には咲きだしたフデリンドウやスミレが見えるようになってきた。






 再び駐車場に戻ってきたのは11時半を廻った頃、登り下り2時間余のあっという間の登山だった。期待していた全山のアカヤシオを見ることはかなわなかったが、それは次回の楽しみに取って置くことにして、幸いにも天気にも恵まれ、気持ちの良い春先の山行を楽しめた。


 帰りの霧降高原道路の六方沢橋から登ってきたばかりの月山が望めた。

 (画面中央に栗山ダム、その右側の頂が月山、左が夫婦山)


 この日の午後立ち寄った日光植物園は次回にまわそう。ではこの辺で。

5月の植物園

2010-05-01 | 植物園
 節季も穀雨から立夏に変わる5月、植物たちの顔ぶれも多彩になる季節だ。都内板橋区にある赤塚植物園を訪ねた。


 ハクサンボクは暖地の沿海地に生える常緑低木。本州では山口県のみ分布する。



 早春ミズバショウの脇でよく見かけるリュウキンカ






 シャガやムラサキハナナはは街中でもよく見かける。







 山野草の道を歩く。これは珍しい、サトイモ科のユキモチソウだ。私は植物園でしか見たことがない。



 エビネ



 シライトソウ



 キバナホウチャクソウ



 これは白花のラショウモンカズラ



 オドリコソウは見事な群生を作っていた。







 この時期は木に咲く花も多い。ヤマシャクヤクは奥多摩の山で一度見かけたきり。



 アケビの花



 ヤマグルマは別名トリモチの木



 シャクナゲ




 ハナイカダも小さな花をつけている。



 奥多摩や秩父の山地でよく見かけるツクバネウツギ



 花神ともいわれる牡丹は和傘つきで貴婦人のようだ。



 白藤も花穂が綻びはじめたようだ。



 ハンカチの木。まだ緑色を残しているが、もう少しすると真っ白になる。




 コクサギ(小臭木)は枝や葉に特有の臭気があるためについた和名でミカン科の木だ。



 クレマチスの咲く季節になった。これは品種名を星のフラメンコというそうだ。



 ヤマブキの八重咲き



 こちらはシロヤマブキ



 池のほとりではミツガシワが一株だけ花を咲かせていた。



 野川の観察園に寄ってみた。
フデリンドウが咲きのこっていた。こんなにまとまって咲いているのは珍しい。



 ホタルカズラはムラサキ科の花で、日当たりのよい乾いた山地に生える。花の色は咲き始めの赤紫から次第に青紫に変わっていく。



 4月の終わりから5月の初めにかけてはラン科の花が咲き始める。殆どの花は自生している姿を見るのが困難になっているが、キンランは結構自然の姿で見ることができる。



 コンロンソウは山地または谷沿いに生えるアブラナ科の花



 クリンソウ。こんな派手な花だが、奥秩父の山を歩いていると谷沿いの湿った所に生えているのを見ることができる。





 咲きだしたウワミズザクラ



 新緑も深みを増し、やがて季節は夏へと変わっていく。梅の実がひそかに色づき膨らんでいく中、一年中で生きることを一番素直に喜べる、とびきりの爽やかな季節を迎える。