nemo 折々の自然

折に触れて観察した自然などの記録

美 瑛

2011-07-20 00:00:00 | 旅行記
 今日の出発は10時と遅いので、朝食の後ホテルのガーデン内にある風のガーデンを見物する。
 今日も青空が広がり好天気。
 昨日と異なり蒸し暑さがなく、爽やかな風が吹き、どうにか北海道らしさを味わうことができそうだ。
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風のガーデン
 新富良野プリンスホテルのピクニックガーデン内に造られた約2000�の庭。
 富良野北の峰の山裾にあるグラスガーデンを眺めながら小道を歩くと、その先に、ドラマの舞台となった風のガーデンが広がります。
 2008年10月よりテレビ放映されていた『風のガーデン』は『北の国から』、『優しい時間』に続く“富良野三部作・最終章”として作られました。
 富良野を舞台とし広大なブリティッシュガーデンを2年がかりで造成。
 主人公の家族が育てたこのガーデンには、 計365種類の花が季節ごとに咲き、美しい癒しの風景が楽しめ、またハウス内はドラマを再現するセッ
 トとなっています。
 庭の一角にはグリーンハウスが建ち、ドラマ撮影時そのままのセットを見学することができます。
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Img_2445 Img_2466 ホテル前の林の中の道を進むと、パークゴルフと
 風のガーデンの受付があり、入場券を購入。
 待ち受けていた7人乗りの車でバークゴルフ場の
 中を5分ほど通ってガーデンの入口に到着。
 ここにガブリエルの家がある。
 ガブリエルの家では、ドラマで使用されたエプロ
 ン、押し花機、ハーブティの他『風のガーデン』
 オリジナルグッズを販売している。
 その奥にあるガブリエルの別宅は、ガーデンツー
 ルや肥料など本格的なガーデンショップとなって
 いる。
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 ガーデンの入口には植物で造られたメインアーチがあり、その先一面に季節の花々が咲き競っています。

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 ガーデンの奥にはグリーンハウスがある。
 この室内には、白鳥家がそこに暮らしていたドラマ内の状態のまま残されているとのことだ。
 ドラマを見ていない者にとっては、洒落たセカンドハウスといった感じであったが……。

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 ガーデン内では多くの蝶類が飛んでいたが、カメラに収めることが難しく、結局画像の幼虫と成蝶の3枚の画像のみだった。      
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Img_2467 最後にルイの苗床の前に広がる花畑の中からホテルを眺めて部屋へ戻る。
 この間1時間余りだったが、いささか花疲れを覚えるほどだった。
 期待した野鳥は、鳴声は聞こえたもののその姿を見ることはできなかった。
ルイの苗床
 ここでは北海道ガーデンならではの美しい花の苗を200種類以上販売している。
 また岳の苗床では、富良野自然塾で実生から育てた木の苗を販売している。
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 今日のバスの座席は最後部。参加者が38名なので、一番後の席が空いているので、一人掛けでゆっ
 たりできる。とは言っても目的地へ着いて降りるのに時間がかかり、その分観光時間が少なくなる
 のが玉に瑕だ。
 【プレミアムステージ】という名のツアーなので、20人程度のものと考えていたが、何のことはな
 い。料金が高いだけで参加人数は一般コースと変わりがないのだ。
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Gotou1380x285_2 Img_2468_2 それはともかく、今日の最初の訪問先は上富良野
 の丘陵地帯の畑の真ん中にある後藤純男美術館。
 美術館周辺の大きなスケールの景観が素晴らしく、
 思わず魅入られてしまうほどだ。
後藤純男美術館
 十勝岳の麓に位置する北海道上富良野町。
 昭和62年(1987)、北海道の厳しい自然に惹かれ
 た日本画家・後藤純男は、道内取材の拠点として
 同所にアトリエを構え、これをきっかけに、平成
 9年(1997)9月、美術館が開館しました。
 平成14年(2002)6月には新館が完成し、展示室
 が大幅に拡充されたほか、2階には十勝岳連峰を望めるレストランと資料室がオープン。
 新館と旧館を合わせ約600平方メートルある展示スペースでは、展覧会に出品される主要作品の多くを見ることができます。
       *                                            冬の斜里岳
1010918_1862_1 Work03 後藤純男は1930年千葉県の真言宗仏門に生まれ、
 16歳で山本丘人に師事。
 のち田中青坪のもとで日本画を修業。
 1952年院展で「風景」が初入選。
 その後、日本美術院賞(大観賞)や内閣総理大臣
 賞など多くの賞を受け、日本美術院の中心的な画
 家として活躍。
 1988年から1997年まで東京芸術大学教授として
 後進を指導。
 現在は日本美術院同人理事、中国西安美術学院名
 誉教授として国際貢献に努力し、また美術館に併設されたアトリエで創作活動に励む。
 若き頃「圧倒的な存在感に打ちのめされた」層雲峡。佛徒でもある画家の鍛え抜かれた精神が呼応し、生まれた一連の渓谷風景で、日本画壇に頭
 角を現した画家は『日本の風景美』を求め全国を巡った。
 爛漫の春、緑美しい夏、紅葉が錦織りなす秋、しんしんと降る雪に心洗われる冬。
 写実と精神世界を自在に往来する画家が最後に選んだのは北の大地だった。   【美術館パンフレツトより】   
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 日本の四季を彩る風景画に魅惑された後、2階のレストランで昼食。
 ここからの長閑な丘陵地帯の眺めが素晴らしく、ちょうど窓枠が額縁となって一幅の絵となっており、食事を楽しみながら贅沢な一時を過す。
 メニューは、コーンスープ、富良野和牛合挽き肉のハンバーグ、ジャガイモのオーブン焼き、南瓜のアンチョビとガーリック焼き、ブロッコリ
 ー・クリーミーソース、メロンのブィヨン煮、野菜サラダ、そして上富良野産ほしのゆめのライス。飲み物は富良野産地ビールと言うことなし。
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Img_2523_2 午後はJR富良野駅から富良野・美瑛ノロッコ号に乗車。

富良野・美瑛ノロッコ号
 ラベンダー咲き乱れる富良野・美瑛の丘や大雪の山並みを眺めながら走るトロッコ列車です。
 6月から10月の期間限定運行で、期間中には臨時駅「ラベンダー畑駅」が登場。
 ただし我々はその駅の先から乗車したので、ラベンダー畑を見ることはできなかった。

Img_2472  我々の指定席に中国の団体が乗っていて、その方々が別の車
 輛へ移動するのに大騒ぎとなる。
 その団体は次の美馬牛駅で下車、駅前には数台の観光バスが
 待っているという大グループだった。
 沿線の丘陵地帯の眺めが見物で、特に景観の良い場所では徐
 行するというサービスぶりだった。
 僅か30分足らずで終点の美瑛駅に到着。ここから折返す列
 車に乗る観光客も多かった。

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 美瑛駅で待ち受けていたバスに乗り、四季彩の丘に向かう。
 途中『フラノーブル』でショッピング・タイム兼トイレ休憩。
 渇いた喉に冷たいメロンが美味しかった。

四季彩の丘
 展望花畑 四季彩の丘は、展望が素晴らしい『丘のまち びえい』に 7 haもの広さを有しています。
 春から秋までの花の季節には、数十種類の草花が咲き乱れる、花の楽園です。
 ここの入園料は無料ですが、素晴らしい花々を観て感動された方は志を戴ければと案内にありました。
 入園すると団体の記念写真を撮る。この古くからある風習は何時まで続くのだろうか ?
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Img_2524Img_2526  ここでの自由時間は40分、とても全部は歩くことができ
 ないので、トラクターの『ノロッコ号』(JRと同じ名
 前だったが、こちらの方がローカル色たっぶりで楽しめ
 た)に乗り一周することになる。  
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 丘陵地帯に広がる花畑は正に見頃、広大な傾斜地にある
 ので一段と見栄えがする。
 トラクターの運転手さんのユーモアたっぷりのガイドに、笑いが絶えない。
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Img_2483 20110720141704 四季彩の丘で一番のビューポイントでトラクター
 を止め、ゆっくり写真を撮りなさいと勧めてくれ
 る。
 花はルピナス、シャクヤク、リヤトリス、アイス
 ランドポピー、金魚草シャワー、金魚草ソネット、
 ラベンダー、ハナビシソウ、姫金魚草、ゴテチア、
 サルビア、マリーゴールド、ケイトウ、クレオメ、
 フロックス、コスモス、ひまわり、ユキア、ペチ
 ュニア、ダイアンサス、ダリヤ、百日草(ダリヤ
 咲き)、ストック、百日草(ジニータ)、キカラ
 シとあったが、個々の花々ではなく丘陵全体を眺
 めてのまさに色彩を楽しむ場所だった。
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 すっかり花酔いの気分になったところで、バスは美瑛の丘・パッチワークの路を走る。
 美瑛とは、アイヌ語の「ピイエ」(油ぎった川、濁った川の意味)が語源。
 これを開拓者が「ビエイ」と訛って読み、“美しく、明朗で王者の如し”と意味をこめて“美瑛”の文字があてはめられたという。
 この路の途中にあるケンとメリーの木、セブンスターの木、それに親子の木の見える場所でバスは一時ストッブしてくれる。

 ケンとメリーの木 昭和47年日産自動車の「愛のスカイライン」ケンとメリーのCMに採用され、以来「ケンとメリーの木」と呼ばれています。 木の種類はポプラです。

 セブンスターの木 丘の上に一本の「かしわの木」が立っているが、昭和51年に観光たばこ「セブンスター」のパッケージに掲載された木。
 またこの地区一体が農産物の作付けにより、色とりどりに見えることから「パッチワークの路」とよんでおり、毎年作物の連作が出来ないため景
 色が変わって見えるとのことだ。

 親子の木 3本の「かしわの木」が高台に仲良く寄り添って立っており、冬の風雪や夏の風雨にも負けないで堂々と立っている姿は、まさしく親子 のようであることから「親子の木」呼んでいる。

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 今日の観光の最後は前田真三の拓真館の見学。
拓真館
 拓真館は、丘の町・美瑛を全国に知らしめた風景写真家・前田真三の写真ギャラリーである。
 昭和62年(1987)7月、旧千代田小学校廃校跡の体育館を改修して、前田真三がオープンしたもの。
 館内には美瑛や富良野の丘を撮り続けた前田真三の写真が飾られ、10万円を超える写真をはじめ、絵葉書や名詞カード、カレンダー等が販売され
 ている。入館料は無料。
 隣接の園内には、ラベンダーなどが植えられ、白樺の散策コースがある。
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前田真三
 大正11年(1922)八王子市に生まれた前田真三は、17年間の商社勤務を経て、昭和42年(1967)
 写真ライブラリー「丹渓(たんけい)」を設立して、写真作家活動に入った異色の写真家。
Rav13 昭和46年(1971)、約3ヵ月かけて日本列島縦断の撮影旅行を行い、その帰路、美瑛・上富良野
 の丘と出会う。
 昭和49年(1974)、写真集「ふるさとの四季」を刊行し、以後、風景写真の分野に新しい作風を
 確立し、数々の賞を受賞した。
 多くの作品を発表し、風景写真家の第一人者となったが、平成10年(1998)心不全により逝去。
 享年76歳。
前田真三の代表作「麦秋鮮烈」
 丘の町・美瑛が全国的に知られるようになったのは、前田真三の写真からである。
 赤麦畑を撮影した代表作「麦秋鮮烈」の鮮やかな色遣いは、誇張ではないかと思われるほど強烈
 で、絵画のようである。拓真館には誰もが感動する写真が多数展示されている。
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 充実の1日が終わり、今日の宿は何故か遠い層雲峡温泉へ。
 途中『北の森ガーデン』でトイレ休憩。とは言うもののここでもショッピング目当ての場所だ。
 その後は層雲峡の景観を楽しみながら『朝陽亭』に到着。
Ph01層雲峡温泉・朝陽亭
 江戸時代から知られる北海道の温泉地の一つ層雲峡温泉。
  長い歴史の中でできた切り立つ岸壁は、緑の春夏紅葉の秋、雪景色の冬とそれぞれに独特の景観が
 観られます。
 朝陽亭は、層雲峡温泉街でも小高い丘の上に位置しており、大浴場からも緑の岸壁が臨め、自然の
 中に身を横たえている気分でくつろぐことができる。       
  展望の良い7階の大浴場で汗を流した後、夕食は『蟹づくし膳』の部屋食。
 葡萄酒で乾杯の後、蟹味噌和え、外子醤油漬け、内子塩漬けの先付、毛ガニ、タラバ、ズワイの盛
 合せ、きのこ陶板、蟹と帆立のグラタン、ズワイ天ぷら、蟹などのお造り、蟹かぶら、味噌仕立て
 の鉄砲汁、最後にデザートとたっぷりの内容を楽しむ。
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 8時20分 風のガーデン 9時40分 … 10時00分 ホテル発 → 10時30分 後藤純男美術館 (昼食)12時00分 → 12時25分 上富良野駅(美瑛ノロッコ号)
 → 12時54分 美瑛駅 13時00分 → 13時25分 フラノーブル 13時45分 → 14時00分 四季彩の丘 14時45分 → パッチワークの路 → 14時50分 拓真館
 15時15分 →16時40分 北の森ガーデン 17時00分 → 17時30分 層雲峡温泉 朝陽亭 泊