nemo 折々の自然

折に触れて観察した自然などの記録

厳冬期 北陸美食紀行 1

2016-02-03 22:30:29 | 旅行記
平成28年1月24日(日)
 厳冬期の北陸で、この時期ならではの美味しい食べ物を求めてクラブツーリズム社の『山代・若狭 北陸美食紀行』に参加しました。
 前日の夕方から雪が降るとの予報で交通機関の影響が心配されましたが、幸いにも雨だったので、予定どおり出発することができました。
 ただし、この二、三日は猛烈な大寒波が予想されており、日本海側には大雪・風雪・波浪警報が出ているのが気掛かりなところです。
 昨年開通した北陸新幹線は初めての乗車で、期待する処大でした。
     *
 
     *
 関東地方は青空が広がり、陽光が眩しいほどですが、遠い山際には雲があり富士山は見ることができません。
 高崎からは次第に雲が多くなり、軽井沢からは積雪も目立つようになりました。浅間山も雲の中。
 上田付近からは青空が無くなり、長野では雪が散らついていました。車窓から雪を被った妙高山が見ることができました。
     *
 
     *
 妙高高原から糸魚川に掛けては風も強くなり、降雪量も増えてきました。
 黒部付近からは強風に煽られた雪が横殴りとなり、視界も効かなくなて本格的吹雪となりました。
     *
 
     *
 終着駅の金沢に着いてホームへ出ると、まともに吹雪の中に曝されるようでした。
     *
 
     *
 構内へ降りると、在来線は運転中止となっており、多くの乗客が足止めになっていました。
 幸い新幹線はトンネル部分が多いため運行できたようです。
     *     
 金沢駅の裏口にバスの駐車場があり、乗車するまで風に向かって身体を丸めて歩くことになりました。
 問題はこのような気象条件で、バスはまともに運行できるのかと心配になりましたが、この我々の心配を見透かすように早速バスガイドさんが、
 『私ども福井交通のバスはこのような気象状態での運行に馴れているので、心配はありませんよ』と説明され、一安心。
     * 
 バスは金沢市内から北陸道の金沢西 I .C.に入り、西へ向かって進むことになりました。
 高速道路は強風のため雪は吹き飛ばされて積ってはいませんでしたが、日本海側からの横風をまともに受けて車体が揺れます。
 この揺れるバスの中で、昼食用のお弁当が配られました。小生はご存知富山名物の『ますのすし』。
     *
 
     *
 約100年の伝統を持つという老舗弁当店『源』のます寿司、ほどよく脂の乗ったマスと富山県産米、緑が濃く香りの良い国産笹を使用した伝統の味を久し振りに楽しみました。
     *
 
     *
 妻は同じく『源』のお弁当、二段重ねの内容に満足したようです。
     *
 
     *
 食事が終わっても強風雪が続いていましが、加賀 I .C.付近から海岸を離れるにしたがって雪や風が弱まってきました。
 バスはトイレ休憩を兼ねて福井北 I.C.から一般道へ降り、羽二重餅製造の『マエダ製菓』の駐車場へ入る。
     *
 
     *
羽二重餅の古里【マエダ製菓】
 300年以上の歴史のある 福井の銘菓「羽二重餅」は、羽二重餅発祥 の家で、大本山永平寺御用達とのこと。
 羽二重餅・羽二重風呂敷・織福 などの銘菓他数。
 また施設内では本物の新鮮な羽二重餅の試食ができ、口当たりの柔らかい、ほんのりした上品な甘味のある餡入りやイチゴ入りなど多くの種類を味わうことができました。
     *
 バスは再び福井北 I .C.から北陸道へ戻り、敦賀J.C.T.から舞鶴・若狭道へ入る。天候は次第に青空が広がり積雪も少なくなってきました。
 小浜 I.C.で一般道へ降りると、周囲の雪は殆どなく青空からの陽光が眩しいほどです。
 ここでは伝統の若狭塗箸専門の『箸匠せいわ』の見学となる。
 先ず、何故か大黒様のような衣装・帽子の方から、箸の持ち方から若狭塗り箸の説明があり、次の部屋で各人が機械で実際に箸に塗る作業を体験しました。
     *
 
     *
若狭塗産地
 優美さと堅牢さのある若狭塗りは、江戸時代、徳川家をはじめ、多くの大名、公家、武家、一部の裕福な商家で使われていました。
 また、若狭塗りにはお汁椀などは無く、重箱や煙草箱、お盆などがありますが、こういった高級商品を作られる職人も少なくなり、現在はお箸が主流になっています。
 塗り箸に関して言えば、ここ福井県小浜市は日本一の産地で、その生産量は年間80万膳。全国の塗り箸の80%を生産しています。
 塗り箸は三ヶ月から一年をかけて、貝や卵殻を木地に付け、金箔や色漆を塗り重ね、研ぎ出すのが伝統的な行程ということでした。
     *
 そういえば、NHKの朝の連続テレビ小説『ちりとてちん』(平成23年10月~24年3月)で、主人公の実家が若狭塗箸を作っていたことを思い出しました。
     *
 バスは小浜 I .C.から舞鶴・若狭道を若狭・三方 I .C.まで戻り、一般道へ降りる。周囲の山々にも積雪は見られず、金沢駅到着前後のあの暴風雪がまるで嘘のような好天気となっていました。
 やがて三方五湖のうちの三方湖から水月湖沿いの道を進む。この辺りは梅の産地でもあり、延々と梅の木が植えられています。
 水月湖畔に立つ今日の宿『水月花』に着いたのは、午後4時前でした。
     *
 
     *
 湖に面した部屋に暫時休憩した後、早めに少し熱めの温泉で疲れを癒し、湯上がりのビールを飲みながら、大相撲初場所話題の大関・琴奨菊の優勝のテレビを観ました。10年振りの日本人力士の優勝は、まさか31歳の琴奨菊が賜杯を受けるとは思いもしませんでした。今後を大いに期待したいところですが……。
     *
 
     * 
 夕食は三大美食の一つ『若狭ふぐ』。一階のレストラン『梅一輪』で、湖面に映る夕陽を眺めながら……。
 先ず前菜の後、ひれ酒を呑みながら『刺身』、『あんかけ』と続く。
     *
   
     *
 若狭の恵まれた環境で育ったというふぐは、身が締まり、旨味も十分、料理の種類も多くたっぷりと時間を掛けて賞味する。
 次いで『ちり鍋』『唐揚げ』、『焼きふぐ』。
      *
 
     *
 さらに『茶碗蒸し』から『雑炊』となりましたが,既にお腹が一杯となり、雑炊にはどうにも手が出ませんでした
 最後のデザートを戴いて、満足の美食紀行の第一日を終えました。
     *
 
     *
水月湖(すいげつこ)
 水月湖は、福井県三方郡にある三方五湖のうち、五湖中最大の面積湖で、周囲 9.85km、最大水深 38.0m、面積 4.06km² の汽水湖である水月湖は水深が深く湖内に直接流れ込む大きな河川がないため、その流入などで湖底の堆積物がかき乱されることがないので、年縞(ねんこう)が1枚ずつきれいに積み重なっている状態が保たれている。
 また、湖底に酸素がないため生物が生息しないことで、年縞がありのまま残っていたこと。さらに好条件となった背景には湖周辺の断層の影響で、湖の底面が堀下がる沈降現象が続いており、湖底に毎年堆積物が積もって侵食して湖が埋まらないという特異な条件が揃っており水月湖の年縞は現在では「奇跡の堆積物」と呼ばれる。                                        【ウイキペデア】より
     *
年縞(ねんこう)
 水月湖の堆積物にみられる年縞が地質学的年代の世界標準となり、世界から注目されている。
 水月湖には約15万年分の年縞があると云われている。
     *
 8.18. 上野駅(はくたか555号)→ 11.36. 金沢駅 11.55.(福井交通バス)→ 13.00. マエダ製菓 13.20. →
 14.35. 箸匠せいわ 15.15. → 15.55. ホテル 水月花 泊