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被ばく労働者が闘いのスタートラインに立った!11・9「被ばく労働を考えるネットワーク設立集会」報告

2012年11月14日 09時00分00秒 | 労働組合

写真撮影尾澤邦子さん(レイバーネットより)

被ばく労働者が闘いのスタートラインに立った!
11・9「被ばく労働を考えるネットワーク設立集会」報告

 11月9日夕方、東京江東区亀戸文化センターで「被ばく労働を考えるネットワーク設立集会」が開催されました。5階の大ホールに参加者が300人近くもあふれ、多数のマスコミも取材に来たことを見ても、この催しに対する労働者市民の関心の高さがわかります。私たち東部労組も参加しました。

 この集会は、去年の最悪の原子力災害により広範囲にばらまかれた放射能によって発生した「被ばく労働問題」に対し、さまざまな労働組合、市民活動、個人がみずからの生活と安全をいかに守り、闘うのかという問題意識で一年あまり準備され、「新たな闘いのスタート」を切るために開かれました。

 司会は東京労働安全衛生センターの飯田さん。この集会全体の根深い問題提起とさまざまな立場の発言者と議論を仕切っていきました。
 
 まず被ばく労働を追ってきた樋口さん、元原発労働者で原発労働者の組合を作った斉藤さんのアピールに続き、福島現地の除染労働者の組合を組織し団体交渉をまさに当日行ってきたいわき自由労組の桂さんが現地報告を行いました。
「除染労働者はいいかげんな安全管理と低賃金で働いている」「環境省からゼネコン、下請け会社、全国からかき集められた労働者へと下に行くにつれピンハネされている」「省庁もハローワークも下請け会社も責任をなすり付けているが、多重下請け構造での不当な労働条件を許さない闘いを続ける」と決意を語っていました。
 次に、神奈川職業病センターの川本さんが問題提起を行いました。川本さんは「なぜ私達は福島原発事故以前に被ばく労働問題が社会問題として注目されなかったのか」「なぜ被ばく労働者は立ち上がったのか」「放射能を心配するのも、立派な被害ではないか」といって、ともに考えようと呼びかけます。つまり被ばく労働はすぐには発症しないが、福島原発事故とその後の収束作業はすさまじい被ばくが労働者に押しつけられたからだ。これまで、10人程度の労災を勝ち取った労働者は、プライドと技術に自信がある人たちで、その後ろには無数の下請け労働者の犠牲があった。また被ばく線量の線引きが問題ではなく、メンタルヘルス問題としてもっと被害への補償を要求すべきだ。まさにこれまで現場労働者の相談や運動を支援してきたからこそ言える発言だと思いました。

 休憩をはさんで質疑応答が始まります。
 原発収束作業の偽装請負を疑問に思い組合を作ったが、つぎつぎに労働条件が不利益変更され、所属企業ごと契約打ち切りされ、元請け企業に団交要求しても門前払いされている若い労働者の発言。
 被ばく労働者の母親は、現場労働者の暴動がおこることを期待するくらいやりきれない思いだ。でも同じ立場の家族同士で連帯したいという発言。福島現地だけでなく、関東の清掃工場の下請け作業員の内部被ばく問題も今後深刻になるのではと言う発言。
 さらに会場近くの堅川公園の野宿者からの、江東区当局の人権を無視した強制退去反対への支援の訴えがあり、原発と同じ行政による社会的弱者の切り捨てではないかという提起。等々、さまざまな問題と議論が活発に行われました。

 集会の最後に行動提起として、全国日雇労働組合協議会の中村さんが「11月25日にはいわき市で、被ばく、生活、健康などさまざまな問題についての、よろず相談会を開いていきます。また、現地事務所を建設して、現地の人々と実際に出会い、ともに行動していく場を作っていきましょう」という提起がされました。
 被ばく労働問題をきっかけに、日本社会の何十年も置き去りにされてきたさまざまな問題が暴き出されています。この日の集会を皮切りに実際の行動を通じて、今度こそ社会を変えていこうという、気概に満ちた集会だったと思います。

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