写真=泣きながら記者会見する前沢さんの遺族ら
NHKテレビニュース7月17日 17時26分
動画 http://www3.nhk.or.jp/news/k10015966401000.html
32歳のファミレス契約店長が過労死
すかいらーくは何人過労死させれば気が済むのか!
外食大手「すかいらーく」(本社・東京都武蔵野市)の契約店長で昨年10月に脳出血で死亡した前沢隆之さん(享年32)について、春日部労働基準監督署(埼玉県)は長時間労働が原因の労災=過労死と認定しました。
昨日(7月17日)、前沢さんの母親・笑美子さんと妹の美保さん、遺族を支援している私たち全国一般東京東部労組のスタッフが厚生労働省で記者会見し、発表しました。会見には4年前にすかいらーくの店長だった夫を過労死で亡くした中島晴香さんも出席しました。
前沢さんは高校2年(91年)から、ファミリーレストラン「すかいらーく」でアルバイトとして働いてきました。そのまま2006年からは1年更新の契約社員として、埼玉県の栗橋店で店長になりました。
遺族によると、店長になったころから長時間労働が常態化し、休みもほとんど取れず、深夜に帰宅して早朝に出勤するという日々でした。通勤に使っていた車で仮眠を取る姿も見かけられています。
ところが、会社のタイムカードなどでは40時間程度しか残業していないことになっています。遺族が独自にまとめた残業時間では、倒れる直前の月から過去3ヶ月の平均で月200時間を超える異常な残業を強いられていました。
春日部労基署も会社のタイムカードを採用せず、国の過労死の認定基準(残業時間が月100時間~平均80時間)を超えると認定しました。
さらに労基署によると、時間だけではなく、重い責任を負わされて加重労働の傾向にある「店長」という職務そのものを負荷要因にあげました。
今回の過労死事件は、極限まで社員の「非正規」化が進んだ結果、正社員だけではなく「非正規」にまで長時間労働が及んでいる構造が浮き彫りになりました。
前沢さんは年収が200万~300万円と「非正規」ならではの低賃金で、1年単位という不安定な有期雇用でありながら、重い責任と加重労働だけは正社員並みに押しつけられていました。
会見で笑美子さんは「ほかの人が同じ悲しい思いをしないためにも勇気を出して声をあげることが遺族の使命だと思う」と語り、美保さんは「兄を返してほしい」と涙ながらに語りました。中島さんは「夫の過労死のあと、会社は業務改善を約束したのに今度は32歳の若い命を奪った。本当に二度と起こさせてはならない」と話しました。
前沢さんの遺族と東部労組は近日中に、過労死認定を踏まえて、すかいらーくに謝罪や補償などを求めて団体交渉を申し入れます。今後も前沢さん過労死問題へのご注目とご支援をお願いします。
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記者会見の模様は、昨日夕~夜のNHKニュースや民放のニュースで放送されました。今朝の朝刊各紙(朝日・読売・毎日・日経・産経・東京・赤旗・各地方紙)にも掲載されています。ぜひご覧ください。以下は朝日新聞の1面に掲載された記事からの抜粋です。
「すかいらーく」非正規社員の店長に過労死認定
外食大手「すかいらーく」(本社・東京都武蔵野市)の店長で、昨年10月に脳出血で死亡した前沢隆之さん(当時32)=埼玉県加須市=について、春日部労働基準監督署が過労死と認定していたことが17日わかった。前沢さんは契約社員で、非正規社員に店長という責任の重い仕事を任せたうえ、過酷な長時間労働に追い込んでいた実態が浮かび上がった。
同日会見した遺族らによると、前沢さんは91年、高校2年のときに自宅近くのすかいらーくでアルバイトを始め、卒業後も働き続けた。
06年3月に1年更新の契約社員になり、栗橋店(埼玉県栗橋町)の店長を任されてから過重労働が始まった。
店舗は朝5~8時を除く21時間営業。店長以外は全員がアルバイトやパートだったため、毎日朝7時~深夜2時ごろまでの勤務が続き、休みは月に数日程度。アルバイトが急に休んだときは穴埋めで働いた。遺族の計算では、亡くなる直前の3カ月間の残業時間は、月平均200時間を超えていたという。
今年4月に遺族が全国一般東京東部労組の支援を得て労災を申請。残業時間は会社のタイムカードなどでは月40時間程度になっていたが、労基署は遺族や関係者からの聞き取りの結果、過労死の認定基準である月80時間を超えると判断し、6月13日に労災認定した。労基署は、店長としての責任の重さも認定の根拠として挙げたという。
(略)
同労組によると、最近は「アルバイト店長」のような人から長時間労働の相談を受けるケースが増えてきたという。書記次長の須田光照さんは「低賃金で不安定雇用の非正規社員の店長に、長時間労働と責任まで押しつけているのが実態だ」と批判する。
すかいらーく広報室は「事実関係を確認していないので現時点ではコメントできない」としている。同社では04年8月にも、正社員の店長だった神奈川県の男性(当時48)が過労死している。
※新聞記事の一覧はこちら(http://www.rodosodan.org/masukomi2008.htm#0718)
http://www.skylark.co.jp/news/080718_pdf/080718.pdf
平成20年7月18日
各 位
株式会社すかいらーく
広 報 室 長
弊社元店長の労災認定について
皆さまには、多大なるご心配とご迷惑をおかけしましたことを、心よりお詫び申し上げます。
この度の労災認定を深く受け止め、労務管理の改善に全力で努めてまいります。
亡くなられた元店長に対しまして、心よりご冥福をお祈り申し上げます。
以 上
一体すかいらーくはこの先何人同じような事例を作ろうとしているのでしょうか。
中島さんの件で「改善する」と言っておきながら、今度もまた前途のある人を殺した……。
言い方に語弊があるかもしれませんが、「殺人会社」と言えるでしょう(世間的に見て)。
会社側がステートメントを発表していますが、非常に空虚な内容にしか見えません。
国はこういう企業を営業停止にするとか、内容や回数によって莫大な罰金を払わせたり企業を解体するようにさせないとダメでしょう。
そうでないと、同じ事例を重箱のように積み重ねていくだけです!
私自身この件では非常に怒っています!!
ささやかな抵抗ですが、すかいらーくグループの利用は会社が改善されるまでの間絶対に利用しないと決めました。
前沢さんの死が無駄死にならないような回答を得れるように是非頑張って下さい。
影ながら応援しています!!
労働者自身が自らの権利対して声を上げなくなった事も大きいが、
これは過去、ストライキが国民の批判を浴び、経済が順調で賃上げも出来た時代は仕方ないとしても労働法制の悪化によりニート、派遣、名ばかり管理職、サービス残業、過労死、うつ自殺 等など 明日は我が身となっても黙っているつもりでしょうか
虎の前の可愛い子猫ちゃんを演じてもいずれ喰われてしまうことを知らなくては
手書きのタイムカードを未だに利用しているのは、
証拠が残らないための隠蔽行為であります。
社会貢献とは「名ばかり」の企業には、あきれ果てます。
いったいすかいらーくグループは何人従業員を死なすつもりですか!
私達、消費者はすかいらーくグループに対して社会的責任消費(SRC)として不買運動を実行すべきです。
すかいらーくには「みなし残業」という制度があります。
残業代は給与に含まれていることになっていて、ご丁寧に時間数まで記載されているのですが、(給与ランク)S4~S5クラスだと80~100時間にもなります。これって適法?
また、すかいらーくは8時間勤務で9時間拘束ですから、一般の企業より毎日1時間多く働いているのだと思います。(他の企業のことを知らないのですが)
なので、残業60時間程度から過労死認定されるのでしょうか?
子会社にはもっとひどいところもありますよ。
三鷹労基署、早く査察に入ってください!人の命がかかっています!
これは今に始まった事ではないです。
新聞マスコミ等で騒がない限り、労働基準監督署は動かないのが現実なので、どんどん広げて行きましょう。
何のための懇親会なのか。会社はおかしな方向に進んでいるのでは??何のためのMBOだったのか。雑誌の記事の事を否定するのならば、そうでないことをきちんと目に見える形で表現してほしい。社員達はみな怒涛に迷っています。こんな状況で立て直すことなんて無理。何のための仕事なのか??
HPからも労災認定の文章が消えています。たった数日で消えてしまうことの出来事だったのか。我々社員はそんな風に思っていません。労災認定は2人目でも、申請していない方やギリギリで死んでいない、危なかったけど後遺症からくる精神的な「うつ」で悩んでいる人がたくさんいます。本当に悩んでいる。(また同じように倒れるんじゃないかと)
外食ってそんなに危険な仕事なんでしょうか。そんなに命をはってやらなければいけない仕事なんでしょうか。管理職手当より危険手当のほうが説得力ある状況になっている。
そんな仕事でもそんな会社でもなかったはずだが、どこでどうなってしまったのか・・・
彼らの死を無駄にしてはいけない。でも我々には現場で変えるだけの手段がない。正しい報告をすることだけでも、できない。そんな雰囲気がどうにもやるせない。
良識あるご判断をお願いいたします。
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すかいらーく業績不振、創業家社長に退任要求 野村系投資会社
外食大手すかいらーくの主要株主である野村グループなどの投資会社2社が、創業一族の横川竟社長に退任を要求したことが29日明らかになった。国内最大規模のMBO(経営陣が参加する買収)で再上場を目指しているが、ガソリン高に伴う外食不振で業績が改善せず、両社が不満を強めた。
すかいらーくは2006年、野村プリンシパル・ファイナンスと英投資ファンドCVCキャピタルパートナーズに横川氏ら経営陣が加わり、MBOで非上場化した。MBO額は2700億円と国内最大級。経営改革を迅速に進めるため上場を一時的にとりやめた。
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080730AT2C2901P29072008.html