結局Aさんの我儘を満たすことはできなかった。
いつもクライアントの要望を聞き取る時に、「我儘はいっぱい言ってくれて結構です」とお話しはするが、予算が限られたものであれば、その中から優先順位を決め、予算の許す限り実現しましょう・・とお話はしているが、そこでとどまらなかった。
結局、Aさんには契約金のほぼ全てを返金し、現場は完成するまで見ることにしたのだった。
仲裁に入ってくれた弁護士も....「本当にそれでいいんですか?」
と念をおされたが、人には話して理解してもらえる人と、理解してもらえない人が居るが、正当性を主張しても寝耳に水となってしまう場合がある。
争いごとの中からは決して良いものは生まれず、早く見極め建物を早く完成させないと携わっている職人建ちにも大きな迷惑をかけるため、
そう決断したのだった。