Kさんの要望を匠がまとめた設計図の枚数は多く、事細かに描き、図面としての価値を高めるため昔から枚数を増やす工夫をするのが設計事務所の特徴なのだろうが、図面の枚数を書けば書くほど予算は上がり、上がってしまった予算を調整する時、自分の書いた設計図により調整不可能に陥り、
自分の意見を押し通し、結局は誰の家か分からなくなってしまう結果を生み出す場合があるのだろう。
今回のK邸設計図も同じような見方ができ、予算が2000万円と伝えたにも関わらず50坪以上の延べ面積の広さと、無垢の化粧梁や柱をふんだんに使って設計されていた。
最初Kさんから設計図を見せていただいた時、内容を詳しく見るまでもなく
2,000万円では建てることはできない家であることはすぐに理解できた。
Kさんは、また一から設計図を描く費用は無いので、この設計図で本当に2,700万円が必要なのかどうか予算を出してほしいと言われ、業者を呼び積算を依頼し、出た金額は2,400万円となり、予算は2,700万円もかからないが結局この設計図では予算オ-バ-となり設計変更をしなければ夢は叶えられない事をKさんも認め、一から設計図を立ち上げる事となった。 つづく。