よく分かる 住まいづくり・・(檀建築コンサルタント)

私達の考える住まいは、住まいづくりの原価を探り、無駄のない資金で、遊び心のある家を作る事。

回想-13

2011-01-20 08:09:58 | 回想

Kさんは工務店に50万円と、工務店から紹介された設計事務所に百数十万円の設計料を支払っていた。
施工業者は顧客を取り込むため、適当なプランに金額を乗せ、契約書を作成し、客を逃がさない方法をとり、契約金50万円を支払わせ、ビフォ-アフタ-に出演した、大阪の設計事務所を紹介した。

話し合いの結果、両契約をキャンセルすることになり、契約金および設計料が一部返金してもらえるか 当社が交渉することなり、まずは施工業者の50万円の契約金の交渉をおこなった。
確かに契約書はまともな内容となっており、Kさんのサインもあり、印鑑も押してあり、対外的には有効な契約書とはなっているが、内容は全く違い施工業者がとった顧客をつなぎ留めておく手段としてよく使われる手で、銀行などに
融資を申し込む時のとりあえずつくる”天ぷら”と称される図面と見積書に似ている。

施工業者に電話を入れ、責任者と話ができ、こちらとしては全額返金を要求したが、業者が一旦手にしたお金は簡単に返金してもらえないのは世の常。
本来契約は本設計図が作成され、それに基づき出された金額が思惑と一致しかつ内容が納得できて初めて契約金を支払うのが基本ではあるが、
Kさんの人柄の良さか、あるいは施工業者の思惑に乗せられてしまたのか
とにかく このような安易な見極めをする人が世間には多くみられる。

施工業者との交渉の結果、50万円の契約金の半分は返金してもらえることとなり、Kさんにも了解いただいた。
残るのは、ビフォ-アフタ-に出演し、匠と称される設計事務所。
日本人はなぜかメディアに弱く、一度テレビで流されると、なんの根拠もなく信頼しそれを受け入れてしまう。

ニュ-スステ-ションで取り上げられたラ-メン店のように、翌日からその店の前に行列ができた。
地元でも名前は知っているが、特別おいしいという店でもなく、美味しい部類に入るラ-メン店なのだが、もっと美味しいラ-メンは他にもあり、
テレビで流される程、特に美味しいと思わない。
しかし報道されると県外からも食べにくる。
これが日本人の気質なのかもしれないが、今も多くの詐欺事件が後を絶たないのは、その安易な見極めの弱さにあるのかもしれない。

Kさんには、「一度支払ってしまったお金は戻ってこないと考えてください」と
あまり期待しないよう念をおした上で、"匠”と称される設計事務所に電話を入れることに。・・・・・続く


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