フォルクスワーゲン(VW)が米環境保護局(EPA)の指摘で明るみに出た排ガス試験不正問題。
英文だとVolkswagen Emissions Scandalとなります。
Wall Street Journal が詳細にかつ分かりやすく記事を書いています。たとえば、これ。
"Volkswagen AG’s emissions crisis deepened on Tuesday as the company revealed as many as 11 million vehicles world-wide contain the software allegedly used to cheat emissions tests and disclosed it would take a €6.5 billion ($7.27 billion) charge to earnings and cut its full-year outlook."
かなり厳しく書いていて、今回の件はcrisisだとして、不正問題などという簡単なことではなく、危機(重大事件)という認識。
そして、 the software allegedly used to cheat emissions tests は「だますために使われたソフトウエア」と断じています。
さらに、VWが認めた不正の規模は全世界で1100万台に使われていて、これは米国内のディーゼル車が48万2000台でこれを凌駕するそうです。
問題のクリーンディーゼルエンジンですが、直噴ターボディーゼルエンジンではなくて、4気筒ディーゼルエンジン「EA189」で、ジェッタ、ゴルフ、ビートル、アウディのA3など中小型車に搭載されるエンジンだそうです。
クルマに関しては、昔からカタログ通りの燃費を消費者が期待していないし、そういうもんだと思っている人が多いと私は認識しています。
もっと言えば、「自分のクルマの運転が下手だから」と問題は自分にあると勝手に解釈していなかったでしょうか?
しかしながら、まさか環境基準に対してまで、このような「カタログ値と現実の乖離」があるとは多くの人が想像しておらず、今回の事件はここをついた点で、大きな騒動になったのかなと思っています。つまり、人が意識していたのにもかかわらず、無意識の下に抑え込んでいたものに急にスポットライトが浴びせられて、「それ見ろ」ということになったのかなと。
話は「
VW排ガス不正「人をばかにしたごまかし」 欧州の甘い検査、常識にずれ」まで、飛んできてしまって、自動車業界全体の問題になってきそうです。
要するに、国や州が決めた環境基準の数値があるのですが、その基準をクリアするために、「ゴールデンサンプル」(お酒で言ったら品評会用の酒?」)を準備したり、測定を下り坂でやったらいいんじゃないか、などいろいろと知恵を絞るのだそうです。確かに環境基準に対して、その基準に合っているかどうかの測定方法は別問題で、よくきくことです。身近にも例があって、エアコンの設定温度を冷房28度にするという件で、温度センサーの位置を直射日光のあたる位置に持って来れば、センサーの温度を28度にするために部屋が相当冷え切るとか。そもそも温度センサーの表示温度が実際の温度よりプラス3度高くなるようにするようなプログラムが(隠しコマンドが)あるとか。問題は、その細工を部屋の住人がどこまで許容できるか、ってことかと。