斎藤秀俊の眼

科学技術分野と水難救助、あるいは社会全般に関する様々な事象を一個人の眼で吟味していきます。

流れのある洪水 歩いて避難できるか? その判断基準は

2019年10月27日 23時23分20秒 | YAHOO!ニュースの背景
流れのある洪水 歩いて避難できるか? その判断基準は

この記事は、体当たり記事の一つです。体当たり記事とは、人様になかなかさせられないことを体当たりでやってみて、その結果を記事にするものです。
もちろん、自分の能力の範囲内で行っています。その一つとして、避難の必要に迫られ、流れのある洪水の中をどうしても歩かなければならない時、流れの中を歩けるかどうかの判断基準について解説しています。

実験動画は、平面水底の実験では長岡技術科学大学の25 m屋内プールに流水装置を設置して、水面から人が立っている床面の間で流速の平均がおおよそ秒速1 mになるように設定しています。また傾斜水底の実験では京都大学宇治川オープンラボラトリーにある実験水路を使用しました。国立大学の持つ、意外な施設を駆使して実験できるのも研究者の醍醐味と言えます。

こういうデータを自分でしっかりと取っていると、ニュース記事を書く時にも、力強く書けます。




おしらせ
水難事故調査に、あなたのクラウドファンディング参加をお待ちしています!
詳細はこちら

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

避難をためらう魔の時間 洪水からどのように自分の命を守るか

2019年10月27日 19時43分35秒 | YAHOO!ニュースの背景
避難をためらう魔の時間 洪水からどのように自分の命を守るか

実は、この記事、NHKスペシャルのロケにお付き合いして、その時に集めた情報でした。
NHKスペシャルと連動して公開しようとたくらんでいたのですが、NHKスペシャルではこのロケが没になりまして、寂しく単独記載となりました。

台風19号の時間差洪水により、新潟県長岡市内でも冠水しました。筆者はロケで浸水被害を受けたAさんのお宅を訪問し、聞き取り調査を行いました。調査を通じて、避難をためらう魔の時間の存在が明らかになりました。

ただ、この時、上流の長野県の工夫のために急激な時間差洪水にならなかった(であろう)ことにも触れました。長野県では多くの方が洪水被害に苦しむ中、少しでも感謝の気持ちを伝えたいと思いました。ただ、下流域でも苦しんでいる方々がおられる中で、表現には苦しみました。

この表現の苦しみ、きっかけになったのが、長野県の方からの苦情でした。
洪水リスクこれから本番 流域の長い河川は特に注意
の記事中で「昨日洪水災害を起こした長野県の千曲川。千曲川は新潟県を流れ日本海に注ぎます。」という一節に「イラっときた」というものでした。
確かにその通りです。千曲川を愛している長野の方からすれは、悪者と表現されている文章にはイラっとくるのは当たり前です。川は恵の根幹なのですから。

たくさんの人の目に留まるインターネットニュース。バランスのとり方、オブラートの厚さと薄さ。できるだけ事実に近づけ客観的に、でも筆者のコメントも交え。
読者のご意見をしっかり聞き、さらに理解されやすいニュースになるようにフィードバックしていきます。





おしらせ
水難事故調査に、あなたのクラウドファンディング参加をお待ちしています!
詳細はこちら




  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

VOS塾を開催しました

2019年10月26日 05時02分16秒 | 斎藤秀俊の着眼
長岡技術科学大学と長岡工業高等専門学校との合同のVOS塾を開催しました。
もう、学内での科研費申請の提出が過ぎていますが、VOS塾メンバーは最後までお互いの内容をチェックして提出になるので、「真の期限」までは勘弁してもらっています。

持ち寄ったそれぞれの申請内容は「すごい」
それにケチをつける参加者は、さらにすごいと思います。中には2時間の批判にさらされた申請書もありました。こういう申請書は「もう少し頑張ればいける!」という感触があるので、長くなります。
筆者の申請書はあまり時間がかけられなかったので、「無理じゃない?」と言われているようなものでした。

このノウハウを次の世代に伝えたいのですが、若い世代の教員がなかなか定着してくれません。批判が怖いのはわかりますが、それを超えると「何がきても怖くない」最強の研究者に育ちあがります。そういう人に次の活躍の場を託したいと思うところでは、この日の参加者全員の意見でした。

全国各地の高専では、すでにこのような塾を学内で行って申請書は完成していると思います。
来年度の結果通知を楽しみにしています!

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ヘリコプター救助中に要救助者が落下 何があったのか詳細に解説します

2019年10月23日 18時54分37秒 | YAHOO!ニュースの背景
ヘリコプター救助中に要救助者が落下 何があったのか詳細に解説します は公開してから、1日以内に非公開にしました。

この記事については、批判が多くありました。その根源となるのは、「外野は黙ってろ」的なご意見でした。外野と認識してもらっただけよしなのですが、確かに外野か観客か、落ち着いて判断するために、非公開としました。

ヘリコプターによる吊り上げ救助に関しては、かなり長い間、現場で実際にヘリコプター吊り上げ救助訓練を何度も体験し、その問題点を研究してきました。その結果、ヘリコプター吊り上げ救助が「水難事故に有効」であることを証明し、学会でも発表してきました。

「ヘリコプター救助の応援団だったのですが、ここは一観客に戻り、今後の活動を見守りたいと思います。」などと思うこともありましたが、せっかく認めていただいた外野だから今後も応援していきます。

お亡くなりになられた方のご冥福をお祈りします。

そして、各地の航空隊には、ぜひ事故解析を進めていただいて、特に「連続吊り上げ救助法」をテーマに精進をお願いします。1回目はうまくいきます。2回目もうまくいきます。3回目は大丈夫か?手順を省略していないか。周囲がその省略を認める瞬間がないか。単発吊り上げと連続吊り上げは、全く違う状況におかれることを認識しましょう。

道具の作業手順の確認については工学部ですから、プロとしてのそれなりの意見を持っています。
工場というのは、何千個、何万個も同じプロセスを繰り返しながら失敗せずに製品を作るものなのです。





おしらせ
水難事故調査に、あなたのクラウドファンディング参加をお待ちしています!
詳細はこちら



  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

安全に遊べる川はほぼない、思わぬ惨事に巻き込まれたケースも 川遊びの「怖さ」を解説

2019年10月22日 23時57分36秒 | YAHOO!ニュースの背景
安全に遊べる川はほぼない、思わぬ惨事に巻き込まれたケースも 川遊びの「怖さ」を解説 はかなり自信をもって執筆したのですが、海の記事に比べたら、あまり関心を呼びませんでした。
例えば
「裸足で海水浴」は時代遅れ?マリンシューズが必需品になった理由 とか
沖に流されたら、どうして大人が犠牲になる?そうなるのが水難事故だ です。

夏場は、海で海水浴、という定番は市民の気持ちとしては未だすたれていないということだと思います。でもどこの海水浴場もお客さんの数が減ってたいへんだと話を聞きます。
来年は、もっと海水浴!みたいな記事を出していけるといいなと思っています。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする