昨年9月1日にこの当麻(たいま)に引っ越してきて一周年である。今日我が心のユートピアを「癒浦等宮」(ゆららのみや)と命名する。神殿は我が体の皮下の奥底の水郷に築かれるであろう。私の日々に生まれる言葉によって築かれるであろう。ゆららとはこの土地での私の生活のリズムであろう。ゆららとは心と外界とのメタフォアの波長であろう。ゆららとは生卵が割れずに転がってゆく凸凹であろう。ゆららとは浅漬の味であろう。ゆららの情酒(なさけ)ほど有り難く癒されるものはない。「ゆら」とは水郷を司る姉様(女神)の名であるろう。ゆららの神は私を「詩人」ではなく{詩}そのものの形に整え、等しく私をも穏やかな眠りに導かれるであろう。
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