<資生堂 アネッサ レディスオープン 最終日◇7日◇戸塚カントリー倶楽部(神奈川県)◇6513ヤード・パー72>
残り4ホールで4打差を追いついての優勝。プレーオフを制して満開の笑顔を見せた渋野日向子とは対照的に、傍らにいた門田実(かどた・みのる)キャディは込み上げる感情を抑えきれなかった。
ピカチュウも渋野の優勝を祝福?【写真】
これまでニッキー・キャンベル(オーストラリア)や西山ゆかりら多くの選手を担いできた門田キャディ。ささきしょうことのコンビでは「大東建託・いい部屋ネットレディス」を制している。もちろん今年もキャディ業を務める予定でいたが、1月24日に妻の和枝さんが脳内出血で他界。スケジュールをキャンセルせざるを得なくなってしまった。
ようやく落ち着いてきて、もう一度キャディ業を再開しようとなったときに出会ったのが渋野だった。不幸のすえに生まれた出会い。ともに戦うことになった二人だが、相性の良さは抜群。タッグを組んでオーバーパーはなし。トップ10も外していない。
初めてタッグを組んだのは4月の「フジサンケイレディスクラシック」。その前週には最下位から予選突破を果たすなど、勢いに乗った20歳はこの大会で2位。さらに2度目のタッグとなった「ニチレイレディス」でも最終日に伸ばして7位タイ。そして今週、3度目の正直と言わんばかりにイ・ミニョン(韓国)とのプレーオフを制して見事タイトルを勝ち取った。
この日も「私は横にいるだけ。ただただ素晴らしい選手です」と自身の働きについては多くを語らない。だが、渋野は優勝会見で感謝の言葉を口にした。「プレーオフに行く前に門田さんが“自分のペースでいつも通りやれば大丈夫”といってくださったから、初めてのプレーオフでも落ち着いてプレーすることができました」。余計なことをいわないのが、門田キャディの美学だ。
「今日の優勝は、亡くなった妻のおかげかな」。不器用な男が、そんな粋な言葉を口にしたくなるくらいの劇的優勝。七夕のこの日、最高のタッグに歓喜が訪れた。(文・秋田義和)
以上、アルバニュース
渋野選手は、安定感抜群で今後も活躍が期待できると思います。
キャディさんの力も大きかったと思いますが、渋野選手はソフトボールをやっていたこともメンタルがしっかりしている要因かもしれません。