二酸化炭素を多く排出する石炭火力発電を推進してきた日本が国際社会から「石炭中毒」とまで批判されていることなどを受け、政府は「非効率」と呼ぶ一部の石炭火力発電を令和12年度までに休廃止に踏み切る方針を決めた。だが、日本以外の国でも石炭火力を多く使っている国は、中国やロシアなど決して少なくない。それにもかかわらず日本が批判を一身に受けているようにもみえるのはなぜか。
日本は昨年12月、スペイン・マドリードで開かれた気候変動枠組み条約第25回締約国会議(COP25)の会場で、世界の環境団体でつくる「気候行動ネットワーク」から、地球温暖化対策に後ろ向きな姿勢を示した国に贈る「化石賞」に2度選ばれた。石炭火力発電の利用を続ける政府方針を改めて示したのが理由だ。
今年2月にも米ニューヨークの国連本部で、気候変動問題に関する会合において、グテレス事務総長が「石炭中毒」という言葉を使って、石炭火力発電への依存を批判した。日本などを差したとみられる。このほか、欧州各国からの風当たりも強まっている。
このように批判されるのは、欧州を中心に火力発電の使用を抑制、廃止するなか、日本が石炭火力発電を推進し、発展途上国での建設に多額の公的融資を続けているからだ。
今回の政府方針は、非効率の石炭火力の廃止を決めたものの、「高効率」と称する最新の発電所については維持、拡大を容認しているうえ、輸出も引き続きできる。今回の方針提示で、日本がどこまで国際社会から理解を得られるかは分からない。
世界を見渡せば、石炭火力を使っている国は少なくない。日本以外にも、中国、インド、韓国、米国、ロシア、豪州、南アフリカ、ポーランド、ドイツなどが石炭大国だ。このほか、東南アジア諸国も利用が多い。
この中で、ドイツは今月3日、温暖化対策として、今後の18年間で石炭火力発電所を全廃する「脱石炭」法案を可決。2022年末までの脱原発政策も進み、政府は50年までに電力の80%を再生可能エネルギーで賄うとの政策を掲げた。石炭大国のなかで、「脱石炭」を掲げる国はドイツ以外はいない。
一方、英国、カナダ、フランス、フィンランド、デンマーク、オランダ、イタリアなどは、30年までの脱石炭発電を目指すとしている。もともと石炭火力の使用が少なく、エネルギー政策を大転換するほどのものでもない。日本政府関係者からは、「脱石炭火力の方針を打ち出せば、環境先進国なのか。国の事情を反映していない」との恨み節も漏れる。欧州企業は洋上風力、太陽光などの再生エネを展開するメーカーが多く、コスト競争力で優位に立つことから、「EU(欧州連合)が石炭火力のネガティブキャンペーンを張り、域内の再生エネ会社の国際展開を実質助けている」(日本の電力会社)との見方さえある。
エネルギー源を選択する際には、安定的な供給、経済性、環境適合、安全などさまざまな点について考慮しなければならない。しかし、すべての面で完璧なエネルギー源は存在せず、バランスをとりながら、最適なエネルギーとその組み合わせを選ぶのが重要だ。
この意味で言えば、日本は、平成23年の東京電力福島第1原発事故により、原発の再稼働が停滞する中、安いコストで電気を安定供給できるとして、石炭火力発電の利用を増加した経緯がある。日本で使用される石炭の調達は、豪州やインドネシア、ロシア、カナダ、米国など政治的に安定した国が多く、地政学的リスクが低い利点がある。
以上、産経新聞
私は政府の判断は正しいと思います。温暖化はCO2が原因じゃないからです。
日本の最新の石炭によるコンバインド方式発電は、クリーン発電です。
CO2犯人でなければ、問題ないと思います。