先日、ニュースを見ていると、一世を風靡した匠が出ていました。
久保田五十一さんという方で、バット職人だった方です。
イチローや松井といったメジャーやプロで活躍する選手のバットを作り続けてきた名工です。
その番組では、披露しませんでしたが、おそらく以前ある番組で、バットスイングの音を聴くだけで、
どんな打球で、どの方向に、どれぐらい飛んだか、クリーンヒットか凡打かを見極める人だったと思います。
またアオダモのバットを作らせたら、凄い人だったと記憶しています。
そんな久保田さんは、今、別の仕事に転職したそうです。
その仕事とは、何と、そば打ち職人。
そばを延ばすそば打ちの棒も久保田さんの手作りだそうです。
バットを加工するように、アオダモの木を加工して、自分用にして使っているそうです。
同じそば打ちの棒と比べると、明らかに、光沢があって、滑らかで、表面がツルツルしています。
肝心なそばも光沢が出て、綺麗に仕上がっておいしいのだそうです。
久保田さんは言います。
「私たち職人は、バットにしろ、そばにしろ、素材の良さを超える仕事は出来ません。その素材や材質が、良いものだったら、
必然的に良いものに仕上がる。ただそれだけです。」
非常に謙虚な方です。「イチローも松井も、自分のお陰で活躍出来たんだ。」とは決しておっしゃいません。
またバット職人を辞めたことも、バットを頼まれていたプロ野球選手たちには、言っていないそうです。
職人の方にも色々な方がおられますが、こういう謙虚な職人の方の手から、凄い記録が生まれる。
改めて凄いことだなあと感じました。
【工芸品ショップ泉亀(いずかめ)】ショップサイト
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