■■■■■
帯とけの枕草子〔十五〕海は
言の戯れを知らず「言の心」を心得ないで読んでいたのは、枕草子の文の「清げな姿」。「心におかしきところ」を紐解きましょう。帯はおのずから解ける。
枕草子〔十五〕海は
海は、水うみ。よさの海。かはぐちのうみ。いせの海
清げな姿
海は、湖。よさの海。川口の海。伊勢の海。
心におかしきところ
つらいのは、見ず憂み、夜がくる憂み、かは口の憂み、井せの憂み。
うんざりなのは、身す・見す、倦み、夜の倦み、かは口の倦み、井せの倦み。
言の戯れと言の心
「海…産み…女…憂み…ゆうつなこと…つらいこと…倦み…厭き厭きする…なれなれとなっていやになる」「水…女…見ず…身す」「見…覯…媾…まぐあい」「ず…打消しを表す…す…洲…女」「よさ…夜…夜さり…夜がくる」「川…女」「口…入り口…門…女」「い…井…女」「せ…背…背後…陰…奥」。
聞き耳を異にしたために「心におかしきところ」が全く聞こえなくなり、清げな読みの前で立ち尽くしたまま数百年は経った。今、清げな衣姿の奥より、生な女の心の声が聞こえるでしょうか。
伝授 清原のおうな
聞書 かき人しらず (2015・8月、改訂しました)
枕草子の原文は、岩波書店 新 日本古典文学大系 枕草子による。