オカンとワンコ

過去と他人は変えられない 自分と未来は変えられる

「花川戸自身番日記 1・2」辻堂魁著

2024年07月12日 17時58分31秒 | 読書

「神の子 花川戸町自身番日記1」辻堂魁著

 序  浅草川
第一話 一膳飯屋の女
第二話 神の子
第三話 初恋
 結  ときの道しるべ

花川戸町の表通りと〈人情小路〉の辻にある自身番に書役として雇われている入倉(いりくら)屋の可一(かいち)、二十七歳。
可一は自身番日記に記すため、町内に起こった出来事を調べる過程で、けなげに懸命に生きる人々の悲喜劇や事件に絡み、かかわっていく。
恋あり笑いあり人情の哀愁あり、壮絶な殺陣ありの、三話オムニバス形式。
(裏表紙の紹介文)

一膳飯屋の女
幼馴染の吉竹は独り身で一膳飯屋「みかみ」の主。
通いの手伝いが辞めて新たに雇った女がどうやら訳ありで…。

神の子
恋女房は乳呑児を残して亡くなり、男手一つで大切に育てた娘を手放し女房の里方に預けたのは何故か…。

初恋
寺子屋の師匠は
「近松を語りながら一杯」というのがお互いの誘い文句で可一の飲み友達。
子供らにも親たちにも信頼され穏やかに暮らしていたが、
ある日、供を従え立派な籠に乗って尋ねてきた女性は実は…。

主人公可一が親しく付き合う町内の人それぞれに降りかかる出来事を短編で綴っている。



「女房を娶らば 花川戸町自身番日記2」辻堂魁著

 序  言問い
第一話 ろくでなし
第二話 無謀
第三話 国士無双
第四話 のるかそるか
 結  さねかずら

南町奉行所の端女(はしため)お志奈(しな)が浅草花川戸町の裏店(うらだな)に帰ると、定職をもたない一つ歳下の亭主三太郎(さんたろう)が、なぜか旅支度中で、他国に行こうという。
前夜に近くの渡しで追剥ぎ騒動があったばかり………。
と、戸が激しく音をたて、悪相の用心棒らがどっと入ってきて、三太郎を引きたてていった。
残された若い女房お志奈は………。
(裏表紙の紹介文)

ろくでなしの亭主が起こした事件で連れ去られ、
亭主を救うべく女房お志奈が考えついた策は、
奉公先の奉行の奥方を連れ去り亭主と交換するというもの。
奉行は内内で片付けるはずだったのに、上に知られ大事になっていく。
さてさてどのように片が付くのか。
お志奈が考えたように上手い具合にいかないのが世の常。
連れ去られた奥方様は公家の出で武家の仕来りなんぞ気にしない我が儘いっぱいの人。
連れ回されて世間を見るうちに少しずつ変わってくるのが、良かったわねぇ。

剣客物が好きなので辻堂魁の作品も風の市兵衛シリーズしか読んでなかったけど、
他の作品も、やっぱ面白いな。