勝浦若潮高校の大原高校への統合について

2011年11月17日 22時57分51秒 | 教育に関する記事
皆さん今晩は。
明日からまた寒くなるようです。今年も残り後僅か。
寒い冬も間近です。インフルエンザも既に流行し始めているようですので、皆さんもお身体ご自愛下さい。

さて、15日、16日の2日間、新潟県十日町市へ教育民生常任委員会行政視察に行って参りました。
視察のテーマは「中高一貫教育」です。
十日町市では、少子化やいじめ、不登校、学力低下等の問題に総合的に対処するべく、
義務教育9年間を見通した連続性のある学習指導の実現を目指し、小学校における一部教科担任制の導入や、小中学校間の乗り入れ授業など、様々な取り組みを実践しています。
勝浦市の教育改革を政策に掲げる私にとって、今回の視察は大変勉強になりました。

私も先の6月議会一般質問において、小学校における教科担任生の導入について質問しています。

勝浦市議会6月定例会議事録(私の一般質問は70ページからです)
http://www.city.katsuura.chiba.jp/gikai/pdf/kaigiroku/kaigiroku23-6-3.pdf

教科担任生の実現も含め、教育改革には多くの困難が伴いますが、
子ども達の教育環境の充実を図るべく、実現の難しい課題にもあらゆる方策を駆使して果敢に取り組む十日町市の教育行政の在り方には、深い感銘を覚えました。
教育改革の成果は、経済政策と違い、直ぐに効果が出るものではありません。
10年後、あるいは100年後の将来を見越して必要な改革を断行していかなければならないものです。
十日町市教育委員会の方から、「確かに予算は厳しいが、教育は100年の大計をもって当たらなければならない」というお言葉を聞いたときは、深く共感するとともに、大変な感動を覚えました。
おかげさまで得る物の多い視察となりました。十日町市教育委員会の皆さん、本当に有り難うございました。

今回と、前回の視察については来週中に報告書をまとめて、改めてここでアップロードしたいと思います。

今日は教育繋がりでもうひとつ。

今日の千葉日報にこんな記事が載りました。

千葉県教委は16日、来年度から10年間の「県立学校改革推進プラン」の最終案を発表した。
生徒数の減少に伴い大原(いすみ市)、岬(同)、勝浦若潮(勝浦市)の3高校を2015年度に統合するほか、16年度から東葛飾(柏市)を県立中高一貫校にする。
また、県内初となる医歯薬コース(東葛飾)と教員基礎コース(千葉女子、安房)、東日本大震災を受けた「防災の学び」(銚子)など専門色の強いコースや科目を新設し、生徒が将来の職業を意識して学べる態勢を整える。
大原、岬、勝浦若潮の3校の統合は、プラン前半5年間の「第1次実施プログラム案」に盛り込まれ、15年度に大原に統合する。統合後の名前は今後検討する。
これにより、勝浦市内に県立高校はなくなり、夷隅地域の県立高校は大多喜(大多喜町)と統合高校の2校になる。
統廃合に向け、大原の健康スポーツ科と岬の園芸科の募集を13年度入試から停止する。普通科は募集を続け、統合時の定員は1学年6学級(240人)とする。
県教委県立学校改革推進課によると、同地域の中学卒業者はピーク時(1989年)の約千人から今年は639人に減少。2021年には450人程度まで減る見込み。4校のうち、大原の健康スポーツ科や勝浦若潮で定員割れが続いている。


http://www.chibanippo.co.jp/c/news/politics/65152

つまり、勝浦若潮高校が無くなる可能性がある、という事です。
これはとんでもない話です。

勝浦若潮高校は、1901年に「勝浦水産補習学校」として開設されて以来、110年もの歴史を誇る伝統校です。
全国でも数少ない漁業科、水産科を要する高校として、周辺地域の漁業発展、漁師育成における重要な役割を担ってきましたが、
2005年に御宿高校と統合し総合学科となった後、2008年から漁業水産科は廃止。
生徒数の減少に歯止めがかからず、現在は定員割れも起こしている状態です。

そもそも、統合前の勝浦高校は全国でも稀な「漁港に根ざした水産系高校」として独自の個性や歴史を持つ高校でした。
その個性を失わせ、全国何処にでもあるような総合学科にしてしまったのは県教育委員会。
その目論みが上手く行かなかったからと言って、前回の統合から7年も経たないうちにあらためて大原との統合を決めるなど、その見通しの甘さには呆れ返ります。
塾の講師として言わせてもらえば、2005年統合後の勝浦若潮高校は、地域の漁業発展を担って来たその個性・独自性を失い、「低難易度の高校」としてしか生徒に認知されなくなっていました。
結果、更なる学力の低下を招き、人気も低迷。現在に至っています。
またそれに加え、千葉県では昨年度まで「特色化選抜」が実施(入学に際し生徒の半数は学力試験を課さず、面接や作文だけで入学出来るゆとり教育システム)され、
勝浦若潮高校のみならず千葉県内の多くの高校における大幅な学力・偏差値低下を招く結果となりました。

http://chiba.okinawa66.com/010/post.html

勝浦市民は、千葉県教育委員会に対しもっと怒っていいと思います。
こんな結論はありえん、もっとしっかり議論を重ねて結論を出すべきだと。
前回の改革から10年も経たないうちに「なんかうまくいかなかったからとっとと諦めて統合しちゃえ!」というのは、あまりにも乱暴です。
もし勝浦若潮高校が無くなれば、勝浦市にとって文化的にも経済的にも大きな損失となります。

私は、勝浦若潮高校は、その独自性と歴史を活かして水産、漁業方面に特化し、漁業再生の拠点校として全国から生徒を集めてくるべきだと思うし、
そうするだけの実力やストーリー性のある高校だと思っています。そして、そうする事で存続は十分可能なのではないかとも思います。

とにかく、今後は県教育委員会に対して勝浦若潮高校存続の意志を示していかなければなりませんし、存続の為の方策を考えていかなければなりません。
まだまだ諦めるのは早いです。私も勝浦若潮高校存続に向けて情報収集、活動を今後も続けて行きたいと思います。
コメント (15)
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