いつか英国日記

英国を中心とした靴、鞄、時計、その他ファッションに関するブログ

理想のコート

2011-03-26 05:41:22 | コート
以前、2008年11月にご紹介した
batakのビスポーク コートです。
偶然にもバタクハウスカット梅田店に置いてありました。
このコートに初めて出会った時の
驚きと感動は今でも覚えています。
理屈抜きにカッコいい。

様式がどうのとか
ラペルがどうとか色々ありますが
そんな理論が一気に吹っ飛ぶ程
本当にカッコいいんです。

当時batakで、無謀にもいきなりこのコートを
ビスポークしようとして
N寺氏に、「らみいさん(実際には本名で呼ばれます)
ビスポークコートはビスポークスーツの上に着るんですよ」と
諭されましたが、今となってはその意味が良くわかります。

スーツスタイルも正しいフィティングが出来
尚かつ、自分のスタイルが確立し
最終的に一番上に着用する服として
オーダーすべき物だと今は思っています。

一般の服屋さんだったら
商売になれば何でも良いので
お客さんの言う通りに何でも作る
というお店も多いと思います。

ビスポークテーラーは
ちゃんとお客さんと話し込んで
その人が一番映えるスタイル
あるいは一番相応しいと思えるスタイルを
提案し形にしていくのが
テーラーだと思います。

こういったお店と付き合えるというのは
ある意味財産だと思います。

さて、このコート冒頭の写真を
見ていただければわかりますが
何と言っても一番カッコいいのは
後ろ姿です。

インバーテッドプリーツを
バックベルトでぎゅっと絞ったスタイル。
もし私がbatakを知らなければ
このコートを着て歩いている人を見かけたら
思わず声をかけてどこで作ったのか聞いていたと思います。

とのかく私の中ではその位
衝撃なコートなのです。

正面です。



襟はかなり大きめ、ほぼ真横に伸び
下襟の方が大きくなっています。
チェスターフィールドコートなどでも
用いられる襟の形だと思います。
Vゾーンの形が30'Sを連想させます。

フロントはシングルの比翼仕上げ。
袖口はターンナップで本切羽になっています。

そしてスーツのハウスモデルのように
ウェストを絞った抑揚的なスタイル。
チケットポケットも付いています。
そしてやや長めの着丈。

いや、本当にカッコいいですね。

このコートとってもヘビーオンスです。
ひょっとして目付は1,000g/m位あるかもしれません。
正にオーバーコートという感じです。

不思議な事に
袖丈も身頃もほぼこのままでOKの
このビスポークコート。

N寺さん、是非このコート
いつかは譲って下さいね~。