いつか英国日記

英国を中心とした靴、鞄、時計、その他ファッションに関するブログ

理想のコート その2

2011-03-27 06:40:21 | コート
理想のコート その2です。
以前、信濃屋の白井氏のポロコート
紹介させていただきましたが
正にその原型とも言える物です。

これは昔のファッション誌、「ADAM」に掲載された物です。
銀座のアトリエには、「ADAM」が普通の雑誌のように
気軽に山積みされていたりします。

「ADAM」は1940年代、1950年代が全盛で
この当時の写真やイラストはため息が出てしまうほど
素晴らしい物が沢山あります。
本当にクラシックで正統な装いが
沢山掲載されています。



1960年代になると表紙のロゴも
大文字から小文字になり
雑誌の雰囲気も変わってしまい
やがて廃刊になってしまいます。

1940年代の物は恐らく1冊1万円位しますが
中々手に入れる事は難しい雑誌です。

そんな雑誌が、大切にされる風でもなく
無造作においてあるアトリエ
一度足を踏み入れたら出てこられなくなる
迷宮です、、、

さて、話がそれましたが
「ADAM」を見ていると偶然冒頭の写真のコートを
発見しました。

正にこれが私の思っている理想のコートを
具現化しています。
カッコいいですね~。

所謂、ポロコートですが
パッチドポケットでチケットポケット付き。
ぎゅっと絞り込まれたウエスト
そしてダブルブレスト。
袖はやや幅広のターンナップです。

着丈やラペルの大きさ完璧です。
恐らく後ろ姿はインバーテッドプリーツで
バックベルト付きだと思います。

この帽子もかっこいいですね~。
このままのスタイルで、今、街を歩いても
なったく違和感がないと思います。
本当にクラシックな装いというのは
こういう事だと思います。

そして小さな事ですが
当時の装いのポイントがひとつ。
手首の手袋のところをよく見ていただくと
手袋を折り返して着用しています。



これが本来のクラシックな正しい手袋の
装着の仕方です。
エレガントですね~。

その為には折り返しても
おかしくない裏地作りになっていなければなりませんが
そんな手袋は今では、もうありません。
残念ですね、、、

さて、そんな理想のコート
コートの終着駅として
いずれビスポークしたいと思います。