徒然なるまままに

展覧会の感想や旅先のことを書いてます。

三嶋大社 国宝梅蒔絵手箱

2007-03-13 | 工芸
東京国立博物館 本館 常設展(工芸)
13室、14室
2007/1/2~ 2007/3/18

漆工 13室 2007/1/2~ 2007/3/18

  • 国宝 梅蒔絵手箱及び内容品 1具 鎌倉時代・13世紀 静岡・三嶋大社蔵;
  • 国宝 舟橋蒔絵硯箱 1合 本阿弥光悦作 江戸時代・17世紀 H-53

    たどり着く前に疲れてしまってスキップしていたかもしれません。いや、もう今年になって何回かこの13室を通り過ぎている筈です。ともあれ、1月2日から展示替されていたのに今日はじめて立ち止まりました。目の前に現れたのが、三嶋大社の国宝梅蒔絵手箱。一度実物を見てみたいと思っていましたがそれが急に。吃驚したのは、なんといっても、蒔絵手箱の中身が展示されています。化粧道具なのだとは初めて知りました。北条政子奉納だったとは。凄いですね。光悦の舟橋蒔絵硯箱の印象はとんでしまいました。
     
    三嶋大社のホームページには、北条政子奉納と伝える蒔絵手箱。鎌倉時代の漆工芸品を代表する優品で、入念に漆を塗り重ね、金粉を濃密に蒔きつける沃懸地(いかけじ)の技法により豪華に仕上げられています。蒔絵の基本技法(平蒔絵・研出蒔絵・高蒔絵)の完成を示す作品としても知られます。
     本体の手箱の他、鏡・鏡箱・白粉箱・歯黒箱・薫物箱・螺鈿櫛・銀軸紅筆・銀挟など化粧道具がほぼ揃った最古の遺品として、風俗史上も貴重です。
     蓋表には、梅の老木や几帳や群遊ぶ雁をあらわし、銀の薄板によって「榮・傳・錦・帳・雁・行」の文字が配されています。これは、唐の詩人白居易が、友と共に昇進を遂げた慶びを詠った次の漢詩の一節によった文学的な意匠です。
        雁は錦帳を伝え、花は萼を連ねたり、
             彩は綾袍を動かし、雁は行を趁う、
     こうしたデザインは、葦手(あしで)ないしは歌絵とよばれる表現法で、和歌や漢詩の文字の一部が象徴的に配され、それらの一場面が暗示されているのです。模様とともに断片的に配された文字を読み解くことで、意匠に隠された文学的表現が読みとれるようになっているのです。この葦手意匠の作品としても、初期の作例として貴重なものです。
    とあります。

    陶磁 13室 2007/1/2~ 2007/3/18
    「華麗なる伊万里 雅の京焼」展を再現するかのような展示。たとえば、仁清はこんな具合。
  • 重文 色絵牡丹図水指 1口 仁清 江戸時代・17世紀 昭憲皇太后御下賜 G-303
  • 褐釉耳付茶入 1口 仁清 江戸時代・17世紀 横川民輔氏寄贈 G-1184
  • 白濁釉象嵌桜文茶碗 1口 仁清 江戸時代・17世紀 G-315
  • 重文 色絵月梅図茶壺 1口 仁清 江戸時代・17世紀 G-40

    眼に留まったのは、瑠璃地金銀彩の伊万里。
  • 瑠璃地金銀彩富嶽図角皿 1口 伊万里 江戸時代・17世紀 G-974;伊万里では、色絵が始まった極早い段階から金銀彩が行われていた。ところが銀彩は17世紀中頃には行われていたが、急速に姿を消した。この角皿は金銀彩をつかった珍しい例とのこと
  • 瑠璃地金銀彩山水図徳利 1口 伊万里 江戸時代・17世紀 G-5044;金銀の組み合わせというと華やかな印象があるが、伊万里の瑠璃地金銀彩は華やかというより落ち着いた気分を漂わせるのが特徴。銀彩は参加して異変することや他の絵の具に影響をあたえることから、伊万里では早くに途絶えてしまう技法。

    (10日)
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